夢枕獏の陰陽師が、大陸的スケールと潤沢な資金力をこれでもかと使って中国で映画化。
私は野村萬斎主演の映画も未見、原作も読んだことがなく、(日本版との比較が出来ないのが残念なのだが)非常にまっさらな状況で鑑賞。
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長い間封印されていた大蛇の悪霊が目覚めるのを止めるべく尽力する晴明と剣士博雅。妖魔に対する考え方の違いから衝突する二人。しかし妖魔が入ってこれない空間のはずなのに、禍蛇を封印すべく集まった法師が殺されることから、眠りから覚めそうになっている禍蛇を封印するため、そして謎の殺人事件を解決するために力を合わせることになるのだ。
晴明と剣士博雅が打ち解けていき、力を合わせていく過程は非常に分かり易い。このバディ感があるからこそ、ファンタジー感も受け入れることが出来る。豪華な衣装、天都(イメージは唐の感じか・・・)は豪華絢爛だが、物語の序盤のミステリーはいわゆる密室物。スケール感が全くないのがやや残念だ。
しかし物語が大きく動く後半部分は、怨念、情念が渦巻き、そこに目覚めた禍蛇が加わってのクライマックスがやってくる。
この禍蛇とのクライマックスシーンでは多数のイケメン!(正しくは式神)が投入され、イケメン大渋滞が発生の中、非常に熱の入った格闘シーンが続く。
怨念の話を忘れそうになる位力の入った格闘シーン。中華ファンタジー感満載なのだが、いかんせん長い。迫力はあるものの長い。もう少しメリハリのある演出でもよかったのにと思う。怨念や情念への思いがすっ飛んでしまった・・・
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私は原作の雰囲気が全く分からなかったので、マーク・チャオ演じる晴明とダン・ルン演じる博雅のバディ感を楽しみつつ、力業で格闘シーンに持ち込む中華ファンタジーとして鑑賞。(禍蛇とのクライマックスシーン・・・やっぱり大画面で見たかった・・・)
*Netflixで視聴。
『陰陽師: とこしえの夢』予告編 - Netflix