BLACK SWAN

白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

モーレツ宇宙海賊 第26話 『そして、海賊は行く』

2012-07-01 18:34:43 | Weblog
とうとう最終回を迎えたモーパイ。
ホント、毎週楽しみにさせてもらった。
実際、満足度の高い物語で、非常に良かった。

・・・という具合に、基本的にモーパイは素晴らしい、と思っていることを先に言った上で、じゃあ、今回の最終回はどうだったか、というと、ちょっと残念なことに、想定していたほどには盛り上がらなかった。期待していたほどのカタルシスがなかった。

簡単にいうと、不完全燃焼。

あと、、いくつか、それでいいの?と疑問に思うところもあったりして。

決してつまらないとは思わないけど、もっと面白くできたんじゃないかな、と感じたのが正直なところ。

繰り返すけど、あくまでもシリーズ全体では、超満足!と感じている上でのこと。

一番気になったのは、白凰ヨット部がほとんど出ず、そのため、彼女らの活躍がなかったこと。それは決戦に参加したチアキについてすら当てはまることで。だから、前々回のように、チアキが弁天丸にやむなく乗船していて、茉莉香についていかざるを得ない、という状況がうまく作れていたらよかったのに・・・ということ。

要するに、最終回を茉莉香と対峙させて終わらせるには、クォーツという相手に茉莉香の好敵手という印象をもつことができなかったことが、カタルシスがなかった最大の理由。

前回の話を聞いても、クォーツがどうして海賊狩りをしているのか、そして、茉莉香らのような私掠船免状をもった海賊たちに不満を持っているのか、あまりよくわからなかった。

大体、茉莉香たち海賊はチームを組んで当たっているのに、クォーツは、結局、「ぼっち」で対戦してるだけで。なんか、見てるほうが切なくなってくる。

というか、鉄の髭、ちゃんとクォーツ取り押さえろよ、女王の?命なんだろ? とかね。

グランドクロスが凄いのも、単に、銀河帝国?だっけ、そこの技術が茉莉香たちの星系の技術よりも何世代も進んでいる、ということだけが強調されるだけで。でも、今まで、銀河帝国のことって大して説明ないじゃん、それこそ、最初にミーサの紙芝居があっただけで。

で、その「ぼっち」のクォーツが駆るグランドクロスに、せっかく茉莉香が意を決して臨んだはずの白兵戦も、相手がタダのロボットじゃあねー。迫力にかけることこの上ない。そこで、取ってつけたように、おっさんの海賊たちのトンデモ技能を突然見せられても、なんだそれ?ぐらいにしか思えない。

何が言いたいかというと、

せっかく中盤まで作った茉莉香を巡る弁天丸や白鳳の人間関係が全く生かされていなくて、

加えて、

新たに出てきたクォーツや海賊たちの背景説明が殆ど無いから、タダのドンパチをやっているだけにしか見えなかった、

ということ。

今、思うと、オリジナル脚本は、20話ぐらいからだったようだから、例のネビュラカップは、白鳳に焦点を当てるターンで、海賊狩りの方は弁天丸に焦点を当てるターンだった、ってことだと思うけど。

でもなー、最後はやっぱり、白鳳の面々も一枚かむ形で物語を進めて欲しかった。

もっとはっきり言えば、おっさんの海賊たちなんか、あんなに喋らせる必要はなかったよ、と思うだけ。チアキのオヤジぐらいが動けばいいくらいで。

要するに、海賊狩り編は、期待は高かったけど、やぱりとってつけた感が強かったってこと。

それは、鉄の髭についてもそうで。

いや、鉄の髭はきっとゴンザエモンなんだろうなぁ、とは思っていたけど、それを、グリューエルとの会話であんなにあっさりバラすこともないだろうに、と思って。

少なくとも、劇場版があるなら、その可能性を匂わす程度でよかったんじゃないかと。

もっといえば、パラベラムが最初に出た時、自分の姿を投影しているわけだから、仮面をかぶっているとはいえ、弁天丸のクルーは、あれー、あいつ、どこかで見たことあるなー、くらいの反応を見せて当然だと思うのだよね。

そのあたりは、要するに、中盤まではいろいろと細部の整合性を考えた脚本だったのに対して、粗が目立ちすぎて。これって、モーパイなのかなー、ってね。

海賊の巣、に着いたあたりから、あれれ???という展開が多かった。

結局、戦闘シーンで胸熱だったのも、グランドクロスと弁天丸がサシで当たったところで。

それに比べると、最終回の戦闘は盛り上がりに欠けた。

唯一笑えたのは、クーリエの「学生注目!」って掛け声のところw
あそこは、笑えたけど。

全体として、茉莉香の成長した結果、つまり、古参の海賊たちをいきなり仕切ってしまえる、統率力を示すってことが目的だったのだろうけど、でも、その、茉莉香のもつ、男前wのリーダーシップや思い切りの良さは、それこそ天性の才能として、第一話から既に示されていたことで、その才能自体は、海賊になったことで成長したものではない。

だから、彼女の統率力を示しても、成長を示したことにはならないんだよね。




・・・ということで、正直、最終回は、期待していたほどの出来ではなかった。

でも、ホント、繰り返しになるけど、モーパイはシリーズとしては、ホントに面白かった。

中途半端なエロも百合も萌えもなければ、
半端に刷り込まれた政治的主張もない。
いやらしい人間のエゴや、醜い争いもない。
アニメやラノベへのナルシスティックな自己言及もない。

非常にすっきりした構成だった。

茉莉香が海賊になるまでをじっくり描いた5話までの展開は、ホントによかった。
その後の、弁天丸クルーとのやりとり、
グリューエル、グリュンヒルデとの若干駆け引きのあった物語、
部長とリンの無茶に付き合う、白鳳海賊団w

どれもこれも、とても面白かったし、素直に楽しめた。

要するに、とても心安らかに、安心して見ることができた。

『ちはやふる』の時にも思ったけど、こういう真っ直ぐな物語をもっと作って欲しいな。

ということで、モーパイのスタッフの皆さん、ありがとう!

劇場映画はもとより、是非第二期も!

今まで同様、丁寧な物語展開を期待しています。

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