そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

政治的信用こそがマイナンバーカードの問題である

2023-06-07 | 岸田文雄

マイナンバーカードに基本的に賛成していた。マイナンバーカードの取得はかなり早くとった。青色申告に何かと便利になると思ったからである。
その根拠になったのは、BSE(牛海綿状脳症:狂牛病)を期に、牛の飼養履歴が判るように、日本のすべての牛の耳にタグ、耳標をつけたのである。その前駆となる試行が当地の農協で行われ、現場の状況を管理母体にチェックすることをやっていた。
耳標をつけることに畜産農家から大きな抵抗や、試行錯誤が数限りなくあったが、BSE以後の消費者に牛の経歴が判り(トレイサビリティー)、安心感を当てた。耳標が確認できなければ屠場を通らず、市場に出回らないので結局は農家は積極的に協力した。何より牛の盗難が全くなくなったなど、消費者にも生産者にも大きな安心感を与えてくれた。
そうしたことを考えれば、マイナンバーカードも大きな意義があると思って積極的に協力した。
ところが、牛の耳標に比べて、人の場合がこんなにも、現場のトラブルや予測される事態、起きたらそうするかの対策など、ルーズに取り組んでいるとは思いもしなかった。
300万頭ほどの牛に比べて、40倍も人の方が多いし、利用目的の多用さも比較にはならにであろう。牛の耳標の場合は、法律で義務付けて実行するまで、狭い一つの農協でかなり細かいことまでチェックする時間があった。その時の経験は、管理する側は現場の状況など全く知らないが、コンピュータプログラムの専門家である。ありえないことや、予測外のことや、稀有な事例など全く知らないのである。幾度もの試行錯誤を、流石に彼らは見事受け止めてくれた。
現在マイナンバーカードで起きている不具合を報道などで、仄聞するしかないが、基本的作業を疎かにしているとしか思えない。牛の場合はこんな法律で強制化されることなど予測せず、4年ほどの時間経過の中で、多くの矛盾や問題点を整理する期間があったが、人の場合はそうしたことへの取り組む、人的なスケールもかなりあったはずである。
マイナンバーは、余りにも拙速すぎて、更に健康保険証を人質にして強行する姿勢が、かえって問題を大きくしている。さらには、個人情報の管理を国がいつでもできるようにされたのでは、牛ではあるまいにという危惧が拭うことができない。実際現政権なら何をしでかすか判らないところがある。
実際多くの国で個人情報管理制度は国民の反対で利用されていない。細かな問題より政治的信用の失墜こそが問題である。

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