冬の学生寮で発見された少女の死体。それから5年後、当時の事が又学生たちの話題に上るようになり、その事について調査を始める生徒会の学生達。
学校を舞台にした推理小説ではあるけれども、推理云々より、気になった事が別にある。
『まだ何も成し遂げていないけれど、自分は何か出来るはず』と根拠のない自信とその自信故に不安を抱える少女の我儘な葛藤をどう考えればいいかという事だ。
子どもでもない。しかし俗世にまみれた大人とは違う。そうは思っているものの、段々と俗世にまみれた大人に近づいていることをどこかで怯えている少女。それを打ち消すために、様々な論理を繰り出し、多くを語り多くを否定していく。
それを若さゆえの葛藤と受け入れられるか。独りよがりの我儘としか思えないか。読む方もなかなか厳しい判断を迫られると思う。
私は、誰もが感じた学生時代の焦燥感とは簡単に片づけられない何か嫌な雰囲気を感じてしまい、あまりのめり込む事が出来なかった。
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ミステリーの中でもハードボイルド系が好きな私の好みではないということか・・・もっとこの小説の魅力を探し出せればと思ったのだが・・・やや残念。
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