昨年春以後非常にのんびりとしたペースで連載を続けて参りましたヤンゴンでの撮り鉄記録、とりあえず最終回となりました。そのために温存していた隠し球は……日本製or日本部品で現地組み立ての、正真正銘の日本代表選手であるDD500!!
基本的に、多くの国でのDLはメンテナンスの簡易さを考慮し、発電機能のみディーゼル機関に依存し、そのうえで釣掛駆動で走る電気式DLが主流を占めるわけですが(その結果、ソ連罐のディーゼル発電機を撤去してパンタグラフを装備した、北朝鮮の「強行軍型」という驚異的なシロモノも……嗚呼撮りてぇ~)、日本は周知の通り、持ち前の几帳面な加工とメンテナンスで、軽くてパワーが出る液体式DLが主流となっています。ミャンマー国鉄はDD51の輸入を通じて(今回はDD51や、その半分化改造バージョンを撮影出来ませんでした……)、そんな国際スタンダードからやや外れる (?) 液体式DLを使いこなそうとしたわけですが、それにはきちんとした前史があり、既に1980年代から日本の援助で液体式DLとしてDD500型を導入し、その蓄積のうえでDD51輸入という流れがあるのではないか……ということを、今回初めて何となく推測するに至った次第です(あくまで推測です。スミマセン)。
そんなDD500、ヤンゴン界隈では中央駅やマラゴン貨物操車場の入換に従事しており、取り立てて珍しい存在ではありません (個人的には、DD51を半分に切った罐を見てみたかったのですが……既に不調となっているためでしょうか、今回の訪問では全く見かけませんでした。車庫・工場の類は行かないもので……)。しかし、撮り鉄の神はしばしばとてつもない奇跡をもたらし給う……ということを、今回のヤンゴン初訪問における最後の最後に、まさにこのDD500が繰り広げる超珍景とともに深くかみしめるに至ったのでした。何と……ヤンゴン中央駅とパズンダウン駅の中間から分岐するナゾの貨物支線に、石油タキを従えたDD500が入線!!
この支線、Google Mapで鳥瞰してみますと、本線から分岐したのち市街地を横断しながら、最終的には港湾地域に至っていつの間にか消えていることが分かりますが、とにかく緑に包まれまくっているためか、あるいは既に運行本数が激減したレア線となって久しいためか、PC画面上でトレースするのは至難の業 (笑)。そして実際に訪ねてみますと、ほとんどバラストが土に埋もれてしまったかのようなヘロヘロ線路の急カーブが住宅街の中にあり、日常的には完全に子供の遊び場かオバチャンたちの井戸端会議会場のような雰囲気になっています。まぁそんな雰囲気こそ、レア過ぎる貨物線をめぐる奥義中の奥義のような楽しみでもありますし、東南アジアの鉄道風景としてこの上なく好ましいものでもありますが、如何せんここは最近まで鉄道撮影が原則厳禁だった国。具体的にどんな列車がどう運行されるのか、全く知り得るはずもありません。しかしとにかく……レールは少なくとも毎日こすられており、相模大塚の航空隊線や本牧の国際埠頭線のように死んでいる引き込み線と化しているというわけではないという……。となれば、かつて臨海鉄道系にハマりまくった者として (最近は行くヒマが……。先日の千鳥線訪問はマジで久しぶり)、何とか滞在中に激レアな入線シーンを激写したいものだという欲求も湧いて来ますが、上述の通りとにかく何時来るのか分からん……。そうこうしているうちに、滞在最終日の、そろそろ飛行機に乗るべく宿に荷物を取りに行かねばならない時刻が近づいて来ました。
まさにその時、平筑の単行がヤンゴン中央駅から姿を現し、さらにパズンダウン駅の方向からDD500の姿が! しかもその編成は、ヤンゴン中央駅南側の荷役線へと入る長編成の有蓋車ではなく、後ろにタキ1両……。ヤンゴン中央駅には機関区は無いため (マラゴン操車場に機関区が付設)、罐の油を運んでいるわけではなさそうです。そして、広大な線路空間の一番端にユルユルと悠長なスピードで進入し、激レア貨物線の入口に当たるポイント付近で一時停止……。そう、これこそ最後の最後に訪れた究極の奇跡だったのです!!
そこでまずは、レア線へと進入するシーンを激写したのち、すかさずタキの後方をダッシュ! 途中、何度も小踏切を通るたびに最徐行することから、脇の舗道に入ってダッシュで追い抜き (笑)、2枚目のような感じで緑濃き住宅街を走るシーンをゲット!! 大通りを行き交う車を停めさせて悠然と走り去って行く光景を眺めながら、嗚呼……ミャンマー国鉄最高!!と心の中で叫び、今春の訪問・怒濤の4泊5日 (活動時間は観光と撮りバスを含めて3.75日)を締めくくったのでした♪
その後まもなく、JRFの余剰タキ43000がミャンマーにまとめて輸出された旨、○ャグロトラン○の公式HPにて紹介されていますが、いずれ訪れるときにはこの激レア列車もタキ43000になっているのでしょうか? 他にも、いつもお世話になっております『西船junctionどっと混む』様でも紹介されている通り、札沼線のキハ40がヤンゴン地区で活躍を始めたり、さらにはキハ181が週末観光列車や環状線優等列車として走り始めるなど、いろいろと新事情も増えています。というわけで、先日も記しました通り、改めてミャンマー行きの航空券を「ポチッとな」してしまいましたし、今後も車両事情の変遷による楽しい悩みは続きそうです。というわけで、極めてダラダラとした連載をご笑覧頂きまして誠にありがとうございました m(_ _)m
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