今のところ、遺伝子組換え種子で生産した農産物を、科学的にいくら分析して異常は確認されていない。種子にも異常は確認されていない。
マウスを遺伝子組み換え大豆と、従来の大豆だけで飼うと、どうしても長生きしないとか、繁殖能力が劣るとか、不特定の不健全さが認められている程度である。
一部の科学者は、ラウンドアップは使用者に遺伝的異常を引き起こすとか、大豆に発がん性がるとかの報告はあるものの、それほど多くはないのが実情である。
環境ホルモンのように、その当時の科学力では判定できなかったことも、時間を経ることで異常であったことを知ったり、科学的技術の発達が問題点を明らかにしてきたことを経験している。
今まで述べてきたように、モンサントは自社にかかわる不利なことが起きると、情報を隠すか改ざんすることで何度も乗り切ってきた経緯がある。こんな会社が、まともなものを作るわけがない。
植物が、特定の虫や薬剤に耐性して平然と身をつけるのは、体験的に見ても異常なことである。
インドではBT綿(虫にも薬剤にも耐性)が大々的に導入され、毎年毎年高価な種子を買わされ る農民が、在来種を作付しようとしても交配が起きて作れなくなっている。メキシコでも在来のトウモロコシが、GM品種に淘汰されるばかりか、トルヒーヤの味が違たり、かなり深刻な問題が生じている。こうした問題は、世界中で間断なく生じている。
食糧危機を乗り切るためには、遺伝子組換え作物に頼るしかないとする意見が、アメリカでは一般的になりつつある。世界的には、遺伝子組換え作物の需要は増えつつある。
遺伝子組換え作物の、科学的な判断は後世に譲ることんるが、飢餓の問題を収量に求めるのは、問題の本質をついていない。いくら収量を上げても、地球的規模で起きる問題を長期的に乗り切ることはできない。
農作物は、土地を収奪しない持続可能な作り方で収穫されなければ、問題を解決することはできない。また、現在でも農産物の収量は、十分あるのである。問題は、均等に配分されていないことなのである。
食料の問題は、環境問題でもあり、平和の問題でもあるのだ。モンサントが、そんなことまで担えるわけがない。