Flora
Rembrandt van Rijn
(Dutch, 1606-1669)
probably ca.1654, oil on canvas
100 x 91.8 cm.
Metropolitan Musem of Art, New York
熱暑も過ぎて、秋の気配。「美術の秋」らしく、いくつかの美術展などの案内が届く。このところ自分で時間を割り振る自由が生まれてきて、ほっとする時が増えた。「忘れていた」自分が戻ってきた感じさえする。いくつか見てみたい美術展などもあるのだが、あの混雑を思うと二の足を踏む。
国立新美術館では『フェルメール「牛乳を注ぐ女」とオランダ風俗画展』も始まったようだ。日本人は、フェルメール好きなのでさぞ混雑するだろう。サイトを見てみると、ただ今の混雑状況というのが分かるようになっている。親切な試みなのだが、これだけで、いささかへきえきしてしまう。人々の背中越しに見るフェルメールは、考えただけで足が遠のく感じ。
折しも、ニューヨークのメトロポリタン美術館で9月18日に始まったばかりの『レンブラントの時代』The Age of Rembrandt: Dutch Paintings in The Metropolitan Museum of Art の案内が届く。さすがに、これはすごい。同館が所蔵するレンブラントばかりでなく、フェルメールの作品も勢揃いしている。「窓辺で水差しを持つ若い女」、「窓辺でリュートを弾く女」、「眠る女」、「カトリック信仰の寓意」、「少女」と所蔵全作品が出展されている。HP上での主任学芸員の話によると、このテーマの下で出展されているのは、同館所蔵の228点である。
レンブラントの作品はこれまでかなりよく見てきたつもりだが、今回の展示品には、再度見てみたいものがある。前回、話題にしたばかりだが、別の「フローラ 」Floraも展示されている。ニューアムステルダムの残した遺産は、さすがに素晴らしい。そして、メトロポリタンの底力。この案内を見ると、国立新美術館の企画展もかすんでしまうようだ。
それにしても、どうして同じ時期にほとんど同じような企画をするのだろうか。グローバル化の時代、美術館同士がお互いに情報交流し、企画展として独自性を出すようにすれば、作品の融通も楽になるだろうと思うのだが。なんとなく、美術館の力関係や舞台裏までが見えてしまう。