そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

バイオ燃料は人と競合すべきでない

2008-06-05 | 農業と食

食糧サミットが終わった。FAOによる緊急会議であったにも拘らず、150以上の国が集まった。世界は、真剣に食糧のことを考えている。

食料を真剣に考えている国家は、おおむね後進国である。実質世界最大の、食糧輸入国の日本のように、他国に食料を依存している国ではない。後進国は、人口の増加と穀物の世界的な高騰を、直撃されているからである。

その食糧サミットで、バイオ燃料に対する明確な態度を表示できなかった。超大国アメリカが、異論を唱えている以上、食料を燃料にすることへの警告は示すことができなかったのである。

古い中国の言い伝えである。ある国民のことを考えない為政者が、民が飢えていても一向に気001 にしせず、かわいがっている馬にせっせと穀物とを与えていた。この為政者の馬鹿な行為は「」とい文字に残されている。

今、先進国の家畜たちは高生産を強要され、大量の穀物を与えられて、肥満と闘っている。日本は、おおむね2000万トンの穀物を家畜のために輸入している。非関税である。

先進国の家畜たちが、大量の穀物を消費することが、穀物の世界価格を高位安定させるだけでなく、モラルとしても問われる時代が近い。

カロリーを落とし大きなロスが生じてでも、穀物は家畜を通すことで畜産物を生産している。ところが、これをバイオ燃料に変えて間接的にでも、車に食べさせるのはそれ以下の行為である。

バイオ燃料が、環境にやさしいからとする、一面性から語られるべきではない。家畜には、人が食べることができないものや、残さを与えて畜産物に変換させるべきである。同様にバイオ燃料も、不要になった木材や芦などから生産されるべきで、人と競合はさせるべきではない。

人よりも家畜や車に優先的に、食料を供給することがモラルとして問われなければならない。

世界の食糧危機に日本が最も貢献できることは、食料自給率を上げることである。食糧依存率を下げることが核心である。日本は目になってしまうのは、時間の問題である。

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