BLACK SWAN

白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

アンデッドガール・マーダーファルス 第13話 『犯人の名前』 感想

2023-09-28 15:25:59 | 鳥籠使い
うーん、ものすごい駆け足だったねぇ。

冒頭の、鳥籠使い、バンケット、ロイズの三つ巴の戦闘とか、完全にダイジェストw

おまけに画面が暗くて何をしているか、ほとんどわからない始末。

まぁ、戦闘自体は、本筋である謎解きに花を添える余興のようなものだから(まさに前座!w)、それほど拘る必要もないのだけれど。

でもなぁ、ヴィクターの戦闘はちゃんと描いてほしかったなぁ。

彼が完敗の瀬戸際にあったからこそ、津軽の助っ人がマジで活きたわけで。

そのことに本当に感謝したからこそ、津軽にあれこれバンケットの情報を流してやった、という流れなのが、そういう機微が伝わらない作りになってしまった。

一方、静句vsカミーラの方は、なんていうか女性どうしで睦み合う場面が妙にソフトで比喩的な表現で描かれて、無駄に力が入っていたりして。

ちょっと重点をおくところ、違うんじゃない?って思ったけど、でもまぁ、映像にするとああなっちゃうんだろうね。

で、駆け足で戦闘を終えたあとに肝心の鴉夜さまによる謎解きだけど、これもやっぱり、映像でやるとたるいよね。

別にこの作品に限らず、推理小説ものをアニメにすると常に生じる謎解き場面の退屈さ。

『虚構推理』のときにも思ったけど、謎解きの場面がとにかく、ラジオの朗読ドラマみたいになってしまって、なまじ映像がある分、謎解きのポイントが分かりにくくなってしまう、という。。。

ただ、今回の場合、鴉夜さまの真相究明は、ノラの動機の部分で滑ってしまっていて、そここそが人狼村編の面白いところだったのだけど、あまりよく伝わらなかったよね。

原作3巻の感想でも書いたように、要するに、人狼の完成体を目指すために、人狼村の娘たちは「巫女」という名で、本人の意志とは関係なく村の不特定の男性と性交を強要されるわけで。

要するにレイプ。

そんな集団の利益を重視して、個人の尊厳を平気で踏みにじる人狼村の慣習に腹が立ってノラは一連の殺人を行ったわけで、つまり、種の強化とかいって望まぬセックスをさせる村の因習に対して怒りをぶつけていたのだけど、そのノラの怒りとか恨みとか悔しさとか、そういうものが全く伝わってこなかったよね。

冒頭であんなにカーミラの血による睦み合いを描くくらいなら、ちゃんと村の生娘たちがいきなり成人男性に犯されているところこそ、マイルドに描けばよかっただろうに。

というか、そのような因習になんらおかしさを覚えなくなっている人狼村そのものに対して、ノラは怒りをぶつけていたんだけどね。

そういうノラの逡巡が全く描かれなかったのは残念だった。

まぁ、それが難しいのはわかるんだけどさ。

でもだからこそ、最後は原作通り、そうして人狼村を抜け出したノラがロンドンの街の物珍しさに笑みを浮かべているところを描いてほしかったし、そのロンドンで、彼女がルパンとファントムに出会う場面まで描いてほしかった。

そうすることで、ノラははじめて人狼村の呪いから抜け出すことが出来た・・・ってオチだったはずだから。

ということで、なんていうか、言い古されたことだけど「メディアの違いを理解せよ!」ってことで、もう少しだけ、原作が文章で表現していたことの意図をくんで、必要な表現を補ってほしかった。

でも、繰り返しになるけど、推理小説という形態が、アニメには鬼門だ、ということだよね。

今思い出したけど森博嗣の『すべてがFになる』もアニメはひどかったからね。

そういう意味では『化物語』は巧いことやってたなぁ。

あれは西尾維新の戯言と、全盛期のシャフトだからこそ可能だった、一種の奇跡だったんだな、と思ってしまったw

とまれ、『アンデッドガール・マーダーファルス』については、事実上、原作を使い尽くしてしまったので、続きがあるとしても原作が溜まってからのことだから、完全に予定は未定だねw

その意味でもちょっと中途半端だったかなぁ。

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アンデッドガール・マーダーファルス 第12話 『流れの交わる場所』 感想

2023-09-21 17:51:46 | 鳥籠使い
ようやく津軽たちとヴィクターが接触。

ロイズを含めた三つ巴のなかで、当面、どこと組むのが適切か、というだけのやり取りだけど。

でも、ヴィクターはちょっと違う。

その意味では、ヴィクターと接触するエピソードを外してしまったのは、ちょっと痛かったかも。

原作の1巻で扱われたように、バンケットに合流する前の時点で、ヴィクターが鴉夜さまたちと出会っていたエピソードがあったからこそ、仮初めの協力関係を築くことが出来たのだけど。

まぁ、一応、見れてしまうけどね。

やっぱり全体的にアクション描写に力点を置くようになってしまったので、この人狼編は、原作3巻で感じたような探偵ものとしての面白さが霞んでしまっている。

絵で見せると映さなくてもいいところまで描かなくちゃいけないからなのだろうな。

難しいなぁ。

ともあれ、この作品も次回で終了か。

やっぱりこういうのはテキストで読む方が面白いな。

逆にアニメはその原作読みを促すダイジェスト版って感じでしかないのがなぁ。

オリジナルで劇場版クラスの100分もののエピソードでも作ってくれると面白いのかもしれないけど。

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アンデッドガール・マーダーファルス 第10話 『霧の窪地』 感想

2023-09-07 18:26:52 | 鳥籠使い
面白いんだけど、やっぱり小説のほうが自分のペースで楽しめるんだな、ってのを再認させられた。

これは、最後まで行ったところでまとめて見たほうがいいのかもw

鴉夜さまによる推理の口上の部分は、前回からの連続でないと、いくら原作を読んでいるとはいえ、ちょっとピンとこないw

その結果、絵的に面白いのは、アリスたちロイズとの乱闘シーンってことになってしまうw

つくづくアニメは動きなんだなぁ、と思う。

そういう意味では3巻の人狼編は、ちゃんと推理小説してる分、状況の解釈のところが重要だけど絵的に動きがなくていささか退屈になってしまう。

ていうか、やっぱり文字で読んでる方が、意味のまとまりで情報を理解するから、しっくり来る。

それを全部口頭で説明されると、ちょっと気を抜くと、セリフに置いてけぼりにされてしまう。

難しいよねぇ。

いっそのこと、実写や演劇をやっている人が絵コンテに落としたほうがいいのかもしれないけれど、それだときっとアニメ的に厳しい(カロリーの高い)映像になってしまうのだろうなぁ、と思ったりw

あと、今回、一箇所、明らかに映像にした結果、ネタバレになっていたところがあったのねw

風貌とか顔色とか表情とか、そういうのは絵にすると一発でわかっちゃうよねw

ホント、難しぃなぁ。

そう思うと『虚構推理』の2期って、だいぶ頑張ってたんだなw

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アンデッドガール・マーダーファルス 第8話 『夜宴』 感想

2023-08-24 10:03:32 | 鳥籠使い
原作2巻がこれで終了。

やっぱりちょっと駆け足気味な印象は拭えないのだけど。

ただ、あ、なるほど、この時に、鴉夜さまの不死性が人為的につくられたものだというのは、モリアーティ教授が指摘していたことを思い出させてくれたのはよかった。

となると4巻の感想で書いたように、その鴉夜さまの不死性を解明していく技術がこの後、登場する偉人たちによって試みられていくのだろうな、とw

人狼についても同様の結果が、モリアーティ教授の研究で出ていたりしてw

なんたって、夜宴にはフランケシュタインもいるからねw


ということで、次回から早くも人狼編か。

これ、3巻までアニメにしてしまうのだろうけど、そのあと、どうするのだろう?

こうなると早く5巻を出して欲しいところ。

意外と、人狼の細胞をジャックに入れたらおかしくなっていた、だったりすると面白いのだけどw

なんでも混ぜればいいってものではない、ってね。

まぁ、そうはならないのだろうけどw

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アンデッドガール・マーダーファルス 第4巻 感想: 世紀末怪奇譚ミステリーとか思いきや、まさかの超未来技術に基づく時間SFへの旋回に超ビックリ!

2023-08-23 13:58:46 | 鳥籠使い
ロンドンをふらつく人狼ノラが、ルパンとファントムと遭遇して終わった前巻

その続きの事件が始まるのかな、と思っていたら、この4巻は短編集、それも一種の連作短編集だった。

内容は、鴉夜、津軽、静句、三人のバックストーリー。

その前後に、鳥籠使いの3人が、欧州に出立するまでに解決したのっぺらほうの話と、欧州に来てそうそう?解決した人魚裁判の話がおかれる。

前者では西洋の妖怪と日本のおばけに通じた小泉八雲が登場し、後者では、鳥籠使い一行の準メンバーであるアニーと出会う。

そんな感じで、要するにこれまでの3巻を補う話が5編記されていた。

といっても、やっぱり読みどころとなるのは、真ん中に挟まれた鴉夜、津軽、静句それぞれのバックストーリー。

この3つは完全に「アンデッドガール・マーダーファルス“ゼロ”」って感じの、特大級の設定バレ話。

何に驚いたかって、やっぱりそれは鴉夜がどうやって「不死」となったか、を描いた

「輪る夜の彼方に流す小笹船」

の一篇。

もうツッコミどころ満載だよw

鴉夜の師匠が蘆屋道満というのも驚きだったけど、でもまぁ鴉夜が御年950ウン歳というのだから、そりゃ、陰陽師だよな、やっぱり、とは思った。

でもね、その道満師匠が、まさか「80万3千年」後の未来からやってきた未来の科学者だとは思ってなかったよw

え、未来人なの?

未来の技術で鴉夜は「不死」になったの?

いや確かに途中で道満が「ポリマー」なんて言葉を発していたから、へ?とは思ってたけどさ。

でも、80万年後の未来かよw

しかも、どうやら道満をこの平安時代に送り込んだ相手が鴉夜本人のようなんだよね。。。

まぁ、そこは明確にそうだとは書いてないから、もう一捻りあるのかもしれないけれど。

でもとにかく超未来技術で鴉夜は〈不死〉となったというのだから、もうこれ、怪異譚じゃなくてSFじゃん。

しかも、思い切りタイムバラドクス含みの時間SFじゃん。

・・・って、マジで驚いたのだった。

だって、それだともうこの作品世界の「怪物」の出自自体が怪しくなってくるじゃない。

だって、その超未来技術で作られた、いわば人工の怪物〈不死〉を殺せる、つまり機能停止させることのできる〈鬼〉が、天然の怪物であるはずないじゃない。

きっと〈鬼〉にしても道満のように未来からやってきた科学者が作り出した存在に相違ないでしょ?

だとすると、他の怪物にしても天然物とはいいがたくなる。

そう思うと、3巻に登場した人狼が、種族を通じて個体の性能を上げていき無敵の「完全個体」を目指すというのも、種の進化の実験のために用意されたのが人狼だったと思いたくなってしまう。

ていうか、世界各地に存在する怪物そのものが、未来人からの襲撃にすら見えてくる。

まぁ、これはまだ完全に憶測というか妄想でしかないけれどw

ただ、とにかく鴉夜については、人工的に作られた怪物であったことは確かで、その存在のあり方に時間SF的背景があったのも確か。

ていうか、だから「輪堂」なんて姓だったのね、と。

輪廻に準じる名前だった。

どこかで、このSF設定に触れられることがあるのだろうか?

ただそれにしたって、時間SF的状況を理解できるまでに物理学が進んだ未来にならないとそもそも仮説すら立てられないわけで、となると明治末期という設定はいかにも古く、津軽たち一行じゃ、そこまでいかないか。。。

・・・と思いながらも、でも、時代的にはむしろ量子力学や相対性理論の誕生期の20世紀初頭も近いわけで、となると、物語の終盤には、プランクやボーア、さらにはアインシュタインも登場して、鴉夜さまの不死の秘密に迫るのかもしれないw

まぁ、それまでに何巻必要になるかはわからないけれど。


とにかく、鴉夜様の不死の秘密にはびっくりだったよ。

それに比べれば、津軽と静句のエピソードは、もっと二人の個人史にまつわるもだったのでだいぶおとなしいものだったけど。

でも、モリアーティ教授と切り裂きジャックによって、津軽が半人半鬼になった一件を描いた「鬼人芸」を読むと、津軽がうちに秘めた無念がよく分かる。

これまでも何度か触れられていた、津軽が属していた鬼狩りの〈第六班〉が、モリアーティ一行によって全滅させられたのだから。

しかも、鬼化実験の被験体として隊長だった荒屋苦楽を除いて全員が発狂死したようなものだから。

津軽は今までモリアーティ一行に対して自らの復讐心をあらわにしたことはなかったけれど、内心、仲間の無念を果たしたいという思いは強いのだろうなと感じた。

だから、鴉夜の半身を取り戻した後、いわば鴉夜との契約を果たした後、津軽がどんな行動に出るか、というのも今から楽しみでならない。


そんな津軽の秘めた復讐心と比べたとき、静句の覚悟を記した「言の葉一匙、雪に添え」は、鴉夜さまラブだった静句にかけられた呪いの話だった。

こちらの一篇は、基本的に鴉夜が生首だけにされた一件の一部始終が描かれたのだが、その過程で静句の実家である馳井家の様子も記されていた。

簡単に言えば忍者の家系だったわけだけど、そこで400年近くともにあった鴉夜は、静句にとってはもう完全に崇高の対象であり、恋愛の対象であり、とにかく全てだった。

問題は、その鴉夜に対する想いをまさに口にした夜に、モリアーティ一行の襲撃を受け、鴉夜は生首だけの存在になってしまったこと。

つまり、静句の主観では、自分がそのような主に対する独占欲を示したからこそ天罰が生じてしまったわけで、そのことをなにより静句は悔いている。

要するに自分が不埒な想いを示したからこそ、鴉夜は生首だけになってしまったと思い込んでしまった。

しかも、その直後には、ともに永遠にありたいと思った鴉夜から「殺してくれ」と願われてしまった。

主君への忠誠心と、想い人への恋慕が完全に交錯してしまう悲しさ。

静句は静句で、こうして思い違いから勝手に自ら鴉夜の一件に対して十字架を背負ってしまった。

自責の念の塊であるだけに、これはもう静句本人がみずからを許さない限り下ろすことのできない重荷となってしまった。

なので、静句にとっては、物語の最後で、そうした自ら課した枷から開放できるのかどうかが、鍵になる。


・・・という具合に、この4巻はとにかくもう内容が濃くて困ったw

読み終わってむしろ気になったのは、こうした鳥籠使い一行の設定情報の解禁が次巻以降の展開にどう絡んでくるのか、というところ。

さっきアインシュタインの名前を出したけど、19世紀末から20世紀初頭の時代は、近代科学が思い切り進んだ時代で、その分、偉人伝には事欠かない時代なので、これからどんな偉人が登場して、物語をかき乱してくれるのか、楽しみでならない。

またちょっと思いついたら別途追加の感想を書くかもしれないけれど、とりあえず今はここまでw

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アンデッドガール・マーダーファルス 第7話 『混戦遊戯』 感想

2023-08-17 15:32:21 | 鳥籠使い
「混戦」ということで、ようやくバンケットの怪物たちが参入したのだけど、今回は、アレイスターとカーミラのお披露目どまり。

本命である、赤鬼・切り裂きジャックの登場は次回。

それに、因縁の二人であるホームズとモリアーティの再会も次回。

ということで、次回が山場だね。

肝心のダイヤの強奪については、なんだかさらっと終わってしまった。

一応、原作だと、ルパンがダイヤをどうやって盗み出すか、というのは、中盤の見せ所だったのだけど、後のアクションのほうが大事だからか、あっさり終わってしまった。

これだとルパンがただの狂言回しにしか見えないのが残念。

ダイヤの強奪では、ちゃんとルパンはルパンらしくかっこよく盗み出したはずなんだけどね。

そのあたりの、推理まわりの描写は小説で読む方が、やっぱりグッとくるものがあるよね。

まぁ、アニメはアクションに注力したってことで。

なので、次回の、青鬼津軽と赤鬼ジャックの、試作品VS完成品の対決に期待!

しかしこの分だと、次回で原作の2巻は終わりで、9話から順当に原作3巻の人狼編に行くってことだな。

そちらのほうも楽しみだな。

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アンデッドガール・マーダーファルス 第6話 『怪盗と探偵』 感想

2023-08-10 17:03:10 | 鳥籠使い
原作を読んでいるときも思ったけど、この作品のホームズ、場律の使い手だからかもしれないけど、どうにも武闘派すぎて困るw

いや、そりゃ、確かに鍵がなくなれば、どんな鍵でも開けられると豪語したルパンもお手上げかもしれないけれど。

でも、それにしたって、これはどうなのだろう?

ただの頓知合戦でしかないw

ホームズというよりも一休さんだよ、これじゃw

それに、ビー玉拳法?の使い手のルパンも、肝心のビー玉を実際に絵で見せられるとしょぼいなーと。

あの津軽との戦闘場面は、もう少し見せ場があったと思っていたのだけど、あっさり終わったなぁ。

なんていうか、同じく講談社タイガの『虚構推理』のときも思ったけど、推理小説や探偵小説を映像にすると、やっぱりなんかしょぼくなるよね。

多分、文章で読む時に感じる外連味とかが、映像にすると情報量が増えた分、なんか薄まっちゃうんだろうね。

映像にするとどうしてもアクションのほうに力点がおかれてしまうから、それ以外の場面がサクサク進められてしまって、ちょっと残念。

今回でいえば、鴉夜様の苦難は、もう少し笑えるところがあったはずなのだけど、そういうところは全部すっ飛ばされていた。

あと、ロイズのエージェントが見るからに小物扱いされた描かれ方になっているのもちょっと。。。

タメがない映像はあまりにも淡白すぎて。

もう少しだけ画面に淀みのあるすごみがほしいかなぁ。。。

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アンデッドガール・マーダーファルス 第5話 『倫敦の不死者』 感想

2023-08-03 17:27:13 | 鳥籠使い
今回から原作第2巻のルパン編の始まりなわけだけど、とにかく次回には事件を起こさせたかったようで、いろいろとダイジェストでサクサク進められてしまって、ちょっと残念。

特に、ホームズと鴉夜たちの出会いのくだりが、さすがにこれはないんじゃない?ってほど、淡白なやり取りで終わってしまった。

その分、滑稽さも吹っ飛んでしまって。。。

なので、気になる人は、是非、原作の第2巻を読むのを勧める。

絶対あちらのほうが面白い。

どのセリフにもちゃんと掛け合いの妙があるので。

あとは、とうとうロイズのエージェントも登場したのだけど、こちらは完全に期待外れ。

もっとクレイジーな保険屋をイメージしてたのだけど、ただの変人でしかなかった。

少なくとも、もう少し怪物を嫌悪する姿を気色悪く描いてほしかったかな。

一応、第三勢力として鴉夜たちの前に立ちはだかるウザい人たちなのでw

そういう意味では全体的に思ってたよりも地味だった。

1話のようなケレン味がすっかり鳴りを潜めてしまったのは残念。

こうなると事件が起こってからの攻防に期待するしかなくなるのだけど。

さてどうなるか。

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アンデッドガール・マーダーファルス 第3巻 感想

2023-07-27 17:14:59 | 鳥籠使い
2巻よりも厚くて、全部で470頁もあったけど、読み始めたら一気に読み切れた。

やっぱり、面白い。

もちろん、一気読みできたのは、すでに2巻で、今回の目的である人狼の村への到達がはっきりしていたのと、主要なキャラがすでに2巻で紹介済みで、途中彼らの間でかわされる軽口によって、面白おかしく状況が描かれていたから。

なので、単純に読みやすさ倍増!って感じだった。

あとは人狼の街と人間の街で対になるように若い女子の殺害事件が続いたことで、ミステリーとして殺人事件の状況把握もしやすかった。

で、今回は、2巻と違って、探偵は鴉夜ひとりになったのも、無駄に推理合戦にならなかったのも良い。

ホームズは序盤であっさり消えたし。

それから、モリアーティとジャックという、〈夜宴〉の頭脳と最大戦力がともにお休みだったので、その分、現地での〈夜宴〉との対戦が拮抗したのもよかった。

要するに、津軽たち〈鳥籠〉と〈夜宴〉、そしてロイズの三つ巴状態のバランスが良くて、最後までハラハラさせられた。

最後の鴉夜による「事件の真相解明」にしても、犯人の本当の真意に鴉夜が最初は気づけなかったというのが、逆にことの重大さを強調できた。

そりゃいやだよね、最強人狼の誕生のために、強制的に交尾させられるのは。

たんなるブリーディングでしかなく、単純に公認レイプでしかない。

その要素を最後まで取っておいたのは、犯行の動機の上で納得がいった。

そういう意味では、千年近く生きてきた鴉夜だからこそ説得力のある情状酌量だった。

真相究明と正義の実現は別物だと感じた。

下手をしたら、鴉夜がいたことで、少女に対する虐待からの脱出が妨げられていたかもしれないところだった。

それでは、さすがに〈鳥籠〉一行も寝覚めが悪くなるところだった。

まぁ、最後にはなんとか帳尻を合わせることができたのだけど。

途中、犯行のトリックについては、いくつか、それはちょっと都合良すぎでは?と思うところもあったけど、そうしたアラも、隠された犯行動機のインパクトでうまくごまかされてしまった気がするw

ともあれ、ミステリーとしても、怪異譚としても、冒険譚としても、アクションものとしても及第点を超える面白さだったw


それにしても、最後、人狼の悪習から解き放たれて晴れて自由の身になったノアが、まさに「犬も歩けばなんとやら~」のノリで、まさか、ルパン&ファントムと遭遇し、多分彼らの下に身を寄せることになるとは思ってなかったw

人狼の究極である〈終着個体〉に最も近いノアが加わることでルパン組は大幅な戦力増強になって、これでようやく、〈夜宴〉や〈鳥籠〉と伍していける。

あと、これはどうでもいいけれど、ルパン組はキャストが、ルパンがマモー、ファントムが下野、ノアがまあや、と、ちょっとヤバい組み合わせでしょw 今から掛け合いが楽しみだねw

それにしても、ホームズ組やロイズも含めて、もはや互いに因縁のある者ばかりで続きが楽しみでならないw

今回の津軽とヴィクターのように、陣営は違えど奇妙な友情的信頼が生まれているところもあるしw

ざっと並べるだけでも、

津軽vs切り裂きジャック
同じ半人半鬼の怪物どうしで、いわば、青鬼(津軽)vs赤鬼(ジャック)という感じ。しかも、鬼化実験の経緯からすれば、津軽はジャックのための実験体、すなわちプロトタイプだった、ってことで、これはよくある「零号機vs終号機」の対決だから、シリーズの完結直前までのお楽しみ、ってことになりそうw

静句vsカーマラ
すでに2戦やらかしてる、極めてわかりやすい因縁同士w

静句vsノア
人狼の里で、ノアは静句の入れたお茶が大のお気に入りだったようだから、仮に二人が対戦する段になったら、どんなケミストリーが起こるのか、わからないw 
ていうか、むしろこの二人が鍵になって、〈鳥籠〉組とルパン組の共闘もありそうw

ホームズvsモリアーティ
いわずもがなの永遠の因縁。
ただし、どうも津軽は、モリアーティとジャックの師弟関係を疑っているようで、実は、ジャックこそがモリアーティを操っているということもありそう。
その場合、ホームズこそがその秘密を暴く探偵となるのかもしれない。

ホームズvsルパン
これも永遠のライバル。
ただどちらも作中切っての「紳士」なので、紳士同盟が組まれる可能性もなきにしもあらず。特にVSロイズ戦において。

鴉夜vsジャック
最も因縁の濃い相手。

津軽vsヴィクター
むしろ、すでに微かな友情が芽生えている気すらするw

カーミラvsアリス
今回、〈夜宴〉に拉致られたロイズのアリスがどうなるのか。あのままカーミラに血を吸われて絶命したのか、それとも、意外と〈夜宴〉の仲間になるのか。


そういえば、途中でちょっとだけでてきた、モリアーティが「ジキルとハイド」関連の事件に関心を持っていたのも気になる。

普通に考えれば、続刊で「ジキルとハイド」事件が取り上げられそう。

なんたって世紀末ミステリーの街ロンドンだからねw

とりあえず、読破直後の感想はこんな感じ。

また気づいたことがあったら書くかもw

いやー、それにしても面白かったw

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アンデッドガール・マーダーファルス 第4話 『真打登場』 感想

2023-07-27 15:39:26 | 鳥籠使い
ゴダール家の殺人事件の解決については、すでに原作1巻を読んでいたので、推理そのものよりも、映像的な演出の部分に目が行ったかな。

蝋燭の火が消えるのと、犯人の要件の説明を合わせるところとか、なるほどねー、と思った。

文章だと淡々と説明だけで済むけれど、映像にしたら何らかの動きを与えないとつらいからね。

ただでさえ、鴉夜が生首でボディランゲージが使えないから。

そういう演出はミステリードラマっぽくてよかった。

津軽が、ガキの吸血鬼を圧倒するところもお約束だけど、納得。

最後の「四度あることはゴダール」は、字がないと逆にわかりにくいねw


でも、今回、一番驚いたのは、エンドクレジットが出てるところで〈夜宴〉の面々が出てきたところ。

なるほど、ヴィクターのエピソードはもう飛ばして、いきなりロンドンに行くんだ!と思った。

なので、次回から、ホームズとかルパンとかファントムとかがいきなり登場。

その分、原作でポワロが伝えていたモリアーティの杖の目撃情報についても、ゴダール卿が鴉夜に伝える、というように改変されていた。

うーん、ポワロ、ちょっと期待していたのだけどw

でも、尺を考えたら、どう見ても人狼の原作3巻まで行かないなと思っていたので、逆に安心。

残り8話?のうち、4話を原作2巻のホームズvsルパン編に、最後の4話をドイツ人狼編に当てる、って流れなんだろうな。

そうなるとOPに出てきたキャラも全員登場するので納得。

ロンドンでの攻防は、探偵というよりもスパイもの、捕物帖ものになるので、次回が楽しみだなw

ここで初めて、ホームズ一行、夜宴の面々、ルパンとファントム、それにロイズも現れるからw

結構な大所帯な舞台になる。

しかし、今回も思ったけど、謎解きシーンはほとんど鴉夜の一人芝居になるけど、こういう朗読系の演技はホント黒沢ともよって上手だね、桑島法子のようだ、と思った。

適材適所の鑑みたいなキャスティングだなw

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