今年もやって参りましたお盆休み連休。人によっては何と9連休とか……。私は山積した仕事を進めがてら、たまに日帰りで出かける程度ですので、余り関係ないのですが、とりあえず交通情報の類に耳を傾けて楽しみたいと思います。
とりわけ中央線と中央道は、帰省の流れと避暑レジャーの流れが完全に重なって大変なことになりがちで、小仏トンネルや談合坂、笹子トンネルの大渋滞は最早風物詩ですが、中央線特急の大混雑の如何も見逃せないところでしょう。JREが中央線特急のE353系化をきっかけとして全車指定席化に踏みきり、座席指定にあぶれた客にも座席未指定券を発売するようになったのは、既にハイシーズンに既成事実化していた指定席車両での立席乗車を制度化するものであると解釈しております。その代わり、登山帰りの松本や甲府で、下山時間を予め決めるべくもない中、臨機応変に始発の自由席にありつくという技を使えなくなったのは大変痛いことでありますが……(座りたければ普通列車ってか ^^;)。
いっぽう、全席指定席化されながらも、目の前に空席がある限り指定にあぶれた客の着席を認めるという、台湾では古くからお馴染みなシステムを導入したことに伴い、いろいろと摩擦が起きていると側聞します。だいたいこういう制度は、全ての客が高い民度を備え、指定を受けた客が来て声をかければ、指定がない客は異議なく直ちに立って移動するのは当然である、という発想が誰にでも受け容れられるところで初めて機能するものでしょう。しかし日本人は何だかんだで気弱で、本来自分が指定を受けた席に座っている先客に声を掛けるのは何ともモヤモヤしたものがありますし、総じて「何で自分の席に限って指定のないヤツが座っているのか。チッ」と、己のプチ不幸を呪うというおまけまで付いて来ます (苦笑)。それで先客が大人しく移動すれば一件落着ですが、「座席未指定」という文言を勝手に解釈して「指定されていないのでとりあえず何処でも座っておけば良い」と開き直る愚民客が「別にいいだろ、俺が先に来たんだから」と逆ギレしないとも限りません。こういう場合、最終的には車掌が来て退かせることになりますが、車掌とていちいちそういう作業をするのは面倒なはず。挙げ句の果てには、逆ギレが口論に転化してしまい、車内全体が気まずいムードになったりもします。
このような手合いを中国では「覇座」と呼び、なかば社会問題になっているわけですが、最終的には「お前の切符は《無座》だ!」と叱り飛ばせば良く、それでも抵抗する愚民の中の愚民は社会管理システムに登録され、金輪際列車の切符(実名制)を購入出来なくするということも出来ます(監視社会のあらわれとして評判が悪い中国の社会管理システムですが、こういうろくでもない話がいくらでもある社会では、ふだんルールに従っている多くの人々が、そんな制裁をシステム化することを待ち望んでしまいがちなのです)。
それに比べて、「座席未指定券」とは、何と分かりにくく、愚か者に言い訳の余地を与えてしまう表現であることでしょうか! 婉曲を好む日本の美風と言ってしまえばそれまでですが、それ以上に明確さが足りないことによる弊害が大きいように思います。ここらへんは、直截な表現でズバッと切り込む中国語に学んで、あずさ・かいじ・富士回遊の特急券にもはっきりと
無座と記すべきなのであります (台湾だって、指定にあぶれた自強・キョ光・復興号の切符には無座と明記されているのです)。予約で出遅れたお前には席がない。しかしお情けで立ちんぼで乗せてやっているのだ、ということを痛いほど感じさせるためにも (笑)。
というわけで、先日裏高尾をハイキングしたついでに撮影したE353系の画像を貼っておきます。E351系に比べれば明らかに揺れなくなったことは評価しますが、椅子が薄く、クーラーの効きも悪いように思うんですよね……。正面の「E353」デザイン文字も、何となく中二病っぽいですし。ゆえに、E353系の模型は購入しておりません (^^;)。