年一度の組のカラオケ大会で負ける事が一番怖い若頭補佐@成田狂児が、難局打開に選んだのは、中学3年生の合唱部部長@岡聡実にカラオケボックスで個人授業を受ける事。
こんな解決方法を選ぶ事だけ見ても、「真面目なのか?ふざけているのか?」と疑いたくなるが、若頭補佐的には、大真面目も大真面目。そして相手が例え中学三年生であっても『歌の技術は俺より上』と、教えを乞う者としての礼儀を尽くすのだ。
組の中での上下関係はきっちり守り、師と仰いだ者には礼儀を尽くし、でも中学三年生の師ががカラオケで肘を付きながら食事をすることは許さない。ちょっと方向性が間違ってしまったきらいはあるものの、名前とは違って案外常識人でちゃんとしているのだ。
若頭補佐の申し出に怖気づいていたものの、一緒に過ごす時間が増えるにつれてその一生懸命さにほだされて、そっけない毒舌さの中に彼を助けようとする気持ちがちょいちょいみられるようになる中学三年生の心の動き。
力の入れ具合がちょっと間違っているものの優しい所がある若頭補佐と、年頃らしく色々と悩み多き中学三年生が、一緒にちょっと変わった青春を過ごしている感じがなんとも微笑ましいのだ。車の中のやり取りは恋人同士にも思えるし、年の離れた兄弟のようにも見え、美しいファンタジーだ。
見終わった後、「紅」が頭から離れない。
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ちょっとした小ネタがツボに入り、私は何度も声を出して笑いたかったのだが、周りが静かだったので我慢する。
狂児が運転する車のナンバープレートが、実際には存在しない「ん」なのは、何か意味があったんだろうか?ファンタジーだという事の証なのか・・・
映画『カラオケ行こ!』本予告(90秒)【2024年1月12日(金)公開】