離島に住むノクドゥは家族が正体不明の男達から襲撃を受けた事によって島から出て謎を解明しようとするも、男装するドンジュとのトラブルが重なり、迷い込んだ未亡人たちが住む村でドンジュと一緒に暮らす事になるノクドゥ。
ノクドゥが女装して村に忍び込んだ事にも秘密があり、芸事に少しも才能がなく妓生になれないドンジュも何か秘密がある。秘密がある者同士がトラブル回避の為に助け合い、次第に心を通わせていくドラマとしても楽しい。勿論カン・テオ演じる気のいい若者の野望が壮大であることと合わせて、自分に関心を持ってくれないドンジュにどこまでも一途でありながらも、権力にも執着する様子にフォーカスして見ても十二分に面白い。更に光海君が王の座を奪われる事を必要以上に恐れ、誰も信じようとしない様子も、いかにもな時代劇らしい王の孤独を感じるを感じる事が出来る。
ノクドゥが自分の出自について悩む間も、綾陽君の権力志向はとどまる事がない。ただ、身分が高ければ高いほど、権力に執着しなければ自分の命が危ないという面もあるのがこの時代の常。後半は、悩むノクドゥとドンジュの様子にほんの少し心を動かす様子をみせながらも、孤独な王である光海君には少しの同情も見せないあたり、頂点を目指そうとする者の孤独を感じさせる。
廃位となった光海君の時代でありながらも、ウェブ漫画原作故、史実と創作が自由に交錯するドラマだ。