地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

岩手乗物縦断 (5) 盛岡色701系@陸中折居

2019-12-23 13:04:00 | JR発足後の車両


 東北本線は奥州街道に沿っているにもかかわらず、江戸時代までの「軍事上の理由から、道はキツ過ぎない程度になるべく高いところを通るのが良し」という発想と、明治以降の「力学的な効率を重んじて鉄道も道路も通すため、なるべく平坦な場所を選びたい」という発想が乖離しているため、両者がピタリと並行する場所は意外と多くありません。とゆーか凄く少ない……。
 そこで事前に、地図上に徒歩での通過予定時刻を書き込んで行く中で (時速4kmで計算)、線路沿い、とりわけ撮影向きな感じがする踏切を通過する際には (しかも今や有り難いことに、Googleのストリートビューで踏切の雰囲気が事前に分かってしまいます)、最寄り駅の時刻表も書き込んでおきます。ちょうど自分の通過と列車の通過がうまく重なりそうなところで、ポカリスエットを飲んで休憩がてら、撮影大会開催です (笑)。



 というわけで、一ノ関から盛岡まで歩いて北上する中で、うまく撮影出来そうな場所は平泉市街、陸中折居の南、水沢の南、六原駅の南と北、北上駅北の陸橋……(あとは駅撮り) と本当に限られる中、まずは平泉市街のカーブの踏切にて、アウトカーブから激写を狙ってみました (駅から遠くないので観光ついででも利用価値あり)。しかしやって来たのは、地元テレビ局のド派手なピンクラッピングを施した編成で玉砕……(号泣)。
 翌朝気を取り直して、陸中折居の南2kmほどの場所にある踏切(国道4号線の歩道橋があります)の脇を通過したところ、ほほう、電柱が車体にかかってしまうものの、サイドを多めにしながら4連をうまく決められそうです。また、南下する列車であれば、2〜4連なら電柱をひっかけずに撮影出来ます。朝のうちは曇天であったのも天の助け! そこで一発目……盛岡行きは朝ラッシュ対応の4連で、良い感じに決まりました☆ 二発目の一ノ関行きは、盛岡界隈のラッシュにはからまないため2連での登場でしたが、天下の大幹線の雰囲気がしっかり残る中を僅か2連が猛烈にブッ飛ばして来る光景は、「2連といえば基本的に単線のローカル線や地方中核都市の複線民鉄のもので、のんびり走るのが関の山だろ」という固定観念にとらわれている私には、なかなかショッキングなものがありました。しな鉄だってそうだろ……という声が聞こえてきそうですが、しな鉄は駅撮りしかしたことがないもので、悪しからず (笑)。

相鉄JR直通開始の朝 (4) YNB

2019-12-21 00:00:00 | 大手民鉄 (相鉄)


 相鉄JR直通線の開通から早いもので3週間。優等列車の間隔が一定せず、しかもラッシュ時に事実上の減便となった横浜駅利用者からは、今までの相鉄ではダイヤ乱れ時を除けばほぼあり得なかった凄まじい混雑への怨嗟の声が上がっているようです。一方、JR直通列車は総じて快適ですね〜♡ 午前9時台に海老名を発車する特急と各停を、それぞれ大和から西大井まで利用してみましたが (仕事の都合で通勤ルートが変わるので定期券を持たない生活をしている怪斜員でございます)、特急の場合、大和から二俣川までちょうど満席、二俣川と西谷で若干客が入れ替わりつつ減り、西谷〜武蔵小杉間では7人がけの椅子に5〜6人、武蔵小杉で降りる客もいるので武蔵小杉から乗った客が歓喜の表情を浮かべる、といった感じです。各停の場合は各駅にて、直通線を狙って乗って来る客が確実にいるという感じで、二俣川で横浜方面に向かう客が若干下車するほかは、西谷での乗り換えもほとんどないまま、椅子がほぼ埋まった状態でJRに入って行くという感じでしょうか。



 相鉄としては、所要時間面でセンセーショナルな意味を持たせるためにも、JR直通列車として特急を多数設定したのかも知れませんが、海老名と大和の乗降客が相鉄JR直通線を使って新宿や渋谷に行くインセンティブはかなり低いようにも思われます。朝のロマンスカーが熾烈な争奪戦となっている中、海老名(そして早朝の大和)から乗っても確実に座って行けるのであれば、全然運賃が高くなってもロマンスカーよりは安いので利用したい、という向きが今後増える可能性もありますが、大和を利用する小田急江ノ島賎民はそこまで思い切ったことを考えますかどうか。
 したがって、相鉄と海老名タワマン不動産業者の見栄のために若干特急を残しつつも、基本的にJR直通列車は相鉄線内各停として運転するのが最も合理的であるような気がしております。何と言っても、相鉄沿線民(とくに本線民)は長年来、目の前に停まった列車に乗ればそのまま横浜にラクに行け、帰りも横浜から急行や特急に乗ればそのまま自宅の最寄り駅へ行けるというノリに余りにもどっぷり浸りすぎており、そういうことも含めて長年来形成された沿線文化を一朝一夕にして変えることは難しいように思われます。一番良いのは、JR直通列車はほとんど大和始発の各停として運行することでしょうか (大和利用者大勝利。笑)。次の大きな改正は2年後の東急直通ですが、そのときにはJR直通の需要が下がることも予想されますので、なおのこと、瀬谷以東の各駅利用者に配慮したJR直通となることが必要ではないかと愚考します。
 というわけで、11月30日に撮影したYNB二題、今をときめく12000系と、最豪華車9000系です。TOMIXの12000系製品化予告、当然のように来ましたが、基本は4両ではなく6両であって欲しい (←家が狭い貧乏人)。しかし、マイクロのYNB9000系 (基本6両のみ) と並べるのが楽しみでもあり、基本・付属両方予約しました (6両短縮化編成とモヤサンド6連を並べて遊ぶことにします ^^;)。

岩手乗物縦断 (4) 中尊寺前の虹

2019-12-18 09:06:00 | 濃いぃ路線バス&車両


 主要路線の車両は二段窓キュービックが未だに主力の感がある岩手県交通・一関地区ですが、もちろん他の車種も走っています。ご多分に漏れず、エルガやエルガミオが増殖を始めているのは否めないところですが、一方では単発で (?) 移籍して来たと思われる車種が神出鬼没でやって来ることもあり、なかなか濃厚な世界であると思います。
 というわけで、奥州街道をトボトボ歩いて、全800km超の中でも最大の見どころと言っても良い平泉界隈の名所旧跡をめぐり、最後に中尊寺金色堂を見物して再び門前に戻ってくると、前沢イオンモール行きの日野レインボー来たぁぁっ!



 一関地区の二段窓キュービックは、最早近い将来の廃車が前提で、彩度の低い旧塗装に加えて錆が浮きまくる満身創痍の姿ですが、このレインボーはやはり二段窓であるというのに、彩度の高い新塗装もピカピカで、何やら中尊寺の宝物と比べても宝物としての輝きがビンビンに感じられます (笑)。後日ググってみたところ、みちのくに流れて来る前は、千葉県内で活躍しいていたとか。ちょうど信号待ちモードでしたので、とにかく速攻でシャッタースピードと絞りをいじり (常にマニュアルで撮ってます)、動き出したところで怒濤のズーミング連写! 充実した平泉観光の最後の最後に、なかなか濃いぃ撮りバスを楽しんだ充実感とともに、間もなく「衣川の合戦」で知られる一帯を歩き、高台にある今宵の宿で岩手の名産に舌鼓を打ちつつビールを傾けたのでした。
 このあと、前沢・水沢・北上・花巻でももちろん岩手県交通のバスを見かけていますが、ちょうど良い場所とタイミングを得られなかったため、撮りバスは盛岡近郊に着くまで省略です (^^;

相鉄JR直通開始の朝 (3) 10000系

2019-12-14 10:58:00 | 大手民鉄 (相鉄)


 相鉄とJRの直通開始から早いもので2週間となりましたが、新線には定期券の切り替え都合で直ちに客がつくわけではないためでしょうか、それとも相鉄沿線民のお出かけ需要は元々圧倒的に横浜駅経由であるためでしょうか、様々な要因が複合することによって、直通列車はそれほど混んでいない印象です。朝から午前中の新宿方面行き、そして夕方から夜間の海老名行きでは、概ね椅子が埋まって若干の立ち客がいる、という程度でしょうか。京急・東海道・横須賀・湘南新宿・東横・田都・小田急の混み具合を思えば、まぁ夢みたいな話ですし、まったりした雰囲気の車内のまま、鶴見と武蔵小杉の間をダラダラ流す列車に揺られてみれば、何気に行き先不明のミステリー列車に乗っているかのような気もします (笑)。



 一方、直通開始にあたって相鉄の列車の本数や乗務員の数が大きく増えたわけでもないことから、横浜〜西谷間の列車は事実上の減便となっており、かといって客が急に直通線に流れて減ったわけでもないため、狭い横浜駅はいっそう凄まじい人人人で溢れかえる事態となっており、以前はラッシュピークの一部の急行で見られたのみの激しい混雑が、下手をすると快速や各停にも波及しているのだとか。また、これまで長年にわたり、相鉄沿線民が横浜に向かう場合には、二俣川以遠の各停利用者が二俣川で優等列車に乗り換える他は、総じて「乗った駅からそのままダイレクトで横浜へ」という乗り方に慣れきっているため、二俣川のみならず西谷でも乗り換える可能性というものを全く脳内に想定しておらず、したがって折角相鉄のスジ描き屋氏が苦労して緩急接続に手を尽くしても、西谷で乗り換える客は余りいないという雰囲気です。
 ともあれ、今回のダイヤ改正は余りにも相鉄にとって巨大な変化であり、さらに2年後には東急との直通も始まって激震が続くことになりますが、当初は誰も乗っていなかった大江戸線やTXもいつの間にか混み混み路線に変貌し、それとともに客も新たな路線網の現実に適応して行くことになる、というパターンがここでも繰り返されることになるのでしょう。
 というわけで、相鉄新時代の夜明けの中に佇むマンケーの画像をアップしておきます。長野送りとなって機器更新中の編成もそのうち戻り、YNB化されるわけですが、同じような改造がマンケー全編成に及ぶとされていますので、今までは個人的に割とどうでも良かった現行色のマンケーもこんな感じで撮影出来て良かったかな?と思っております。出来れば新7000系の方が良いですが……。

岩手乗物縦断 (3) 一関キュービック晴天

2019-12-09 20:40:00 | 濃いぃ路線バス&車両


 淡い芽吹きに包まれた岩手県交通一関営業所にて、ゴロゴロ居並ぶ二段窓キュービックに感激してから約1ヶ月半後の初夏、再び新幹線で一ノ関駅に降り立ちまして、平泉・水沢・北上・花巻を経て紫波中央まで100km超を歩いたのですが、その初日は良い天気に恵まれたことから、ほど良い順光でキュービックを激写することが出来ました♪ 満身創痍なのがモロ分かりで、先は長くなさそうですが……それだけに良いタイミングで撮影出来て本当に良かったです☆



 一関から平泉までの区間は、松尾芭蕉『奥の細道』の最北端区間ですが、その足跡をたどってちょうど平泉町に突入する際にもキュービック様がやって来て気分は最高! このあと、平泉の町の中では、駅を振り出しに主な観光スポットを巡回するバス「るんるん」が運行されていますが (一日乗車券を買うとかなりお得)、さすがに東北きっての大観光地だけにオンボロ・キュービックは運行されておらず、年式の新しい中古車が運行されていますが、そのうちの一台は神奈中エアロスターで感激しました♪ このあと盛岡市内でも神奈中エアロスターを見かけましたので、今後岩手県交通において元神奈中は重要な戦力となって行くのかも知れません。


柳之御所跡(奥州藤原氏政庁)の脇にて。
ドアがある左サイドを撮りたかったですけど、またいずれ。
(今後増えそうですし)