そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

SMAPを引き留めた経済効果という虚構

2016-01-20 | 市場経済
いつのころからか、”経済効果”という虚構がこの国の人々を妙に納得させるようになってきた。SMAPが分解だか解散だかで揉めている。40過ぎの男どもがアイドルといわれるのも奇異だが、予算委員会で首相が私見を述べるのも前代未聞である。
25年もやっていればそれぞれの思いが錯誤するのは当然だろう。ところが5人揃ってLIVEでしゃべったが、彼らは解散しないと言っているようだが、しないとも言っていないが詳細は不明である。彼らが分解しなかったのは、260億円といわれる経済効果が背景にある。5人が別々に行動した場合はいくらかかるかという試算はなく、SMAPである状態での経済効果である。本来なら分解した後の経済効果との差額が検討されるべきであるが、芸能プロダクションはそんなこと考えない。自らの不利益になる計算はしないし、そのようには動かないというだけのことである。
しかしこの経済効果というほどいい加減なものはない。どこかのプロ野球球団が優勝すれば、経済効果が100億円といわれる。100億円の金は庶民の懐から出るのであるが、それが100億円なのであろうが、その金は優勝しなくても出るはずではなかったのか?野球を鑑賞し関連グッズが売れたりする金額であろうが、その球団が優勝しなければ他の業者に流れた金とも言える。
経済効果とは、球団関係者側からの一方的に特定のところに動く金である。SMAPが分解し個別活動で、実は儲けた企業や団体があったはずであるが、いまだ不特定の団体の声は表在化しない。現在の企業が儲けることが優先されたのである。

安倍政権は、消費増税に伴い食料などを据え置くのを「軽減税率」と呼んでいるが、実体は単なる据え置き税である。その増税しなかった分を、減税したかのように印象付けてそれが1兆円になるので、その穴埋めが必要などと主張している。本末転倒のバカ理論である。
その1兆円であるが、13日の共産党の小池晃氏の質問で、いかににいい加減であったかがはっきりした。政府側の計算は、「1世帯当たり3万5000円程度、1人当たり1万4000円程度で1兆円になる」と示していたが、これではせいぜい6000億円にしかならないと小池氏の指摘にに対して、麻生財務大臣は苦虫を噛んだ表情で答えることができなかった。最も基本的な質問で、即答できなければならないレベルの問題である。
19日なって、麻生は「1世帯当たり6万2000円程度、1人当たり2万7000円程度」と修正した。1兆円を修正したのならわからないでもないが、根拠も明快ではないまま算出基盤を修正したのである。
この場合は経済効果の逆の意味をもつが、いかに経済的効果なるものがいい加減であるかという証左に他ならない。そんな虚構の算出に一喜一憂するべきではない。

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1 コメント

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Unknown (タンケ)
2016-01-21 14:32:55
そもそも、商売金儲けでやっている芸能グループを商業メデイアがこれほども大きく取り上げ執拗に報道することについて疑問を持たない硬派ブログサイトなら、そんなのは存在意義などないのではないのか?

その間に、アベシンゾー政権下で人々の大切な年金掛金22兆円ほどが杜撰で無責任な株投資に廻されて露と消えさせられたことを皆さんはご存知なのか。こんな芸能界の下世話な話を大騒ぎすることで、こんなとんでもない大事件が報道さえされず騒がれず隠蔽されているのである。

人々よ、いい加減には目を覚ませ!本来報道されるべき重要な事柄がこんな些事で隠蔽され続けていることを。
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