アウシュビッツ収容所のルドルフ・ヘスとその家族が住むのはその収容所のすぐ隣。
庭師が整備した庭は絵にかいたように整い、プールには木製の滑り台も設置されている。
満ち足りたような家族の日常が描かれる。有る意味、単調とも思えるストーリー。
彼らは無関心なんだろうか。
煙突からは24時間煙がたなびいている。
花が咲き誇る庭の向こうからは、かすかではあっても途切れる事なく叫声が聞こえ、乾いた銃声も聞こえて来る。
列車は毎日のようにやって来る。
壁の向こうから聞こえて来る低く鈍い不協和音が四六時中途切れる事はない。
彼らは隣で行われている事に決して無関心では無い。会話の端々に何が行われているか分かっていると思われる言動が見られる。
知らんぷり領域
見て見ぬふり領域
私は関係無い領域
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見ている間は「ホラー映画だ」と思ったのだが、本当に怖くなったのは見終わってからだった。不協和音が心の中で鳴りやまない。