テレワークが少しずつ浸透してきたとともに、テレワークと相性が良いからと、盛んに話題に上るようになったジョブ型人事制度。
確かに誰が何をしているのか、どんな仕事があるのかを綿密にチェックして、仕事の流れと仕事内容を見える化して無駄をなくし、皆がテレワークに全集中(!)出来るようになるためには、仕事の洗い出しは必要だろう。
ただ、それはテレワークでなくともしなければならなかった事のはず。職務内容が明確でなくて、人についている仕事が沢山あったり、職務内容がキチンと限定されていないから、誰に何を頼んでいいのか誰がどこまで責任をもってやればいいのかはっきりしなくて結局みんなでなんとなく残業をして乗り切ったり。深刻か否か、量が多いか否かの差はあっても、ごくごく普通の日本の企業ではよくあった話だし、今でもよくある話だと思う。
キチンとやらなければならなかった仕事を洗い出しもしていないのに、洒落た名前につられてジョブ型を急に導入したり、準備もないままテレワークに突入して後付けで仕事の洗い出しをしようとしたら、どんな事が起こるだろう・・・・
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私には壮大な話は出来ないが・・・・
とりあえず一番身近に感じるのは、「名前を付ける程の事でもないけれど、でも仕事をやるには必要な事がジョブ型を導入する際の仕事の洗い出しで見落とされてししまうんだろうな」という事。
ファイリングをしたり、シュレッダーのごみを片づけたり、コピー用紙を補充したり。。。皆が自分でやればいくらでもない事が、そのままにされているせいで、書類を廃棄したいのにシュレッダーのゴミが一杯なせいで、まずはシュレッダーで掃除から始めなければならなかったり、コピー用紙を補充するところからやらなければならなかったり。。。あるいは在庫で残っているはずのサインペンの箱が空っぽのまま倉庫に置かれたままになっていたり。。。
名もなき業務なんて素敵なネーミングでなく、かつては雑用と呼ばれていた仕事の数々。沢山の女子社員や新入社員が気遣いとか気配りという名目の元、自分の主業務をやりながら黙々とこなしていただろう仕事の数々。
自分使って紙が無くなったら補充しておく。汚れたら拭いておく。「最後の一つを使いました。」と誰かに声を掛ける。そんな仕事の数々をぜひ仕事の洗い出しの際にちょっとでも考えてくれたらと思う。