このブログの4月17日に、国民投票法案について、問題点を抽出してみたが、どうも多くの方々は誤解されているようである。
国民投票は選挙ではない。今回の法案の根底には、公職選挙法を踏襲していることが数多くある。個人を選出する一般選挙と、法律の可否を問うこととは全く異なることであることを、頭に置くべきである。
その典型が、過半数の認定を有効投票総数を基準としていることである。憲法96条に明記されている「過半数」を、一般選挙を見る色目で判断すると、有効投票総数に見えるのを、利用されただけである。憲法で国民の過半数とされている以上、有権者の過半数である。
もう一つ大きいのが、運動の方法である。投票の14日前からは公的な政党しか発言できないと規制されている。(第105、106条)多分提案される憲法改正案は、国民の権利などに関わることになると思われる。特定の政党や立候補者の利害関係や、個人情報が問われるようなものはない。
ところが、事前運動に対して「組織的多人数買収および利害誘導罪」(第109条)が適用される場合があるとされるが、利害関係の発生そのものの発生が生じない。個人を選出する選挙とは大きく異なるからである。
大体から、事前運動という言葉がおかしい。権利など恒常的に発生するであろう、法案の内容に関して、事前も事後も設けられるものではない。従って、法案の内容になるであろうことの論議は、制限なく行なわれなければならない。
無効訴訟が東京高裁に限定されることも、一般の選挙の視線で捉えられたものである。全国民が投票することを考えると、地方軽視もいいところである。
もう一度、この法案のことを考えて欲しい。