前から呼んでも後ろから呼んでもウ・ヨンウという回文のような名前の新人弁護士。
海苔巻き店(キンパプ)を営む父と二人暮らしの彼女は、ソウル大学の法学部を出席で卒業した弁護士。自らの自閉症の症状を添付した履歴書を提出し、大きなローファームで働き始める彼女の最初の事件は、老夫婦の間に起きた悲しい事故だ。
認知機能が下がってきた夫の猜疑心に悩まされる妻は、思わずそばにあったアイロンを手にもって夫に立ち向かう。
夫は脳内出血で病院に運びこまれるのだが、その妻の弁護を担当するのだ。
一度読んだ本の内容を忘れる事がない彼女は、アイロンを手にした妻に「その時、ご主人を愛していましたか?」と何度も尋ねる。法律は「その時の気持ちが大事なんです」という彼女。そして、夫が倒れたのは本当に妻が手を挙げたからなのかを証人尋問で明らかにしようとする。
二つ目の「挙式中にドレスが脱げてしまった事に対する補償事件」では、ドレスを提供したホテルを相手に新婦の父が裁判を起こす。
パラリーガルのジュノとホテルの状況調査に乗り出すヨンウ。同僚から口伝えでキャラクター設定を伝授されると、嬉々として新婦のふりをして調査に臨む彼女。
経験は浅くとも、法律を熟知している彼女は「この事件の争点はこれです」と弁護士の経験値からはじき出される争点とは全く違ったものを持ち出して弁護を進めようとするのだ。
常識にとらわれず、しかし、きっちりと依頼人が有利になる争点を持ち出し弁護を進めようとする彼女。
この争点の導き方が、法律になんの知識もない素人の私には面白く、更にこのウ・ヨンウというキャラクターが、自分なりに皆の日常生活に溶け込もうとし、苦労しているのも伝わってくる。更にそれ以上に自分の力を信じ弁護士の仕事に楽しんで取り組もうとしているのも伝わってくる。
いつも心の中に愛らしいクジラの姿を抱いている彼女。油断すると口から出てしまうクジラ愛を止める術を知らない彼女・・・クジラは韓国語でコレ。コレはクジラ・・・絶対に忘れないと思う。