私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

デンジャラス・ラン

2012-09-07 21:35:21 | 映画鑑賞
ケープタウンで隠れ家の管理を任されている新米のCIA局員の元に、投降した凶悪犯が連れてこられた。
デンゼル・ワシントン演じる凶悪犯は元CIA局員。「何故投降したのか、何を握っているのか?」分からないまま始まった尋問の途中で隠れ家は襲撃されるのだ。
「俺を守るのがお前の任務だろう?このままじゃお前も最後には殺されるぞ?俺を連れて逃げた方がいいんじゃないのか?」一瞬にして相手の弱みを握り、その部分を巧みについてくる話術。相手を不安にさせ、さりげなく切り出した自分の話をすっと相手に信じさせる。

新米CIA局員があっという間に凶悪犯である元CIA局員と二人で逃げることになる。
CIA本部からの協力はなかなか得られない。さらに隠れ家が襲撃されたということは、内部に裏切り者がいる可能性があるということだ。
新米局員の心を不安にさせるちょっとした一言。
きっかけを作りはするものの、最後の決断は本人にさせるようにする巧みな誘導。

カーチェイスもすごい。新米CIA局員が思いのほか戦えるのもなかなか頼もしい。しかし物語に新しい感じはない。
画面のどこかにうっすら感じる『ボーン』 シリーズ の香り。
ただオレンジ色が印象的な画面からはケープタウンの乾燥した空気が伝わってくるし、緊張感もそれなりに伝わってくる。

しかし一番すごいのは、凶悪犯でありながら、見ている者に共感を感じる話し方をするデンゼル・ワシントンの演技。
凶悪犯が自分に有利に相手を動かすために話す言葉の数々だと分かっていても、その内容にどこか真実味を感じ、さらに新米CIA局員に教え諭すような態度に自分でも知らないうちに共感を覚えるようになってしまうのだ。
こうなったら悪のカリスマである元CIA局員の思う壺だ。
新米CIA局員を演じるライアン・レイノルズは、元CIA局員とやりあうには余りにも軽い印象が気になるが、それさえも逆にリアルに感じてしまうのも、デンゼル・ワシントンの存在があるからだ。

デンジャラス・ランというタイトルも新鮮味に欠ける。
オリジナルのタイトルは、Safe House 。

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