そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

人道介入という国際法違反のミサイル攻撃

2017-04-11 | シリア
トランプは予告もなく、シリアの空軍基地を巡航ミサイルトマホークを59発撃ちこんだ。シリアのアサド大統領が一線を越え、反政府軍地域に国際法で禁止しているサリンと思われる化学弾攻撃したことへの人道的攻撃であるとトランプは主張する。人道介入という理由を掲げるが、これはどう見ても矛盾だらけである。
国際法的には、自国が攻撃された場合、同盟国が攻撃された場合、そして国連決議があった場合の3通りがやむなき手段として認めている。今回はこれのどれにも当てはまらない。そして早速、イギリスと日本の政府が支援を表明した。
これはどこかで見た構図である。イランに侵攻したブッシュがとった行動そのものである。ブッシュは大量破壊兵器があると後に嘘がばれたでっち上げの根拠に基づいた行動、イラン攻撃である。国連は何度も確認された事実はないと決議したにもかかわらず、ブッシュは行動に出た。日本とイギリスが早速賛同したのも同じ構図である。
今回は、どうもシリアが化学兵器禁止条約に調印しているシリアが、廃棄せずに保持していたサリンのような化学兵器を使ったようであるが、ロシアのコントロールが効かなかったのかもしれない。プーチンは早速国際法違反と釘を刺している。プーチンに賛同はしたくはないが、ここは彼の主張が正しい。トランプのとった行動は明かに国際法に反している。小泉引き続き、安倍晋三も無条件でアメリカの決定に賛同を表明している。過去の失敗を教訓化できないトランプと安倍である。
トランプは選挙期間中の発言のほとんど、ヒラリーを刑務所に放り込むと言った以外のことを当選後実行している。実行できなかったものもあるが、政治の素人はこの点は公約に忠実であったといえる。しかし、アメリカは世界の警官にはならないと言った発言を、今回のミサイル攻撃は否定したことになる。軍事施設が標的とはいえ、ミサイル攻撃が人道的とは、まるで安倍晋三が積極的平和主義を唱えるようなものである。
勿論、化学兵器の使用は非人道的であり、国際法上も違反行為である。
実質的には初の外交デビューのミサイル攻撃であるが、トランプは世界の力関係が大きく動いたことを、予測し理解しての行動とは思えないのである。ロシアの離反とそれに伴うヨーロッパと中東の反応を計算した行動とは思えないからである。
それにしてもアメリカの巡航ミサイルの機能も落ちたものである。下の絵はロシアが発表したものであるが、59発撃っても基地内には44発しか落ちていないし、重要な施設をことごとく外している。

コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 治安維持法に直結する要望罪... | トップ | 貧相で浅薄な人物しかいなく... »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (タンケ)
2017-04-11 08:50:54
現在の日本政府が事実上アメリカの犬であることは承知だが、事あるごとになぜ日本は今回如くいつも「支持」表明などするのだろうか、それも真っ先にである。

日本には自らの手で自らを危険に曝す必要も理由もない。かつてアラブ諸国やイランなどとも友好関係保ち信頼得ていたのに、アメリカに過剰に尻尾振り続けるゆえに、今は日本も彼らの憎悪の対象になり、テロリストに口実与える情況にしてしまっている。日本はなぜアメリカに「付かず離れず」でやれないのか、やらないのか?それでなくとも普段から日本はアメリカ国債を購入するなどして巨額を貢ぎ続けているのだ。その貢献度だけでも莫大である。いつまでもこんな物心両面でのいわば「搾取」をアメリカに許しているから、日本は軽んじられなめられ続けるのである、都合よい時にだけ「アメリカの同盟国友好国」とおだてられながらである。

アメリカ人の割切り方、独善、自国第一主義は徹底したものなので、いざという時にアメリカが日本を最後まで助けるはずなどない。助ける場合でもあくまでも自国利益利害を優先させてのことだ。

日本がいくら貢ぎ尻尾振り続けても、アメリカが日本と運命を共にするはずなどない。それは、独立国ならどこの国でも同じことであり、当然のことだろうが。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

シリア」カテゴリの最新記事