「父親の作る鮭が一番美味しい」と鮭役人の父を尊敬し、ごくごく普通の青年が、突然、大名の跡継ぎだったと出生の秘密を明かされ、あっという間に小さい藩のお殿様になるものの、小さな藩は、借金にあえぐ今にも難破しそうな沈没船だったのだ。
主人公はらんまんの神木隆之介、その主人公の幼馴染はおちょやんの杉咲花、そして主人公の母親はあさが来たの宮崎あおい。さわやかなNHKの朝の香りがするメンバーによる大名家復活物語だ。
このメンバーが揃っているのだ。何か悪だくみがあっても、そこまで悲惨にならない事はよくわかる。悪役はいても、性根の腐った奴ではなく、お金と自分の事しか考えていないスケールの小さい悪人だ。
借金返済策と倹約策はいつの時代にも通じる方法で、割と地道で実直な方法。映画のどこを切り取っても可愛らしい笑顔が出てきそうな、健全で明るい借金返済物語だ。
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香港から日本に帰る機内で鑑賞。
【追記】2023.12.3
最近、フィルムコミッションという言葉を耳にするようになった。各地で映画やテレビドラマのロケ誘致が行われており、撮影地の手配に協力する公的組織がフィルムコミッションとの事。ファンがゆかりの地を訪ねる「聖地巡礼」や「ロケツーリズム」が地元を潤すからで、この作品のロケ地は村上市。