今年中に必ず総選挙がおこなわれる。いつになるかが問題であるが、現状では任期いっぱいの9月になるものと思われる。選挙にすっかり怯えづいた麻生ならそうなる。首のすげ替えが行われるとその直後になるが、そんなエネルギーは自民党にはない。
民主党も麻生なら組みし易いと思っている。麻生なら民主党が必ず勝つことになる。問題は勝ち方である。民主党は第一党になっても単独過半数は無理であろうし、選挙協力をすでに社民党や国民新党と約束している。結局連立になる。
連立になると、自民党の一部があちこちと小連合を組むことになるだろうが、その中に民主党が必ず入ることになる。
つまり、選挙後は政界再編が起きるものと思われる。現状の民主党の前原たちは、自民党の加藤紘一たちのグループに比べると、彼らの方がよっぽど急進的な右寄りの思想を持っている。
日本の自民党と民主党は、アメリカの民主党と共和党のような歴史があるわけではないい。日本の民主党には、自民党の中で育ってきた歴史があるくらいである。アメリカの2大政党ほどの違いが、我が国の自民党と民主党にはない。
政界再編もひょっとしたら、大連立ということになるかもしれない。これでは大政翼賛会で民主主義が機能しない。小沢一郎の頭の中には福田と協議したこの構想は、消えてはいないだろう。
小沢民主党はアフガニスタンへの自衛隊の海外派兵を認めるようだし、海賊対策と称してソマリア沖に海上自衛隊を出すつもりのようでもある。大連立のとりあえずの目標はこの辺りにあり、次に憲法改正をにらんでいるように思える。大連立は消えてはいない。
小選挙区制になって、政党の縛りが強くなってしまった。国会議員は各運営委員会や予算委員会などでは、委員として協議し発言して評決に加わるのが原則である。ところが、現在では国会議員は党の方針に逆らうことはできない。党首や幹事長が決定したことに逆らうと、公認が得られないからである。小選挙区制は少数政党を葬ることに加えて、議員の国会での意思をも拘束するのである。
選挙後に政界再編することも民主的とは思えないが、選挙前に態度を隠さなければ公認されない議員の自衛手段も解らなくはない。こうして見ると、選挙後に行われる動きは、「政界再編」などではなく単なる「政党再編」でしかないことが解る。
国民に選択肢をなくさせ、非民主的運営の政治状況は国民から遠くなるばかりである。見せかけの烏合集散を繰り返しても、日本の政治は閉塞状況から脱することはできないであろう。