あなたの前に国境は開かれているか
グローバル化が進んだ世界でも国境は暖かく迎えてくれるとは限らない。ある国民には開かれていても、別の国民には国境は冷たく、閉ざされている。 国境は単に地図上に引かれた線ではない。目に見える国境も、見えない国境もある。
国境の開放度を示すひとつの興味深い指標がある。ある国の国民が査証visaを要求されることなく、目指す国へ入国できるかどうかという数値である。あまりお目にかかることのない珍しい統計なので、ご紹介しよう。(査証の条件は記されていないが、短期滞在の場合と考えられる。多くの国では相互免除になっている。)
一寸驚いたことは、日本人はアメリカと並びきわめて優遇されていることである。125近い国へヴィザなしで入国が認められている。EU15カ国平均よりも上である。
これに対して、パキスタンの場合、17カ国しかヴィザなし入国が認められていない。インド、中国も同様である。不法滞在などの可能性が高いからだろうか。韓国が115カ国に認められているのに北朝鮮は18カ国である。国境はきわめて政治的存在である。その背景を考えると、なかなか興味深いものがある。
Reference
"Visa Restrictions". The Economist February 11th 2006
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