そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

北朝鮮を経済制裁しても何の意味もない

2011-10-18 | ロシア

日本と北朝鮮との最大の懸案事項は、いわずとも拉致問題であることに変わりはない。北朝鮮が、日本を抱き込めばアメリカとの対話の窓口になるかと、小泉に色気を見せた。

北朝鮮政府自体が、拉致問題の全容を把握していない。重要問題と捉えていなかった。数人返すと、日本は溜飲を下げると思ったに違いない。ところが、拉致被害者家族は、拉致事実の解明と全員の救出を求めた。当然のことである。

膠着した日朝関係に、拉致被害者家族は、北朝鮮への経済制裁を求めた。自民党政府は次第にそのボルテージを上げ、最高レベルの現在に至っている。

本ブログで何度も述べているように、最大の北朝鮮問題は北の人たちの食糧問題、人道問題である。食糧援助しても、支配層が潤うばかりである。制裁をしても、一般国民が飢餓に陥るだけである。支配層にとって 何の効果もない。

北朝鮮自身が修復能力を喪失している。独裁政権、権力の世襲と弾圧と貧困。どれをとっても、非人道的体制である。太陽と風ではないが、経済制裁だけでは、国家間の不信がつのるばかりで、話し合いの糸口も見えてこない。唯一の糸口である6者協議から日本を外すことすら、北朝鮮は提案している。

そうした中、ロシアがわずかに接する国境を抜けて、露朝鉄道を開通させた。建設費用の250億円は、全額ロシアが負担した。ロシアの望み111014は、天然ガスの供給である。露朝鉄道は、韓国まで延ばし、釜山(プサン)港まで行く計画である。鉄道に沿って、天然ガスを送る算段である。

ロシアは、成長の止まったヨーロッパより、経済成長著しい東南アジアや日本に天然ガスを売りつけたいのである。

南北朝鮮は、パイプラインの使用料として、毎年1億ドル金が落ちる。もちろん鉄道の経済的効果も、相当高いもの望める。

ロシアは、北朝鮮カードを独り占めする中国に対しても、敵対するアメリカに対しても、北朝鮮の抱きこみは政治的効果が高いと読んだのである。

北朝鮮を経済制裁し続けると、日本が孤立するだけである。硬直化した日本の外交は、そこまで読みとることすらできない。

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独裁者が好きなロシア人

2011-10-03 | ロシア

プーチンが復活する。一期4年で2期以上は続けられなかったロシア110924 大統領を、3期目が出来なかったので降りた。傀儡メドベージェフにやらせた後、プーチンが復活する。今度は一期6年に憲法を変えての、ご登場になる。

現在のロシアでは、経済を立て直したプーチンの人気は下がることがない。多分来年から2期、12年することになるだろう。

秘密警察出身のプーチンの手腕は、暴力的な圧政である。チェチェン共和国は、彼によってほぼ壊滅、民族浄化の典型的な結果になっている。

Anna_politkovskaya_assassinata_la_v多くの政敵や企業を抹殺し、今や彼に盾つく者はいなくなってしまった。

折しも、7日はアンナ・ポリトフスカヤ女史が、プーチンの誕生日に暗殺されて5年になる。アンナは、チェチェンでの事実を世界の発信し、プー チンにとって目障りだった。この他数人 のジャーナAnna_politkovskaya_was_found_dead_oリストが、闇に葬られている。

その後、ロシアは高騰した石油と豊富な天然ガスで外貨をたっぷり溜め込んだ。なんとその金額は、1313億ドルといわれている。

しかし世界的な経済不況の中にあって、ロシアも例外でなくなってきた。世界銀行は、09年の成長を6.5%から3.0%に下方修正した。

中国は共産党による独裁国家である。経済対策を打ち易い。とりわけ内需拡大は、膨大な人口と経済格差を背景に、いつでも取り組むことが出来る。

ロシアが最も恐れているのが、ルーブルの暴落である。動乱の中に生まれたアル中のエリチンの跡を継いで、強権的手腕で支持を得たプーチンである。ロシア人がプーチンの再登場に期待を持つ意味がここにある。

ロシア人は、スターリンを在任中は批判できなかった。プーチンも殆ど同じ道を歩んでいるように見える。

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日清・日露戦争の共通の犠牲者か

2010-10-02 | ロシア

尖閣列島の漁船拿捕事件は、最悪のタイミングで起きた。一つは民主党党首選挙の真っ最中であったこと。そのため、親米右翼で嫌中派の前原国交大臣が、状況判断もなく混乱の中、ナショナリズムを掲げほぼ単独で突っ走ってしまったことである。もう一つは、中露が、接010928近の真っ最中であったことである。中国がパイプラインを引き、ロシアの石油を買い付ける話の直前、メドベージェフの訪中寸前であったことである。

ロシアは、第二次世界大戦の65周年記念行事を行っているが、それに中国をまんまと抱き込んだ。65年も中途半端であるし、終戦記念日もいい加減であるが、中露は日本を悪者にすることで団結できたのである。メドベージェフは、旅順に行って日露Photo戦争の、ロシア人の犠牲者に花束を捧げた。日清、日露戦争の犠牲者同士が、大陸への侵略国日本の悪事を演出して見せたのである。

数年前までは、ロシアに経済的援助をちらつかせるだけで、北方領土問題を自分たちも考えているかのような姿勢を日本に見せていた。ところが経済的に立ち直ると様相は一変した。日本から技術的にも資本的にも、援助や協力が必要なくなってきたのである。ロシアから見ると、日本は覇権国アメリカに依存する国家として成長してきたが、今や相対的にアメリカの存在が小さくなり、日本は衰退国家として映っている。協力関係を結ぶ相手としては不足なのである。

本気かどうか解らないが、メドベージェフは中国の帰りにサハリンによった。その足で北方領土を訪れると表明して、天候の関係で中止した。日本の反応を見るだけで本気かどうか疑ったが、どうやら本気のようである。ロシアは北方問題(領土問題)で、すっかり強気になった。ここには領土問題があると、日本が明言したからメドベージェフはそれを否定するつもりなのだろう。

自民短期右翼政権が続く中で、日露関係が一向に進展することなく、ロシアは離反していったのである。その一方で済成長を続ける中国の台頭こそ、国境を接するロシアにとって手を結ぶべき相手となってきた。エネルギーを国家統制としたロシアは、中国にとっても格好のパートナーとなったのである。

中露両国は、深刻な少数民族問題を抱える国家でもある。国家として少数民族への対応も、武力的であり共通のテロ問題を抱える。同時に国境問題も両国の抱える問題である。言論弾圧も共通する。ロシアでは反政府ジャーナリストはことごとく暗殺された。中国はインターネットをはじめとする言論弾圧が絶え間ないく、民主化封じ込めも徹底している。共通する問題が多く、上海機構ののメンバーでもあり、対米への強い反感意識もある。

日本の世論は総じて、中国ケシカランと反中国的である。かといって、中国製品不買運動すらできない現状にある。100円ショップ不買運動、加工食品不購入運動と同義語になり、社会的弱者たちをまきこむことになり運動なるわけがない。中国に対して何も出来ないのである。

尖閣列島の問題は、いずれ起きたであろう問題で、水面下で進行していたことがこの機会に露呈しただけである。外交下手の日本政府であるが、民主党政権になって一層深刻になった感がある。

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ロシアが終戦記念日を設定

2010-09-05 | ロシア

ロシアがわざわざ今年になって、9月2日を日本に勝利した「対日終戦記念日」に設定した。9月2日は1945年に日本がミズリー号で降伏文書に調印した日である。ソビエトは日本と、日ソ中立条約を結んでいた。スターリンが、ドイツとの戦いに重点を置くために日本と結んだ条約である。ソビエトはこれを一方的に破棄し、日本に宣戦布告したのは8月9日である。広島に原爆が落とされ、長崎にも落とされたその日である。その僅かひと月足らずの後に、日本に勝利したとする記念日を設けた。

サハリンでは、千島列島最北端の占守島に残っていた日本の戦車にロシア風の迷彩色をほどこし、戦勝記念祝賀のお祝いの席を賑わせている。ソ連は第2次世界大戦勝利の日として、5月9日にナチの降伏した日を設定している。今回の新たな戦勝記念日が、全国的なものではなく極東に限定されているところを見ると、北方領土の正当性を国民に示すものであると言える。又今年7月に択捉島で、大々的な軍事演習を行っている。プーチンが経済を立て直して以降、北方領土を大きく意識した行為が続いている。

その占守島の戦いであるが、日本がポツダム宣言を受け入れ(8月14日)、玉音放送で国200pxpotsdam_big_three民に知らせた日(8月15日)から3日過ぎた、18日になって突如ソビエト軍が攻め入ってきた。当初アメリカ軍が来ると思っていた日本は面食らったが、囚人主体のソビエト軍は惨敗した。日本の停戦条件を受け入れて戦いは終わった。日本は太平洋戦争で2度しか勝利し戦いはないと言われている。一つは真珠湾攻撃であり、もう一つはポツダム宣言受け入れて後の、占守島の戦いである。日本軍死者600に対しソビエトは3000名以上の死者を出している。

そもそも、条約破棄もそうであるが、降伏したが調印する前であると日本に攻め入ること自体が、国際法上不当性がある。その後の千島列島占拠も、不当である。日本兵のシベリヤ抑留も不当であるし、終戦後樺太からの引き上げ戦を3隻を、留萌沖で潜水艦が攻撃撃沈させ、5000名を超える、民間人の死者を出したことも不当である。

ソビエトはポツダム宣言に調印はしていないが、場所を提供し会議を指揮したのはスターリンである。カイロ会談とポツダムの会談双方に出席していた唯一の人物は、スターリンである。スターリンは終戦後の日本との関係を、着々と勧めていた。お人好しの日本は、日ソ中立条約をスターリンが守ると信じていた。満洲から南方へ軍を大きく移動させたりもした。

おりしもこの夏、浅田次郎が、占守島の戦いを主題にした小説「終わらざる夏」を発表した。戦争は事実を伝えるべきであり、歴史の歪曲、不当行為の正当化は許されるべきではない。

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歴史への不認識である

2009-02-19 | ロシア

許してください。もう二度とあんな低レベルの、麻生太郎のことは書くまいと思ったのですが、この男の歴史不認識が容認できませんでした。

北方領土を「独創的で型にはまらないアプローチ」で解決する、と公言した。この文言がロシアの言い分をそのまま受け入れたものである。北方領土を、なにかの行き違いでロシアのものとなっているよな表現である。

日本は北方領土は、日本の領土であるとするのが政府の基本方針である。それには、終戦時のどさくさに、ソビエトは国際信義に背く行為を行って占有した事実の基ずいた結論である。

アホー首相はこの国家の原理原則を捨ててしまった。ちょっとでもいいから返してもらえるような話になればいいと思っているようである。国家の基本方針を転換したのである。あるいは、歴史的な事実関係を知らなったので、口にしたのであろう。

根室に時折、近代史の研究者が来る。彼らのどの論文を読んでみても、日本が全面降伏した後のソビエト占拠に、論理的、法的な根拠があるとは思えない。交渉の経過過程で、2島になったり面積半分なら解らなくもない。独創的アプローチは、日本の基本姿勢を否定することを意味する。

樺太(サハリン)の北緯50度以南は、1905年のポーツマス条約で日本の領土となったとこ1952ろである。日本がここを放棄したのは、1946年に占領軍によって行政権の停止が通告されたことによる、いわば行政処置である。その後の領有権の確定根拠となる、1952年のサン フランシスコ講和条約には、ソビエトは参加していない。こうしたことを根拠に、ここには日本の行政の長は土を踏むことをためらってきた経緯がある。

今回のロシア政府による日本の首相を招き入れには、こうした意見に対して最後の楔をさすことをも意味しているのである。

サハリン2は。多少の曲折があったものの、日本の技術と資金で開発されたプロジェクトである。液化ガスを恒常的に日本に供給することの確約の方が、余程重要なことである。ロシアに対する姿勢がおボッチャマ的で、長期的視点が欠けている。もっと胸を張って堂々とするべきでなかったか。

それにアホー首相は、プーチン大統領が5月に来ると得意気に発表していた。大統領はメドベージェフでプーチンは首相である。アホか!

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こりゃ早とちりかも

2006-10-29 | ロシア

Anna_politkovskaya_assassinata_la_voce_c 9月29日の本ブログで、三井物産、三菱商事などが出資するロシア・サハリン州の石油・天然ガス開発プロジェクト「サハリン2」の工事が、環境保護のためにサハリン2が停止されることを、前向きに評価した。どうやら、それは私の思い過ごし、ロシアの過剰評価になってしまった感を拭いきれない。

最近になって、ラブロフ外相がどうやらサハリン2は自国の力でもできるなどと発言し始めた。ロシアは海外資本の排除と、資源ナショナリズムを強く打ち出してきている。このところの、経済成長を背景に天然資源の国家管理を行おうとしている。Anna_politkovskaya_assassinata_la_voce_c_1

外国資本の呼び込みを行ってきたこれまでと、大きく方針転換している。

このところのロシアの強権政治は目に余るものがある。ノルド、オストの大量殺戮、オセアチアのベスレンでの小学校での強行突入、オレンジ革命の妨害、そしてアンナ・ポリトフスカヤの暗殺とほとんど恐怖政治に近い状況にある。

Anna_politkovskaya_assassinata_la_voce_c_2 とりわけ、9、11以降はアメリカの対テロ政策を当然のように支持した。国内のチェチェンなどの独立派を抑えるためには、テロは最高の抑圧方法である。反政府勢力を「テロ」とするだけで、論議の必要もなければ正当な評価の必要もないからである。

そのロシアは、現在中国とはかつてないほどの蜜月状態にある。サハリン2の一方的な中止は、環境保護をお題目にした、ロシアの資源ナショナリズムの台頭なのである。

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羅臼港

春誓い羅臼港