私はニュース番組で最後の場面が放送されたのを見ただけなので良く分からないのだが、朝、出勤の際に電車の中で見たネットニュースでは、中国人の関係者たちが観客席に集まり「ジャーヨー!ジャーヨー!(加油!加油!頑張れの意)」と無観客とは思えない盛り上がりだったと書いてあった。
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今はいったん小休止中なのだが、無謀にも中国語検定を受けようと準備していた時、過去問の長文読解の中に、中国人の卓球に関する複雑な愛情について書かれた文章があった。
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中国が勝つばかりで面白くないと感じるようになった卓球の試合。それが突然現れた日本人の少女が中国人の世界チャンピオンを破りアジア選手権で優勝してしまった事で、いたたまれなくなった中国の熱烈な卓球ファンたちの複雑な心境を語る事から始まるこの長文。
世界レベルで戦える競技が少なかった中で、ずっと世界チャンピオンを守って来た卓球。世界チャンピオンを中国人同士で戦うような状況が続き、皆が卓球に対するワクワクさを失くしていたところに、突然の日本人少女の出現で、ざわつく中国卓球界。男子チームも苦戦するようになり、中国人が自国の卓球に対する思いを再び語り始めるようになったという説明がなされていた。
勿論、何故中国が負けるようになったのかの議論もなされるのだが、この文章の主人公は「一方が常に試合に勝つようでは面白くない。実力が伯仲した決勝戦を待ち望んでいる」と言い、「どちらが勝った方がいいかと聞かれれば、中国を応援するが、同時に中国選手を破る力のある外国人選手も応援する。」と最後はとても綺麗にまとまっているのだ。
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私は試合を見ていないので何とも言えないが、昨日の試合を見守る中国側の心情は多分こんな感じだったのだろうと思う。
怒られるかもしれないが、是非この長文を中国の人にも読んでもらいたいと思う。