国境の複雑怪奇:アメリカ・メキシコ国境のトンネル
メキシコ北部の町ティファナから国境を越えて、アメリカ・カリフォルニア州サンディエゴ近くに抜ける730メートルの地下トンネルが見つかった。その後、調査が進むにつれて、予想を超える大規模なものであることが分かってきた。
メキシコ側のトンネル入り口はティフアナ空港近くの倉庫の中にあり、縦穴を滑車で約15メートル下に降りる。トンネルは照明や換気、排水装置を備え、床はセメントで固めた精巧な作りであった。内部からはマリファナ2トンも見つかった。出口はアメリカ側カリフォルニア州オタイ・メサ地区にある2階建て倉庫にあった。
このトンネルの発見にはアメリカ陸軍の地下探索装置も使用されたらしい。 このトンネルがきわめて大規模な麻薬の密輸に使われたことはほぼ確かなようである。犯罪組織の規模も非常に大きいと見られている。CNNがこのトンネル発見当時の状況を動画で紹介しているが、その大規模さが伝わってくる。
9.11以降も20本以上のトンネルが見つかっているが、そのなかでも最長のものとされる。アメリカ国境警備局は麻薬カルテルが密輸に使っていたと見て、捜査を始めた。
日本人の観点からすれば、あれだけの長い国境線が続くのだから、わざわざこれほど大がかりなトンネルを掘らなくてもと思うかもしれない。しかし、地上の国境警備体制は9.11以降、格段に厳しくなっており、あらゆる科学的探索手段が使われている。 他方、CBSが伝えるビデオ画像を見る限りでも、犯罪組織の巨大さがうかがわれる。
島国日本にとっては幸い海の向こうの話にとどまっているが、以前にこのブログ*で書いたように、大陸と続いていたならどんな状況になっているか、空恐ろしい話である。
Source
CNN.com
http://www.cnn.com/2006/US/01/26/mexico.tunnel/
*本ブログ内関連記事
http://blog.goo.ne.jp/old-dreamer/e/cd515fcd50fe7819a506ac94ce910b94