私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

静かなる海 Netflixオリジナルドラマ

2022-01-22 20:18:16 | 韓国ドラマ・映画

近未来。砂漠化が進み、飲み水も持っている身分証明書のランク毎に配給量が違う社会だ。

そんな中、宇宙学者だった経歴を捨て、今は動物を専門に研究する学者のジアンに、月で廃墟となっている研究所からあるサンプルの回収を行うというミッションのメンバーに加わるという話が持ち掛けられる。かつて彼女の姉は月の研究所で勤務し、そこで起こった事故で命を落としていたのだ。そんな曰く付きの研究所への出向くミッションに自分が選ばれた事を訝しがりながらも、姉の死に向き合いたいという気持ちからミッションに参加する彼女。

先鋭メンバーが選ばれているはずなのに、サンプルを回収するというミッションのはずなのに、メンバーに開示されている情報は限定的だ。彼らが搭乗していた宇宙船は不時着をし、苦労して着いた研究所内も事前情報とは違う状況だ。そして廃墟となった研究所内にはなぜか立ち入れない場所がある。

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姉の死の謎を解明したい学者を演じるのはペ・ドゥナ。ミッションの現場責任者である隊長を演じるのはコン・ユ。そしてドラマではコメディリリーフを演じるイメージが強いキム・ソニョンがコメディを一切封印して頼れる医師役を演じている。

彼らが月に行く前の様子、彼らを月に派遣する事を決めた責任者達の様子をはさみつつ、ドラマの殆どは月面の廃墟となった基地内で進む。基地内の電気が消え暗くなるたびに舞台が暗転し、場面も状況も刻一刻と変化していく様子を繰り返し見ているうちに、不思議な事に場面転換が多い舞台劇を見ているような気分に襲われる。

宇宙開発は壮大なミッションかもしれないが、国家同士の大きな権力闘争でもある事、資源の枯渇は生命の危機に繋がり、それは貧富の格差を更に大きくする不幸にも繋がっていく事。そんな背景を舞台にして、月で行われた事業に対する様々な思惑と隠蔽作業。

宇宙を舞台にした壮大なストーリーのはずなのに、メンバーは宇宙服を常に着用せねばならず、呼吸も身体の動きも制約が多く、大きな感情表現は非常に難しい。ちょっとした声のトーン、ヘルメットの下に隠れた視線の動きなど、演じる俳優達のちょっとした動きから現場の緊張感を感じなければならない。観ている方にもイメージを膨らませる努力がちょっと必要な感じだ。冷静な判断を下しながらも、姉の死に向き合おうとする学者を演じるペ・ドゥナ、地球に残してきた娘を思いながらミッションを遂行しようとする隊長を演じるコン・ユ。制約がある中で緊張感のある演技をする彼らの力量があってこそのドラマだ。

『静かなる海』予告編 - Netflix



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