昭和の歴史家といえる保阪正康さんは、当時の関係者のインタビューを重ねてこられた方です。今日の北海道新聞”各自核論”の寄せられた現政権に対する文章である。石破茂は過去の鼎談した時の誠実さをから石破茂を評価している。
石破茂はなんと巡り合わせの悪い人物かということである。今回の選挙の大敗の原因となる、裏金問題、安直なポピュリズム、統一教会問題などは政治観資質を劣化させたが、これは「安倍、岸田」体制が起こした問題である。菅は単なる繋ぎでほぼ何もしていない。
石破茂は、安倍晋三の国葬で国賊と呼んだり、憲法を変えずに集団的自衛権行使容認を強く反対していたが、この男を総務大臣に充てたことからでも、石破が安倍、岸田に反旗をおこしたことが良く分かる。
石破は選挙前の発言をいくつも撤回している。多くは安倍、岸田の尻拭いをやっている、巡り合わせの悪い政治家と保阪さんは指摘する。
大正期の首相原敬が、首相就任前後に山縣有朋や大熊重信など有力政治家に意見を聞いている。記者ともよく話し合い、平民宰相と呼ばれた。これを見倣えと、保阪さんは指摘する。首相就任4週間で総選挙は党内に心を許す紋がいなかったとも指摘する。
保阪さんは、石破茂を評価したうえでの指摘である。然しそれは一つには自民党の本質でもある。不祥事が起きると、比較的評判の良い、不祥事から遠い人物を首相に担ぎ上げ乗り切ってきたことは、数知れなく繰り返された自民党のテクニックである。その上、石破は極端な国防主義者である。日本の右傾化が一層進む危険性すらある。