そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

ネコ騙しの応酬の様相

2015-07-08 | 集団的自衛権
安倍晋三に会食などされて、半ば与党政権に紛れ込んだと錯覚でもしたのが、維新の党である。会食に誘ってもらえない現代表が主導して維新の党が民主党に声かけ、安保法案(戦争法)に対抗して対案なるものを出している。主導権を取られた民主党がご機嫌をそこねて、ちょっとごねてみたが”領域整備法”を結局共同で提出とすことにした。
自民党は対案であると、持ち上げ大人の対応をしているふりをして見せてはいるが、野党の時間稼ぎ対策であることがバレバレである。現行の個別的自衛権の範囲で十分対応できる、さらには警察法の強化ということであるが、これとて現行で十分対応できるとするだけで、説明は可能な内容と言える。
これは、格上の相手の目の前で”パチン”と手を叩いて脅す、相撲のネコ騙しのようなものでしかない。大きく集団的自衛権の不要さを論じる枠などではない。こんな低廉な法案の出し入れをやっている野党は情けない存在と言える。

と思っていたら、今度は安倍晋三が直接自民党のサイトに登場して、集団的自衛権の事例を稚拙な例を挙げて説明している。
『私(安倍)を殴ってやろうと思っている人たちがいた。それなら私が守って上げようと、私より強い麻生さんが前に出てきた。そこで麻生さんが殴られたので、私も防衛に回った。これが集団的自衛権だ』というのである。正義の味方(私)と悪(相手)が明確な漫画のような事例で、そもそも不謹慎である。
私を殴ろうと思っている人は、思っているだけかも知れないし、なぜ殴ろうと思っているか、相手の気持ちすら考慮していないのである。(私なら安倍を殴る十分な理由を持ち合わせているが、今回は取り上げない)
殴られる理由を探すのが何よりも優先させるべきである。そもそもその相手は、敵と決めつけることがおかしい。
もっとおかしいのは、私より強い麻生さんがやられているので、弱い私はこれを手伝うことなどできるのか。相手は弱い私を狙うに決まっている。強い相手からやっつけようとする者などいるわけがない。弱い私が強い麻生さんを助ける、そんな図式は架空であるとしか言えない。
ネコ騙しにもならない引用例は、昨年7月1日にも行われていたが、不味いと思ったのかもう持ち出すこともなくなった。
集団的自衛権行使などと言う幻影は、共同で戦争をするという現実を追い隠す幻の言葉でしかないのである。

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