ロシアの外相のラブロフが河野太郎外相との同士会談の直後に、「北方領土という言葉を今後使わないように」と、一見奇異に感じる言葉を吐いたのである。河野は記者会見をしなかった。北方領土は英語では通常、"Occupated Northen Teeeitories"と呼ばれていた。直訳では、占領された北方の地域という事になる、ラブロフはこの言葉を嫌ったものと思われる。
日本の不勉強で知識のある政治家などが時折、「不法に占拠された」という言葉を使う事があるが、この英文の直訳なのである。前原誠司が外相時代に口にして、ロシアから突かれたのがその典型である。
この言葉こそが、アメリカが冷戦時代に使わせたものと思われるが、日本語としてこの言葉は殆ど外に出てこない。
今回、安倍晋三はプーチンのからめ手戦法に懐柔され、領土返還を放棄し、平和条約を前面に出した。国会ではこれまで使っていた、「固有の領土」と言いう言葉を使用しなくなった。何度も質されても、北方領土とは口にはしなかった。
今日は北方領土の日であるが、政府の意向を受けて、島を返せとかましてや不法占拠などと言う言葉は影を潜めた。所詮は北方領土返還運動などは官製の運動である。領土返還という言葉さえ使えば、国からはジャブジャブと金が下りてくる。集会にも無料の旗やハチマキが手渡される。会場費も負担することもない上位下達の運動である。今年は一斉に官邸主導で、早期の平和条約締結を前面に出している。元島民の勢いが消えた返還運動といえる。
元々北方領土は、戦後10年経ってから思いついた運動である。冷戦下の対決が色濃く、サンフランシスコ講和条約にもソ連は参加はしていたが、署名などしていない。
政府が4島に限定した意味も良く解らない。歯舞、色丹は北海道の一部でありソビエトが戦後(1945年9月4.5日)侵攻したところで、返還以前の問題である。4島返還はの北方領土の問題は、官邸がソビエトに敗戦の通告を怠った尻拭いに他ならない。
プーチンは辺野古新基地建設を念頭に、日本は民意よりアメリカの意向い従っていると、返還すれば米軍基地建設の可能性を理由に、手放すことなどありえないのである。
街宣車の横断幕を見るのが楽しみ❗