文庫本で上下2冊の1冊目を読み終わったところ。
ブログつながりさんのご紹介で読み始めた。
考えてみれば、司馬遼太郎氏の歴史もの、時代小説は読んでいない。竜馬がゆくを途中まで読んだぐらいかな?
で、それ以来の司馬遼太郎の歴史小説。
感想。うーん、これは司馬さんの想像力で人物に血肉を与えているのだという印象が強い。だから、彼はその時代の資料として、軽四トラックいっぱい程の古文書を収集して、執筆に入ると聞いたことがあるが、さもありなん、と思った。
四国土佐の長曽我部元親が近隣を征服せんと戦に明け暮れている模様を、目に浮かぶように描いている。
あの時代の武士の弁え。あの時代の武将の腹黒さ。あの時代の結婚するということ。あの時代の武将の妻であること。
司馬さんの文章に説得させられながら、16世紀の戦国時代に入り込んでしまう。
でも、実際の元親や菜々の人となりが、本に書かれているようだとの保証はない。
これは、司馬さんが書いたもの、であり、司馬さん流の人物解釈なのでしょう。
それが「司馬史観」といわれる訳なのであり、司馬さん流解釈が結構人を納得させるから、読者も多いのでしょう。
いつの間にか、戦国の武将長曽我部元親、さもあらん、その妻菜々も、そうか、そんな女性だったのか、と納得されている私。
豪族から領地を広げていって、四国の覇者たらんとする元親の考える策略のなんと底知れず黒く、かつ安らぎから遠いこと。
武将の妻の、いや、戦国のよにあっての、(武家の)女の人の置かれている立場の、役回りに、隔世の感を覚える。
下々は口を糊塗するのがやっとの時代、餓死や疫病に倒れるのも珍しくもない時代でしょうから、だから、人権も生存権もあるわけはないのだけれど、戦国、制覇、下克上の時代の策略…。
今の時代に生きて、読者として500年ほど前を鳥瞰させてもらいながら、人が歩んできた歴史を思った次第です。
以下、追記。
下巻まで読んで。
時間の旅人になったようでした。
当時の都市見物は、奈良に京都、そして商都堺。
まだ、大阪はこれから。勿論木造しかないだろうし。
秀吉が威を誇示するかのように、日本一の大阪城の築城。
配下となった土佐に材木を用命。
その他、各藩に材料調達やら人材派遣を用命すればOK。
勿論、問答無用、異を唱えるなどあり得ない。
農民をかき集めるように戦士に仕立て、四国の領土統一を企てたものの、天下をとる勢いで敵わない秀吉の配下となった元親。
村しか知らなかった農民が、隣村を侵略することにより、少し世界を広げ、隣藩を攻略することにより、また世界を広げ。
海を渡って、もっと広い世界があることを知り…。
司馬遼太郎氏の中世日本、四国高知と堺、大坂、京都あたりですが、案内で、ひととき時間旅を体験しました。
秀吉の黄金の茶室や聚落第の絢爛さ、田舎武将の度肝を抜くための策略でもあったかと、説明されると、今にも通じる人間臭さに頷かされる。
武将の結婚は、子孫を残すため。自家の安泰のため。女に感情をかけるものではない、と。
殺さねば殺される時代の、生き延びるための手段。
そして、田舎人たちは、行きずりの旅人の種を貰うことに大らかだった、と。
そうして外部の血がはいるという知恵を使っていた、と。
人権も正義もなく、強くないと生き残れない時代。
一番強くないと、心を隠して、おもねることをしないと、血がつながらない。
どれほど沢山の人が、理不尽に命を落としていったか。
今、私たちが持っている思考回路との差、相当なものだろうな、と思う。
ああ、今の時代でよかった!
ブログつながりさんのご紹介で読み始めた。
考えてみれば、司馬遼太郎氏の歴史もの、時代小説は読んでいない。竜馬がゆくを途中まで読んだぐらいかな?
で、それ以来の司馬遼太郎の歴史小説。
感想。うーん、これは司馬さんの想像力で人物に血肉を与えているのだという印象が強い。だから、彼はその時代の資料として、軽四トラックいっぱい程の古文書を収集して、執筆に入ると聞いたことがあるが、さもありなん、と思った。
四国土佐の長曽我部元親が近隣を征服せんと戦に明け暮れている模様を、目に浮かぶように描いている。
あの時代の武士の弁え。あの時代の武将の腹黒さ。あの時代の結婚するということ。あの時代の武将の妻であること。
司馬さんの文章に説得させられながら、16世紀の戦国時代に入り込んでしまう。
でも、実際の元親や菜々の人となりが、本に書かれているようだとの保証はない。
これは、司馬さんが書いたもの、であり、司馬さん流の人物解釈なのでしょう。
それが「司馬史観」といわれる訳なのであり、司馬さん流解釈が結構人を納得させるから、読者も多いのでしょう。
いつの間にか、戦国の武将長曽我部元親、さもあらん、その妻菜々も、そうか、そんな女性だったのか、と納得されている私。
豪族から領地を広げていって、四国の覇者たらんとする元親の考える策略のなんと底知れず黒く、かつ安らぎから遠いこと。
武将の妻の、いや、戦国のよにあっての、(武家の)女の人の置かれている立場の、役回りに、隔世の感を覚える。
下々は口を糊塗するのがやっとの時代、餓死や疫病に倒れるのも珍しくもない時代でしょうから、だから、人権も生存権もあるわけはないのだけれど、戦国、制覇、下克上の時代の策略…。
今の時代に生きて、読者として500年ほど前を鳥瞰させてもらいながら、人が歩んできた歴史を思った次第です。
以下、追記。
下巻まで読んで。
時間の旅人になったようでした。
当時の都市見物は、奈良に京都、そして商都堺。
まだ、大阪はこれから。勿論木造しかないだろうし。
秀吉が威を誇示するかのように、日本一の大阪城の築城。
配下となった土佐に材木を用命。
その他、各藩に材料調達やら人材派遣を用命すればOK。
勿論、問答無用、異を唱えるなどあり得ない。
農民をかき集めるように戦士に仕立て、四国の領土統一を企てたものの、天下をとる勢いで敵わない秀吉の配下となった元親。
村しか知らなかった農民が、隣村を侵略することにより、少し世界を広げ、隣藩を攻略することにより、また世界を広げ。
海を渡って、もっと広い世界があることを知り…。
司馬遼太郎氏の中世日本、四国高知と堺、大坂、京都あたりですが、案内で、ひととき時間旅を体験しました。
秀吉の黄金の茶室や聚落第の絢爛さ、田舎武将の度肝を抜くための策略でもあったかと、説明されると、今にも通じる人間臭さに頷かされる。
武将の結婚は、子孫を残すため。自家の安泰のため。女に感情をかけるものではない、と。
殺さねば殺される時代の、生き延びるための手段。
そして、田舎人たちは、行きずりの旅人の種を貰うことに大らかだった、と。
そうして外部の血がはいるという知恵を使っていた、と。
人権も正義もなく、強くないと生き残れない時代。
一番強くないと、心を隠して、おもねることをしないと、血がつながらない。
どれほど沢山の人が、理不尽に命を落としていったか。
今、私たちが持っている思考回路との差、相当なものだろうな、と思う。
ああ、今の時代でよかった!