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このドラマの面白いところは、擬人化ならぬ擬企業化で、死神が集う場所を徹底的に企業形式で描いているところ。
企業にしてシステマティックにすることで、おどろおどろしい雰囲気を一掃し、さらにいくらシステマティックに描こうとしても人の命はそんな風に管理出来ないということが逆にはっきり分かったりするのだ。
ジュヌンが6か月のインターンとして勤務する危機管理チームは、自殺を未然に防ぐアプリを携帯電話で管理しているのだが、なんとその会社走馬灯のシステムがウイルスに感染して、誰が心に闇を抱えているのかわからなくなってしまう。対象者が化粧品会社に勤務している事が判ると、その会社にアルバイトとして潜入し、様子を見ながら自殺を防ごうとするチーム員たち。
会社が舞台になるということはやっぱりパワハラは避けて通れない。日本的に言ったら、昭和の時代でも眉を顰めるような軽口で女性社員を貶める男性上司がいる。まったくもってデリカシーのないその言葉と態度。
そんな中で、自分は自分の思うがままに生きていて大丈夫という感覚を失ってしまい、他人の期待に応えなければならないという思いに捕らわれ、自己肯定感を無くしてしまった女性を見つけ出すチーム員たち。
その彼女を一人で助ける事が出来たジュヌン。
彼女が自殺するためにネットでガスボンベを手に入れていた事を知ると、ネット上で困った人を助けるふりをして自殺者を食い物にしている輩がいる事に気づき、自分がそこに潜入して阻止しようとするのだ。
若気の至りで一人暴走するジュヌンと、その彼を厳しく指導するチーム長。もっとまがまがしい出来事なのだが、そのあたりはドラマ的演出もありつつ、でも考えさせるストーリーが続く。