日本の、宇宙開発機構(JAXA)の月探査衛星「かぐや」が、9月14日に打ち上げられ、多少の軌道修正をしながらも順調に飛行を続けている。本格的な、月探査計画としてはアメリカの、アポロ計画以来となる。日本の技術がこの衛星に搭載され、その探査能力をいかんなく発揮することであろう。
海外のメディア、とりわけ中国はスパイ衛星の開発に神経をとがらせているが、今回はそれナ入りの評価を行っている。中国も今年中に、月探査衛星、嫦娥(じょうが:月に住む天女)を打ち上げる予定である。
アメリカは、多国間協議をを行って月面基地を建設計画中である。ロシアも中国も月の資源開発を念頭に入れた開発計画を持っている。インドも月探査衛星の打ち上げを計画している。
日本は高い技術力を持ちながら、世界各国の月探査目的があからさまであるのに比して、その目的がいま一つ明確ではない。ここは一つ大目に見て、高い 技術力を見せ付けて欲しいものである。
ところで、月の資源は誰のものか、どこの国のものかは明確にされていない。'67年に、ほとんどの国が批准する「宇宙条約」が締結されている。そこでは、月などの宇宙の資源は国家の所有を超えていて、どの国のものでもないとされている。アメリカが、多国協議で取り組むのもそうしたことを視野に入れてのことであるが、利権を月にまで絡めて貰いたくはないものである。
日本のかぐやは、むしろ国家戦略が見え見えの計画よりも、ほとんど純粋に近い科学的な取り組みを行ってほしいものである。
日本国内では、あまり報道されず評価もそれほど高くない、月探査衛星「かぐや」ではあるが、ハイビジョンの映像とともに、明るい夢を我々に与えてもらいたいものである。