習近平のロシア訪問を日本のメディアはほとんど報道しない。これに伴い、中国外務省はかなり的確で基本的な内容の、「ウクライナ危機の政治的解決に関する中国の立場」と題する外務省の12項目の提案がされている。
この中国の提案はまるで教科書のように、基本的内容で実直な提案であるといえる。反アメリカの臭いはするものの、決してロシア寄りでもない。
1、すべての国の主権を尊重する。2.冷戦の考え方を放棄する。3、敵対行動を止める。4、和平交渉の再開。5、人道危機の解決。6、.民間人と捕虜の保護 。7、原発の保護。8、戦略的リスクの軽減 。9、穀物輸出の促進。10、.一方的な経済制裁の停止。 11、産業チェーンとサプライチェーンを安定させます。 12、紛争後の復興の促進。 となっている。
この中国の主張とする内容で目につくのが、2の冷戦構造を引きずっていという指摘である。軍事ブロックで強化するべきでないとも述べているが、中国はどうななのかということもある。膠着状態が続く中、何らかの形で停戦を提案するのは、極めて人道的行為といえる。4では和平交渉を提案している。
11の経済制裁については、中国は国連安全保障理事会によって許可されていない一方的な制裁に反対している。 1でウクライナの主権と認めたうえで、国連に拠らない経済制裁に反対の立場を示している。
結構中国は冷静にロシアに接している。裏でどのようなことをしているかは、この際問わないが、当然この文章による中国自身への自制も求められるであろう。ウクライナが一帯一路の要衝の地であることも大いに関係しているであろうが、中国の立場という提案を全く表しない日本も異常である。報道の自由度の問題ではない。ウクライナを訪問した岸田文雄の、経済支援を報じるばかりである。中国の提案に何らかの形で触れるべきである。