朝鮮戦争を戦った男性に敬意を表して見送ったように、辛い時期に更につらい状況を耐えた慰安婦だった高齢の女性も同じように見送ることになるチーム員達。
ただそれだけでなく、彼女たちを忘れないようにというメッセージを発信するために、幼い頃の自分の友人を探している高齢の女性も出て来て、戦後何も知らずに幸せに暮らしていた自分を恥じ、彼女の辛かった足跡を辿ろうとするのだ。
慰安婦だった過去を隠して静かに暮らしていても、自らの命を投げ打ってまで自分たちを助けてくれた同僚を忘れる事はなかった女性を演じる女優さんも、自分が友人を慰安婦にするきっかけを作ってしまったことを後になって知りショックを受ける高齢の女性を演じる女優さんも、いずれも「韓国ドラマでは優しい思いやりのあるおばあさん役」がピッタリの方だ。
そんな二人がこの役を演じる事で、ドラマの内容は当時を知らない世代にも強いインパクトを残す。もちろん、危機管理チームのメンバーであるジュヌンも、二人の思いを感じて「僕がこの思いを忘れずに引き継いでいきます」と熱い思いを語る。
韓国ドラマを何本も見ていると、(それがそのドラマの大きなテーマでなくても)このような場面は時々目にする。それには「この過去を私達は絶対に忘れない」というテーマが必ずあり、それ対する描写が弱かったりすると(正直私は分からない事が多い。あくまでも韓国側から見たら弱いという事だと理解するしかない)批判にさらされる事になっている。そこは韓国側としては大きな共通認識となっており、そこに疑念の入る隙はないのだろうと理解するしかない。
私は日本人故、その描き方に色々思うところはある。辛かった時代があった事は間違いないと思うが、その感情を忘れないために、その感情に対する思いをブラッシュアップするかのような様々な働きかけがあまりにも意図的に行われているように見えるのは、正直どうなのかなとも思う。ただ、これに疑問を呈する事が出来るのは、ドラマを作る彼ら自身からだけだ。
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韓国ドラマ好きではあるが、こういう題材の描き方には自分なりの思いはある。死神の出てくるドラマなのだが、死神まで日本側の死神はどうしようもないと描かれているのを見ると「おお そこまでやるか」と思ってしまったので、思わず日頃思っている事を書きたくなってしまった。
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ドラマも終盤。危機管理チームのチーム長の過去がとうとうはっきりする・・・・