かつては世界に技術大国として実績を積んできた日本である。日本のバブル経済の崩壊以降、日本が築いた多くのものは、韓国やヨーロッパそれに中国に追いつかれ、取って代わられてしまった。その典型が、DVDでありカーナビであり液晶ディスプレイである。これらの多くは韓国企業に、技術的に追いつかれ生産量も追い抜かれてしまっている。
とりわけ韓国は、こうした企業に政治的な配慮を行っている。国家が産業政策として協力に支援してきたのである。それを受けて、韓国や中国それに台湾の企業は世界的発展を遂げてきたのである。新技術は、技術開発すればいいのでは なく、売りこんでこそ意味がある。
現在これと同じ命運を辿ろうとしているのが、LED照明であり有機ELである。これらを開発したのは日本の技術陣である。ところが、LED照明は韓国のサムスンは、日本製品の半額で売りこんできている。10~20年ももつ、LED照明は初期に売り込まなければならない、スタートダッシュが必要な産業である。また、こうした新技術産業は複数企業の連携が求められる。行政の橋渡しなども欠かせない。
日本は国内競争を繰り返し、技術開発以降の政府のサポートが極めて弱い。多少の技術的問題は、市場獲得競争にはほとんど効果がない。LED照明や有機ELは今後大いに伸びる産業部門である。せっかく開発しても足元をすくわれてしまった、液晶テレビなどの二の舞は踏まないようにしたいものである。