中国と北朝鮮の境にある火山白頭山が噴火した事で火山性地震に見舞われる韓国。数年前から噴火のリスクを唱えていた科学者の「次々と起こる噴火の被害を最小限にするには、人工的に爆発を起こし溜まったマグマのガス抜きをする必要がある」という提言により、爆発のため北朝鮮の保有する核弾頭を秘密裏に使用すべく、特に戦闘経験もない爆発処理部隊が北朝鮮に向かうのだ。
潜入ミッションだけでも緊張感を伴うのに、核弾頭がどこにあるかを知る工作員を救出するという更なるミッションも課せられた爆発処理部隊。
ハ・ジョンウ演じる急ごしらえの部隊でリーダーを任された男性の頼りなさを、イ・ビョンホン演じる核弾頭の在処を知る北の工作員が補うという微妙なパートナー関係。北に潜入するまではややコミカルな感じも出しつつハ・ジョンウがストーリーを引っ張るものの、それにイ・ビョンホンが加わると緊張感+抜群のバディ感が生まれるのはなかなか楽しい。
後方支援としてソウルから指示を出す科学者を演じるマ・ドンソク。役柄故、スーツからはみ出しそうな肉体を駆使する場面はないものの、身体の大きさと顔面の圧を活かして動きの少ないソウルの場面に動きを生み出し、更に大統領の補佐官を演じるチョン・ヘジンも凛々しさを感じさせる佇まいで、後方支援の場面も北朝鮮の場面同様動きを感じさせる。
これだけでもお腹が一杯になりそうなエピソードが満載なのに、そこに地政学的あるいは戦略的な理由からアメリカと中国が介入し、更に爆発処理部隊の夫が北朝鮮に潜入した事を心配する身重の彼の妻の話も加わるのだ。
バラバラになりそうな話を、ハ・ジョンウ、イ・ビョンホン、マ・ドンソクそしてチョン・ヘジンがそれぞれ自らの見せ場を作ってストーリーを盛り上げ、ソウルでの地震の様子、荒廃した平壌の様子など凝ったCGで画面を盛り上げ、あり得ない展開のはずなのにパワフルな娯楽作になっているのだ。
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チラシには「世界 90ヵ国が激震!」と書いてあるが、これはちょっと盛りすぎだ。
白頭山(ペクトゥサン)という原題を「白頭山大噴火」」と漢字タイトルの邦題にしたのは、なんとなく分かる気がするが・・・
イ・ビョンホン×ハ・ジョンウ×マ・ドンソク『白頭山大噴火』日本版予告編
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