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ヘジュとジュンド夫妻のニュースを見て、ヨンサンからわざわざソウルにやって来たヘジュの同級生スンヒは、会うや否や「人殺し」と声をかけ「兄さんを殺しておいて自分だけ改名し、こっそりソウルへ来て国会議員の妻として幸せに暮らしているなんて調子がいいわね」と言いたい放題だ。その様子は20年以上経ったという時間経過も感じさせず、逆に経った時間だけ怒りが増長しているようにも見える。何よりも息子が一番で、娘スンヒの事も心から愛せず、資産管理を任せているスンヒの夫の事も信頼できず、20年前から時間が経っていないスンヒの母。
ヘジュが表舞台に立つことを拒み、夫であるジュンドに改名した事実さえも打ち明けていなかったのはこんな理由からだったのだ。
ジフンの事があったとしても、ジュンドと結婚し娘もいて幸せな人生を歩んでいたはずのヘジュの人生がまたあっという間に崩れ去る。
「大人しく暮らしていた人の方が大きなトラブルを起こす」というジュンドの事務所のスタッフの言葉になんだか見ている私まで耳が痛くなる。更には妻の交通事故であっという間に国会議員に地位が危うくなるというニュースを見て、ますます追い詰められるヘジュ。もっと前に彼女がジュンドに打ち明けていればよかったのにと思うが、誰にも助けを求められなかったからこそ、一人こっそり改名し息を潜めて暮らしていたのだ。今更それを言っても詮無い事か・・・しかし一つ歯車が狂うと幸せだったはずの生活はどんどん軋んでくる。ジフンの子を身籠っているスビンは、失くしたリップの行方をヘジュが明かさなかった事で逆に彼女に不信感を抱くようになり、ジュンドにしっかりと仕えているはずのチャン首席補佐官の一つ一つの言葉も行動も全部に裏があるようで怖い・・・・(補佐官としてジュンドの地盤を引き継ぐつもりなんだろうか?)
暴行しようとし、更にはヘジュを馬鹿にしたような態度をとったスンヒの兄の態度が全ての元凶で、「ソウル大に合格した息子に免じて大きな心で対応して欲しい」と言ったスンヒの母の言葉がヘジュに訴える決心をさせたのにスンヒ親子の記憶は全く別のものに書き換えられているのだ。この出来事をまったくの第三者がどんな風に判断するのか・・・ここがこのドラマの一番のポイントなんだろう。自分の思いとは関係ない場所で、人生はオセロのようにあっという間に逆転する。
土地投機について調べている事にクレームを入れたのはスンヒの夫だったことで、スンヒに呼び出されたヘジュと4人で食事をすることになるが、ジュンドは厳しい世界で生きている政治家だ。様子がおかしいのはどんなに隠してもすぐにばれる。チャン首席補佐官に「夫として彼女を守るために調べて欲しい」と指示を出す彼。
スンヒは双子の兄の「ソウル大に合格した日にヘジュに手など出すはずがない。家族の言う事が信じられないのか」と言う言葉を信じ、スンヒの母の「彼女はお金が欲しくて嘘をついているのよ。」と言う言葉をも信じ、20年もの間「自分たちの関係がこんなになったのはヘジュのせいだ」と思ってきたのだ。そんなヘジュが高校卒業後いくらも経たないうちにジュンドと結婚した事で更に怒りを募らせる彼女。彼女に禊が必要だと思っていたのだろう・・・復讐は幸せに繋がらないと分かっていても復讐心が無くなる事はないのか・・・
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とにかく暗く怖いドラマだ。暫く間が空いてしまったのは、寒い時期に暗いドラマを見ると余計気分が重くなると思っていたからなのだが、再び見始めると今度は止まらなくなる。
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韓国ドラマでは、少し前の田舎町の様子を描く場面などで、ソウル大に合格した学生の為にと、地元の街に大弾幕が掲げられる場面が良く出てくる。そんな大弾幕が飾られている中で、自殺したスンヒの兄。確かにスンヒとスンヒの母が忘れられない事も良く分かる。