私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

デイジー

2006-05-26 12:47:34 | 映画鑑賞
画家の女性を愛する暗殺者。捜査中にたまたま彼女と知り合う捜査員。
誰が自分を見守っているかも分からず、その男性が自分の前に現れるのを待っている画家。


前半は、画家は捜査員が自分を見守っていた男性と信じ、捜査員は違うという言葉を口に出せないまま彼女の隣に居続ける、二人の恋が描かれる。
そんな前半に暗殺者の姿はない。デイジーの贈り物もなくなり、画家が捜査員を信じきった時に突然起こる事件。
そして今まで姿を隠していたのが嘘のように、画家の前に現れ彼女を見守ろうとする暗殺者。
それまで1時間はたっぷりイ・ソンジェとチョン・ジヒョンの恋物語を見ていたはずなのに、突然姿を現す暗殺者のチョン・ウソンがどんなに彼女を守ろうとしているかが、凄いスピードで伝わってくるのに感心する。イ・ソンジェとチョン・ジヒョンの恋物語の間にも、暗殺者チョン・ウソンの愛が枯れずに続いていたことが少しずつ分かり、3人の話が繋がっていることが分かってくるのだ。
声が出なくなった彼女の唇の動きを読み取ろうとする暗殺者。そんなことでしか彼女への愛情を表現できない暗殺者の寂しさを感じるが、彼女の唇の動きを読めることを嬉しそうに報告するチョン・ウソンの笑顔はこの映画の中でも胸を打つ場面だと思う。

アンドリュー・ラウの撮るアクションシーンはこれまで数え切れないほど見てきたと思うが、今回のはまた違った雰囲気が感じられた。
画家の彼女との食事を抜け出して仕事に向かう場面のアクションシーンは、古い建物の中に差し込む光の加減なのか、オレンジの光は香港映画ではみたことのない雰囲気だったし、上から見下ろすようなアクションシーン、銃声とともにどんどんかわるカメラアングルなどお洒落でありながらスピード感があった。
(暗黒街のボスの事務所に乗り込む場面も同じような雰囲気が感じられた。)
勿論アンドリュー・ラウ故、お洒落なだけでなく、暗殺者の仕事の寂しさも感じられ、香港映画と違うアクションシーンが見られたことにも満足する。

監督アンドリュー・ラウは香港、チョン・ジヒョン、チョン・ウソン、イ・ソンジェら出演者は韓国、そして全編オランダロケ。
そんな混合グループでありながらも、寄せ集めた感じがなかったのは、オランダロケによる力が大きかったのではと思う。夏のオランダの郊外に広がるデイジーは非常に綺麗だった。
愛は枯れないというキャッチフレーズにぴったりだったと思う。

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普段、会員としてお世話になっている映画館の招待試写会で鑑賞。
上映前に「是非口コミの宣伝をお願いします」と映画館スタッフの一言挨拶もあった非常にアットホームな試写会だった。

私も「観て損はなし」とお奨めしたいと思う。