新疆ウイグル自治区第2の都市、喀什(カシュガル)でテロ事件があった。訓練中だったかの警備兵の列に、トラックで突っ込み16人(?)を殺した。カシュガルには行ったことはないが、トルファンなどは訪れたことがある。
中国領内のシルクロードと呼ばれる地域は「西域」と呼ばれているが、カシュガルはその中でも最も西に位置する。カイバル峠を越えると、西南にパキスタン、西にキルギスタン、北西にカザフスタンと直接接している。もちろん、漢族よりもうんと民族的には近い関係にある国々である。
新 疆ウイグル自治区の都市に中心には漢族が大きく居座っている。漢族が政治と経済を牛耳っている。彼らからおこぼれをいただくために、ウイグルなどのトルコ系民族(8族ほどいる)は取り込まれようとしている。旧ソビエトでも同じであった。
ロシア人も漢族も、文化的にも民族的にも異なる地域を取り込むために行うのが、民族の同化である。言葉を奪い、文化を否定し、歴史教育をすり替え、大量の人間を送り経済力で抑え込むのである。
さらに西の、イスラム圏の民族と異なりウイグルの人たちは温厚である。彼らが独立運動を暴力的に行うのは、余程のことがあってのことであろう。
旧ソビエト時代には、フルフチョフがこの地域を「東トルクメン共和国」と数年間、独立国家と認めていた経緯もある。
世界中に少数民族が、自治を求めている。中国国内でもチベットの反乱が耳新しい。ロシアも、チェチェン問題を抱え、独立運動を「テロ」と断じて暴力的に抑え込んでいる。今回の報道も、中国側の発表しかなく、憶測が乱れ飛んでいる。
少数民族は独立か少なくとも、大きな自治権を与えるべきである。新疆ウイグル自治区には、多くの民族が混在している。これを利用して、トルファンなどでは、漢族が最大の民族になりつつある。
北京オリンピックは、彼らが自己主張する最も都合のよい舞台である。このオリンピックは、このままではきっと後味の悪い大会になるものと思われる。