のらりくらりとしていた役人イギョム(演:キム・ミョンス)が、大抜擢(?)を受けて役人を罰する暗行御史(アメンオサ)となり、大活躍するという痛快時代劇。どこの国にも、悪徳商人と手を組んで私腹を肥やす悪徳代官がいるのだ。当然征伐対象ということで、そこで出動するのがこの暗行御史(アメンオサ)。
自分の身の回りの世話をしてくれるチュンサム(イ・インギョン)や、自分の右腕となって働いてくれるダイン(クォン・ナラ)とともに、役人が民衆から甘い蜜を吸おうとしているのを阻止するのだが、役人側も罰されないように必死。一つ問題を解決すれば、また別の地方で問題ありと、身分を隠しながら各地を旅して役人の悪巧みを解決していくという旅物語的な要素もあるストーリー。
イギョムには弟との仲違いによる心の傷もあり、ダインには裏切り者として亡くなった父の死の謎を解明したいという思いもある。
更にこの暗行御史(アメンオサ)という任務は、王直轄の任務でありながらも地方を回りながらの激務でもあり、余りありがたく思われていない様子。
奴婢を人とも思わない取引対象にする人身売買もあれば、ケシから薬を作るという麻薬捜査官的な話もある。(このあたりには、時代劇でありながらも、現代にも通じるような味付けがされて再現されている。)
イギョムとチュンサムはぼやきながらも真面目に取り組み、更に時々二人に檄を飛ばすダインの凛々しさも加わって激務を乗り越える三人。深刻な問題も多々あれど、適度にまじめに、適度にユーモアを交えて役人の小賢しい行いを成敗していく楽しい旅行記になっているのだ。
男性二人と女性一人という3人組の定番の組み合わせ。特にクォン・ナラ演じるダインのいわゆるじゃじゃ馬ぶりは、今まで彼女が演じた役柄とはまたちょっと違った感じだが、キャラクター設定がきっちりしているので、女性らしい容姿の彼女が演じても違和感がない。更に時にぶつかり合うイギョムとダインの間に入るチュンサムの適度に力の抜けたキャラクターが、程よいのんびりさを生み出している。
キャラクターが活き活きするとこんな風にドラマも楽しくなるのだ。