地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

第四ヤンゴン熱鉄記 (21) 郵便混合2レ

2016-11-01 12:00:00 | ミャンマーの鉄道


 本日はミャンマーのアウンサンスーチー国家顧問訪日ということで、既にいろいろ積み上げられつつある日緬協力の方向性がさらにどうなるのかという点に関心が集まることでしょうが、一介の鉄ヲタとしましては、とりわけ鉄道インフラという面においてもミャンマーを舞台に日中両国が激しく角逐する中、新たにどのような支援メニューが発表されるのか、興味深く発表を待ちたいところではあります。まぁ基本的にはヤンゴン~マンダレー間及びヤンゴン環状線のレベルアップに関する追加事項なのでしょうが、他にも例えばネーピードーとピィ・バガンを結ぶRBE急行が満員寿司詰めとなっているのをネット上で目にするにつけ、ヤンゴンに限らず主要都市を早足で (?) 結ぶ列車の一刻も早い増発・増結も急務であるような気がします (そのための手っ取り早い方法として、インドネシア客車の大量輸入も決まったわけですが)。



 そんな趨勢の中、逆に何時まで残るか分からない時代がかった列車もあるわけで、その代表例と言えそうなのが、ミャンマーで「1・2列車」の栄光を保持し続けているヤンゴン~マンダレー間のメイル列車 (1Up・2Down) であろうかと思います。画像からもお分かりの通り、客車はせいぜい3~4両で、1950年代日本製やリベットゴツゴツ10700形を含めたボロ目な顔ぶれ、しかもそのうち1両は郵便合造車 (胴回りが赤)、さらに後ろには有蓋車やタンク車がゴロゴロと連結され、他の国であれば到底これが輝ける「1・2レ」を名乗るとは信じられないワケワカメなゴッタ煮編成でありますが……。しかもこの列車、鈍行ほどではないにせよ遅く、ヤンゴンとマンダレー又はネーピードーを結ぶ急行列車に呆気なく抜かれてしまいます。
 それでもこの列車が断固としてアッパークラスを連結し、かつ「1・2」にこだわり続けているのは、英領時代以来長らく政府の公文書を輸送する役目を担っているからに他ならないでしょう (有蓋車にも郵便物が積まれている可能性があり、2枚目の画像には車体長が短い茶色一色のReserved客車=公務用途客車?が連結されています)。ただ、そんな列車が敢えて鈍足に甘んじているのは、列車本数が少ない (経済低迷もあって限られてきた) 中、郵袋の積み卸しのついでに途中駅での貨車の切り貼りという役目まで任されてしまったためなのでしょう。
 しかし、今後マンダレー本線の高速化や、ヤンゴン中央駅改造による荷役スペースの撤退 (=貨客分離)、さらには郵便サービスの高速道路移転 (既に進んでいる?) が済めば、この列車の歴史的役割は終わることになり、「1・2」の称号は日本製電気式DC特急列車あたりに譲られることになるのかも知れません。それがまぁ自然な流れだとは思いますが、通勤列車が頻繁に行き交う朝のヤンゴン界隈にヌッと姿を現す2Downを毎年見慣れてきただけに、そう予想するにつけ些か寂しさを禁じ得ませんね……(まだ消えたわけではありませんので注意!)。

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