世界的な食料価格高騰を受けて、ローマで国連の食糧農業機構(FAO)「食糧サミット」が開催された。このサミットは150カ国も参加する。
今年の洞爺湖サミットの議長さんだから、日本の福田総理が演説をした。日本は緊急援助とし て、30万トンのお米を放出するというのである。先日このブログで書いたとおり、売れもしないのに約束で仕方なく輸入した米の放出である。
そもそも、日本はこんなところに出かけて、食料のことを言える資格がるのだろうか? 食糧(おコメ)を作らなければ、金を出すなどという前代未聞の政策を延々とやっている国である。世界にこんな国がかつてあっただろうか?
町村官房長官が、ついつい見直してもいいような発言をした。農政の経過を知らない軽々な発言であるが、感覚としては全くその通りである。
しかも、日本は実質世界最大の食糧輸入国である。経済大国日本が、高い円に支えられて世界から買いあさった結果、穀物価格に端を発した食料問題である。日本をはじめとする先進国には、責任の一端などでなく、相当の部分があるはずである。
それを何を今更、高騰した穀物について語る資格があるというのだろうか。日本で、食料のことを真剣に話す資格があるのは、減反政策に苦しみながらも、ひたすら主食の米を作り続けた農民にしかない。
潘基文国連事務総長は「一部食糧生産国が、食料の輸出規制を行っていることがさらに、価格を押し上げる」と冒頭演説した。自国民のために、輸出制限するのは当然の行為である。食糧とはそうした意味をもつものである。
ベトナムやアルゼンチンなどの弱者を非難するのではなく、穀物を投機の対象にしているゴロツキどもや、日本のように家畜に食わせるために大量に輸入している経済大国を非難するべきである。
輸入制限を行っている国は、国民の生命を守るための行為である。食料を金儲けのために転がしたり、家畜に強制的に与え畜産物に変えるような時代ではない。ましてや、食べ物を車に食わせるような時代ではない。