御医としてファン貴人に近づき、彼女に自分の子どもを産ませてたのは、すべて大妃に復讐をするためだったのだ。なにも知らないウィソン君を謀反の仲間に誘いこみ、殺された息子の謎を解き明かすべく大妃が殺した世子の秘密を暴きたい王妃の思惑もあり、宮中に戻り事が出来た御医。とにかく初志貫徹だ。
宮廷での出来事を全部記録するという習慣に息子が殺された謎を解くカギがあると睨む王妃は、前王の息子である世子が殺された際の資料を探しだすものの、それを本来の目的に使う事が出来なくなる。同衾問題などなんとかして世子の妻であるチョンファのあらさがしをしたい大妃の口を封じるために、その資料を差し出す事にするのだ。
しかし大妃は、それを見ても驚く事もなく、「当然!」と勝ち誇ったような態度だ。王妃も「証拠が一つとは限らない」と負けてはいないが、王妃が当てにしていた書類は、王の友人から王の手元に渡ってしまうのだ。王がいわゆる謀反で王座についた事が判れば、また政局が不安定になる。それをよしとしない彼は王にその証拠となる書類を手渡す事で混乱をさけようとするものの、王にどこまでの決心があるのかも不明だ。
再び宮中に戻った御医の目的は復讐だけだ。自分を陥れようとしたファン貴人の父を殺害し、残るは大妃の殺害のみ。しかし大妃はそれを察知すると、彼が父とは知らないウィソン君に「彼を手にかければ、謀反の罪をなかったことにしよう」と甘いささやきで彼を惑わし、結局彼に父である御医を殺害させるのだ。
どこまでも自分で手を汚さず、人心掌握で権力を維持し続ける大妃。
しかし、大妃の時代は、最後の砦であり、決して崩れる事がないと思っていた王の苦渋の決断で終わりを迎えるのだ。臣下達は、政局の不安を訴えて王を説得しようとするものの「私の代で断ち切るしかない」と自らの手で大妃を幽閉することを決断。
この決断をするまで、どれだけ長い時間がかかった事か・・・
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王が何人もの後宮を持つのは、母体の安全を考えての意味もあるとの事。(科学的な避妊技術がない時代はこれがある意味最善の方法だったのだろう。)あまり時代劇に詳しくない私にとっては、正妻と後宮(後宮にも序列があるとは・・・)の駆け引きも面白かった。正妻である王妃を囲む会が定期的に行われ、(まるでちょっとした婦人会の集まりのようだ)PTAのように、息子たちを応援したり、裏で足の引っ張り合いをしたり。何でわざわざ会合を開くのかとも思ったが、一堂に会することでお互いをけん制する意味合いもあったんだろうか。
シュルプは傘を意味する古語との事。ドラマの序盤は傘をさすシーンでも小走り気味だった王妃。結局ドラマは最後まで大妃VS王妃の丁々発止が続き、皇子たちがいくら頑張ってもやや物足りなく感じられたのが残念だった。常に前のめりの王妃と裏の裏をかいて人をコントロールしようとする大妃が結局ドラマを最後まで引っ張って終了・・・