タレントのかつてアイドルグループのシブがき隊のメンバーだった薬丸裕英さんが、桜を見る会を巡る安倍前首相の答弁に「全部調べた上で答弁するべきだった」とテレビ番組で述べたそうである。多くの国民はこうした感情の中にあるものと思われる。
薬丸さんは「安倍元総理はお忙しかったと思いますが」とした上で「国会で答弁するんだったら、ただ秘書に聞いて、『支出していない』、『はい、そうか』で答弁するより、全部調べた上で答弁するべきだったと思います」とコメントしたのである。
しかし、現実はそんなに甘くなく為政者はこのような寄らしむ人たちを手なずけて、のうのうと自在に生きているのである。安倍晋三がこれまで何をしてきたかを知れば、何を基準に政治判断をしているかを知れば、こんな馬鹿げた発言は出来ないはずでる。
安倍後援会事務所は、ホテル側が出した領収書を市すべて廃棄していたことが解っている。あっては困る領収書だと認識しているから廃棄したのである。犯罪である。国会答弁を中断して、午後にホテル側にも領収書はなかったと述べていたが、その日に安倍事務所からホテル側へは問い合わせがなかったとのことである。犯罪である。
これだけでも、すでに安倍晋三は明らかになっては困る事実、安倍晋三事務所が参加者負担金では足らない分を出資補填していた事実、を懸命に秘匿しようと動いていたことが解る。1000名に及ぶ弁護士や法律学者などの告発を受けての捜査と思われるが、なぜ告発をされているかを多くの国民は知らない。為政者にとって好都合なお人よしがあまりにも多い。
国会中継の視聴率は1%以下であるが、かつてはそれなりに真剣な答弁の応酬があったものである。政権側は、論旨を全く違えた回答したり、「お答えは差し控える」と答弁を拒否したり、さらに安倍晋三が政権を執ってからは平気で虚偽答弁をするようになった。野党は事実関係の突込みが足らず、あるいは報道によりますとか質の浅い内容の質問しかできなくなった。見ているとイラつくばかりで国民が、政治から遠のくのも良くわかる。
薬丸さんのようなお上に楯突かないとぼけたような感想が、一般人の感覚になったのもさもありなんと思われるこのところの国会審議である。