地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

ハノイ以北サウナ鉄 (12) 高層ビルとチェコ罐

2018-06-24 00:00:00 | ベトナムの鉄道


 先日開催された、落花生。様の一時ご帰国を歓迎するふたつの宴会において、東南アジア各国の鉄道事情を縦横無尽に語った中で、当面話題薄として確か全く注目されなかったのがベトナムです。現在進行形と思われるハロン (下龍) 線のメーターゲージ対応工事がいずれ終わり、あるいは標準軌客車を中国なり韓国なりから譲り受けることで、満鉄客車が消える!などということになれば話題沸騰にもなるでしょうが、ソウルメトロのバッタモノも復活したかと思えばあっという間に運休となって久しく (営業運転時の姿は、いつもお世話になっております『西船junctionどっと混む』様をご覧下さい)、一時当ブログで紹介してちょっとした人気を得たモスラ罐D8Eも少数・非力の哀しさで引退してしまったようですので、とにかく珍ネタには事欠いているのは否めないかも知れません。



 あとそういえば、行商客車や代用荷物車としてメーターゲージ線の列車に組み込まれることが多かったおフランス製 (?) の魚腹台枠ヴィンテージ客車も、既に全車離脱してしまい、一部は昆河線を遡上して中国に売却され、観光用車両として活用されるとか何とかという話をどこかでチラリと見たような……。
 もっとも、これらの事情を全て裏返してみますと、「東南アジアで面白そうだと思ったシーンは半年以内に撮っておけの法則」は、ベトナムでも有効であると言えそうです。
 そこで「そういえば」と思い出したのは……2012年3月に初めてベトナムを訪れた際、ハノイ以北の短距離〜中距離列車が様々な罐の展示会場状態で実に面白かったところ、一昨年の6月に貯まったマイレージの消費のため超トンボ帰りでハロン線を再訪し、そのついでにザーラム (嘉林) 界隈で撮影した際には、罐が基本的にチェコ製のD12Eオンリーとなっていたという驚愕の変化です。
 このこと自体につきましては、既にハロン線再訪レポート連載の際にお伝えした通りですが、改めてその理由を勘繰るに、種々雑多な機関車をザーラム機関区の旅客用として配置することによるカオスを解消し、効率の良い運用を目指したと考えられます。あるいは、より新しく高性能なドイモイ罐D19Eを、経済発展と路線改良によって輸送量がますます増えつつあるハノイ (河内)〜ホーチミン市 (城舗胡志明) に振り向け、その代わりに経年のチェコ罐をハノイ以北にかき集めたものと推測されます。
 というわけで、如何にもコメコン経済圏の名残のような入換機臭いチェコ罐が、高層ビル・マンションも建ち始めて急激に変わりゆくハノイの街の片隅で奮闘する姿に、奇妙で痛快な「何でもあり」感を抱いて激写しまくったものです。しかしその後、すっかりレタッチするのを放置してしまいました……。そこで、久しぶりにHDの中から画像を拾って悦に入るとともに、またいずれハノイを再訪したら、この光景すら激変しているのかも知れない……とぼんやり思っているところです。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿