そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

身勝手なモンサント社

2008-08-20 | 政治と金

オーストラリア政府が、モンサント社の遺伝子組み換えトウモロコシ、MON863の輸入を禁止する処置を行った。MON863は、病害虫に強い品種であるが、すでに欧州委員会からは問題視されている商品である。

今回、モンサント社による臨床報告が改ざんされているのが判明し、これを受けてオーストラリアが輸入の禁止を行ったのである。MON863の欧州委員会の臨床試験では、マウスに重大な肝臓障害が生じるとこが証明されている。モンサント社の、臨床試験の改ざんは今に始まったわけではない。当ブログでも指摘した。

http://okaiken.blog.ocn.ne.jp/060607/cat7180427/index.html

モンサント社は乳牛の泌乳量を上げるための薬として、牛成長ホルモン(商品名:ポジラック)を販売している。アメリカはこの試験管内で製造されるホルモンの使用に、何の規制も加えていない。EU諸国や日本では認められていない。一般の人に分かりやすく説明すると、乳牛のドーピングである。

15最近になってこの、成長ホルモン投与による牛乳の売れ行きが芳しくないのである。そこで、モンサント社はこの成長ホルモンの製造販売権を売却することにした。誠に身勝手な、多国籍企業である。

ところで、環境団体が日本政府に対して、国内で流通している遺伝子組換えトウモロコシの流通実態の公表を申し入れたが応じていない。実態が分からないまま輸入されているのではないかと思われる。

多分家畜に給与されているトウモロコシのほとんどが、MON835ではないかと推察される。生産性の高さと、抗病性が高いことは農家にとっては福音であるが、自然界になかった生物を生みだすことの危険性は、いまだ解明されていない。

コメント (1)
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