先週の金曜日、新宿のねぎしで@販売価格改定についてお詫びとお願いという切ない案内文を前に、赤たんの薄切りと白たんの薄切りがセットになったまるねセット1550円(税込み)を食べる。
「牛たんの深刻な品不足により仕入れ価格が3倍に高騰する事態になった」とのお知らせ文で状況を把握するものの、以前よく食べた白たんの薄切りの@ねぎしセットが1750円、白たんの厚切りのしろたんセットが2450円。
値上げ前の8月、久しぶりに立ち寄った際にも、ねぎしセットは既に1450円だったのだ。あの時も「昔は1000円位で食べられたのにな・・・」などと無駄な思い出が頭をよぎり、赤たんの薄切りのがんこちゃんセットを頼んでしまった。
*****
平成になるちょっと前、今は無くなってしまった西武新宿駅そばの路面店に時々ランチを食べに行っていた頃は1000円位だった。当時は、牛たんと麦飯のセットというのが物珍しく、麦飯をヘルシーと思い、時間に余裕があるとお昼に行ったり、夜はカウンターで大皿料理を食べたりしながら飲んだ後の締めにテールスープを頼んだりした。
当時も「仙台の方が美味しい」とか「もっと美味しい焼肉もある」などと言われたりしたが、仙台に行かなくともお手頃にヘルシーと思われる食事を出来るのが嬉しかったのだ。(ちなみに牛たんがちっともヘルシーでなくカロリーも脂質も割と高いと知ったのはずっと後になっての事だ・・・)
需要と供給のバランスが崩れ、値段だけ考えればお寿司等と肩を並べる食材になってしまった今、そんな思い出話をいつまでもしている私はすっかり時代遅れなんだろう。
******
コロナになってから会社帰り等に新宿に寄る事も殆どなくなってしまった。昼間時々立ち寄る事があっても、買い物だけそそくさと済ませて食事はしない事が多かった。先週の金曜日、昼食でもと思って新宿通りを歩いても、以前からあった物販の店が閉店していたり、以前ならランチをしていたはずのお店が臨時休業をしていたりと、新宿の街も随分と様子が変わってしまっている事を実感する。
「座席に余裕があって、一人で行っても多少はゆっくり出来るところ」というとねぎししか思い浮かばなかったのだ。