BLACK SWAN

白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

Unnamed Memory 第12話 『〜背中合わせの記憶〜』 感想: ちょっと駆け足だったけど「第1部完!」 そして2期に続く!

2024-06-26 19:19:55 | Unnamed Memory
最終回、めちゃくちゃ、作画、よかったねw

昨年末のPVを見た時は、これでずっとやってくれると思ってのだけどw

とまれ、2期決定。

まぁ、半年後の2015年1月から2期=「Act.2」というのだから、分割だよねw

ただ、これは原作の全6巻を読んでいれば、自明の展開。

だって、あの魔法球で時間遡行して歴史を書き換える、というか、やり直すからこその、「Unnamed Memory=名もなき記憶」だから。

要するに、誰のものかわからない記憶がそこら中に飛び散らされては書き換えられるのがこの物語世界。

しかも、オスカーが言った通り、この世界の時間線は分岐しないから、過去にやってきて歴史を変えると、その本人の時間線の世界は、その人物を含めてすべていったん消滅する、という仕組み。

だから、ティナーシャを救って歴史を書き換えたオスカーは消えるしかなかった。


でも、過去を遡ることはできなくても、未来に行くことができるのは、すでに「青き月の魔女」が400年間生きていたことから可能であることはわかっている。

ということで、続きのAct2は、400年の時を超えて、今度は、ティナーシャがオスカーに押しかけ女房しておく話w

要するに、オスカーとティナーシャで攻守逆転wのAct2。

400年を超えてでもオスカーを求めた、オスカースキーのティナーシャが、当初からデレ前回で始まる2期、それはそれで楽しみw

しかし、原作3巻までの内容で折り返すのなら、もう少し中盤の話の作り方があったろうに。

オスカー以外の登場人物が基本的にみな、背景のモブ程度の描写しかできなかったのは、尺がないとはいえ、残念だった。

でもまぁ、ループもの、って、本質的に、主人公の「僕と君」を除くと、みんなその都度書き換えられるモブのNPCになってしまうから仕方ないのだけどね。。。

だったら、もっとティナーシャとオスカーのバカップルぶりを描けよ!ってことになるのだけど、Act1の段階では、基本的にティナーシャがずっ「ツン」モードだったので、これも仕方がないといえば仕方がない。

惜しむらくは、やっぱり連続2クールでやってほしかった、ということ。

さすがに半年も空けたら間延びしすぎ。

まぁ、その間に原作の6巻まで手を出してくれ、ってのも狙いなのだろうけど。。。

なんかね、そういう商法と直結した分割って、もう食傷気味なんだよね。

物語をちゃんとした塊で終わらせるってことに、もっと制作者も視聴者も慣れないと、ホント、間延びした物語しか世の中に出回らなくなる。

そのうえで、早回しで見られたら、目も当てられない。


とまれ、半年後のAct2を待ちますかね。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Unnamed Memory 第8話 『〜緑の蔦〜』 感想: ようやく物語の核心にたどりついたって感じだな。

2024-05-29 12:00:44 | Unnamed Memory
なんというか、唐突に謎ファンタジーの話になった印象。

まぁ、それはこのアニメシリーズの演出・構成のせいでもあるのだけど。

本当は、物語の序盤でも、今回のように、謎の事件をティナーシャとオスカーで解決していく、その過程で、この世界の日常や常識が開陳される、という流れだったのだけど、アニメでは、一気にトゥルダールの話に行ってしまって、謎ファンタジーの要素がどこかに行ってしまった。

でも、今回のような話が本来の姿。

そして、ようやく本格稼働と思ったら、もう時間遡行の玉の話になってしまった。

うーん、もったいない。

しかし、これ、尺、どうなるのだろう?

この感じだと、やっぱり原作3巻の分までで1クールが終わるのかな?

だとすれば、分割2クールでないと、物語が途中で投げっぱなしのまま終わってしまうのだけど。

なんか、期待していた分、いろいろと残念でならない作品になってしまった。。。

猫ティナーシャは、あとあとのことを考えても重要なんだけどなぁ。。。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Unnamed Memory 第7話 『〜夢の終わり〜』 感想: え、12精霊の顔見せってリトラだけ?

2024-05-22 15:13:26 | Unnamed Memory
いやー、12精霊の登場シーンって、多分、最もわかりやすくティナーシャが、トゥルダール史上最強の女王であり魔女であったことを示す印象的な場面であったはずなのに、魔法陣から12精霊が現れるところまではものものしく描きながら、登場した精霊で顔見せしたのはリトラだけ、って、それはないでしょ?

別にCVはつけなくてもいいから、全員の顔を映せばいいものを。

ということで、これ、今回の1クールで終わりは確定なんだろうな。

どこで物語が終わろうとも。

だって、12精霊を今後もティナーシャが使役するつもりなら、少なくとも顔は出すでしょ?

裏返すと、リトラ以外はキャラデザもしてないんじゃないかな?

うーん、残念。

リトラだけだと精霊が幼女だけみたいに見えるじゃん。

でも、12精霊の実態は、実は悪魔で、人間の姿で言えば、結構老けた人もいれば、青年もいる、妙齢の女性もいる、という感じで、それらのすべてがひざまずくからこそ、ティナーシャの威光も輝こう、というものなのに。。。

そもそも精神体?である悪魔の説明もすっ飛ばしているし。。。

そういうところ、端折っちゃだめだろ。

それでも、今回は一応、頑張ってたほうなんだけどね。

残念。。。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Unnamed Memory 第6話 『〜深淵の生まれる時〜』 感想: うーん、やっぱりテンポ、悪いなぁ。

2024-05-15 11:52:30 | Unnamed Memory
いや、もう全然キャラを動かす気はないのは、前回の、場内での対決でわかったけどさ。

だったら、せめてキャラの表情くらい、ちゃんと描こうよ。

なんかCGで作ったような止め絵で口元だけ動かして語らせるから、まんま、紙芝居にしか見えない。

かと思えば、ラナクがティナーシャの腹を裂くところは、よくある狂人の表情で押し通すし。。。

ラナクは、一応、ティナーシャのことを幼少期から妹のように扱ってきたはずだから、あんなどこかから拉致ってきた女性をいたぶるだけのような表情はしないと思うのだよね。

もう少し陰影があるというか。

そういうニュアンスを全部無視して、まるで書き割りのような狂った表情しか貼り付けない。

監督もダメだけど、作監もだめだな。

ということで、全然ダメ。


で、一応、本編で気づいたことといえば、これは後でバレる話だけど、オスカーの父であるファルサス王が、魔女であるティナーシャを追うオスカーを咎めて認めるところは、お前、自分もそうだったろう、もはや魔女に惚れるのは、ファルサス王家の男の習性だろう!って思ったよw

その口がよく言う!ってやつ。

まぁ、詳細はもう少し後にわかるけど。

しかし、6話でラナクの元に去ったティナーシャってなると、これ、やっぱり、1クールで、原作6巻の全てをカバーするのは無理な方向かな?

無理やり2クールやるつもりなのだろうか?

だったら、ちゃんと分割にして、2期目?については、スタッフの見直しもした方がいいね。

このままじゃ、あまりにひどい。

いくら原作が、ゼロ年代、下手したら90年代のファンタジー色があるからと言って、ここまで制作スタッフの解釈がひどいと、原作者も泣いちゃうでしょ。

いや、だって、今どきタイトルに真顔で「深淵」とか使っちゃうくらいなんだから。

今なら「深淵(笑)」ってなるところでしょ。

それくらい実はクラシックなんだよ、この作品は。

それもあって、正直、アニメのオスカーには全然共感できる余地がないんだよな。

彼が民のことを思って行動する描写が一切ないから。

そういう小さな事件をちゃんと拾わないと、キャラの性格って見てるものには伝わらないんだよ。

そういう配慮が制作陣に欠けているのがダメなところだよね。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Unnamed Memory 第5話 『〜無名の感情〜』 感想: これは小説のほうがやっぱり面白いね。

2024-05-08 15:10:54 | Unnamed Memory
端的に、映像が小説の表現に絶望的に追いついてないんだよね。

動かせないなら背景にモブなんか配置しなければいいのに。

てかさ、王様、さっきまでいたじゃん。

王様、いつの間に消えてるんだよ?

ちゃんと避難してる場面くらい描こうよ

てか、オスカーは次期王なんだから、周りに近衛が一人も陣取らないのはおかしすぎでしょ?

ティナーシャの左目はまぶたが切れて動かないはずなのに、これじゃ、意識して片目をつぶっているみたいじゃん。

そういうことすら表現できないなら、こんな細かい表情のニュアンスが必要な作品なんか映像化しなければいいのに。

作監、ちゃんと仕事しろよ。

すげぇ、中途半端。

ほとんど紙芝居のようなものじゃない。

ガッカリだよ、いやほんとマジで。

せめて、オスカーの喜怒哀楽くらい、ちゃんと描いてほしいけどね。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Unnamed Memory 第3話 『〜森の見る夢〜』 感想: やっぱりこれはダメだなぁ。。。

2024-04-28 12:08:21 | Unnamed Memory
うーん、物語、すっ飛ばしすぎ。

魅惑や魅了の演出も下手くそすぎ。

まじで第1話だけだったね、作画がよかったのも。

ルクレティアの登場も雑だったし。

半端にティナーシャに嫉妬的表現をいれるし。

そのくせ、ヴァルトとミラリスはしっかり登場させて存在感を残しいているし。

いや、物語の本質がループものだから、枝葉の日常エピソードを端折るのはわからなくはないのだけど、それやっちゃうと全然キャラの魅力が描けないんだよね。

小ネタの積み重ねがキャラの性格の盛り付けになるものだから。

ということで、やっぱりこれはダメだね。

素材は悪くないのにもったいない。

原作を売るための宣伝アニメ以外のなにものでもない。

だから、あらすじを追うためのイベント消化が最優先されて、ぶつ切りの演出が続く。

で、そうしたカスカスの脚本のあいまに、作画力の落ちた映像が組み込まれたら、話題にもならないはずなのに。

ホント、残念。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Unnamed Memory 第2話 『〜繰り返し触れられる過去〜』 感想: なんかいろいろとすっ飛ばして来たなぁ。。。

2024-04-17 12:24:18 | Unnamed Memory
うーん、これは1クールで原作6巻分を駆け足でこなすパタンなのかなぁ。

ちょっと、どうなのだろう? これは?

ティナーシャの魔法戦闘力の凄さを第2話で示すのは、まぁ、シリーズ構成としてはありだろうけど。。。。

でもなぁ、ティナーシャが魔女だとバレるのも早すぎじゃない?

ついでにいえば、ティナーシャの外見が成長するのも早すぎw

まぁ、ティナーシャの見た目をとっととオスカーと釣り合う年頃に変えたかったのかもしれないけど。

でも、その成長した姿の作画がすでにヘタっているのって、まだ2話だけど、これ大丈夫なのか?

いきなり登場したヴァルトのCVが梶ってのも、うーん、と思うしかないし。

終盤でのヴァルトの告白が、いかにも芝居ががって仰々しい梶の語りになってしまうのが、今からウザいw

いろいろと思っていたのと違ってきて、第1話の期待がこてんぱんに崩された感じ。

これはダメかもなぁ。。。

少なくとも2期、というか、2クールものでないことだけははっきりしてきた。

でもなぁ、途中挟まれるファルサスの日常エピソードのようなものがないと、ファンタジーとしての厚みが全くなくなるんだよなぁ。。。

次回早くも、ルクレツィアが登場するようだし。

ホント、駆け足な展開で、ガッカリだよ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Unnamed Memory 第1話 『〜呪いの言葉と青い塔〜』 感想: やっぱりティナーシャとオスカーの掛け合いが楽しい!

2024-04-10 13:40:15 | Unnamed Memory
ようやくティナーシャとオスカーの物語が始まった。

年末にPVの第1弾を見て、あれ、これいい感じじゃない?と思って、そのまま原作を読んだほう。

原作6巻の感想もあります)

第1話の雰囲気としては素晴らしい感じ。

まぁ、PVはこの1話からつまんだところが印象深かったのだから、当然の感想なのだけど。

で、次回、城にティナーシャを連れて帰ったあとで、他の主要キャラが紹介される感じだろうから、結局、登場人物紹介に2話使う感じなんだろうな。

しかし、そうなると、この作品、原作のどこまでやるのだろう?

原作は6巻で、これはその感想のところでも触れていたように、6巻まで終わらせないと全体の物語が畳まれないタイプのお話なんだよね。

つまり、3巻までやって続きは原作で・・・みたいなことがとてもしにくい構成になっている。

なので6巻までやるとしたら1クールでは全く無理。

となると連続か分割はともかく、やっぱり2クールやるのかなぁ。。。

一応、「呼ばれる魔女」のレオノーラまでキャスティングが決まっているから、とりあえず1クールで3巻までやることは確定しているのだろうけど。。。

原作の構成を考えたら、1クールで3巻の終わりまでやって、「ええええ!!!」って思わせて終わりながら、一拍空けて、分割で4巻から2クール目を始める感じかなぁ。。。

いずれにせよ、とにかく6巻までやらないと、どう仕様もない話だからなぁ。

それこそ、『Unnamed Memory』という、風変わりなタイトルの回収をするためにも6巻の最後までやらないとダメだからw

2クールものとして期待しよう。

で、肝心の第1話だけど、なんかもうOPやEDまで含めて、一昔前のファンタジーものを醸していて、これはこれで悪くない。

なんていうか、『スクラップド・プリンセス』みたいw

で、ティナーシャにしてもオスカーにしてもCVがピッタリで驚く。

ていうか、種﨑敦美って、この間までフリーレンやっていたのに、結構テンション高くティナーシャを演じていて、魔法使いと魔女でこうも違うのかwと感心してしまった。

まぁ、アーニャもやれちゃう人だからねw

基本的に、この物語は、表向きは、ティナーシャとオスカーのバカップルwの掛け合いが面白いので、そこはぜひとも強調してほしいw

ということで、次回も楽しみw

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Babel 全4巻 感想: Unnamed Memoryよりもずっと面白いじゃないか!

2024-02-08 20:54:16 | Unnamed Memory
Unnamed Memoryの続編?というよりはスピンオフにあたる作品。

時代的には、Unnamed Memory -after the end- の2巻の時代で、Babelの本編にも、リースヒェン(ティナーシャの転生体)とオスカーが登場する。

というか、Unnamed Memory -after the end- の2巻で扱われていた「あり得たかもしれないものまで含めて全ての歴史が記された本」としての「呪具」のことが扱われたのがBabelだった。

そりゃ、Unnamed Memory -after the end- の2巻での「本の呪具」の扱いが、ちょっと適当で、ところどころ端折った説明で終わっていたのも仕方なかったことになる。

その意味では、Unnamed Memory -after the end- の2巻とセットでないと最終的な解決のところがちょっとわかりにくくはある。


とはいえ、Babel4巻、うん、面白かった。

4冊の完成度でいえば、多分、Unnamed Memoryシリーズよりも上だと思う。

主人公の雫とエリクの、ボーイ・ミーツ・ガールの成長物語が軸に据えられて、そこに、「本の呪具」の謎を解く、というミステリー要素が加えられていて、読み始めたら、意外とサクサク読めた。

Unnamed Memoryがループもの、Unnamed Memory -after the end-が時空の旅人ものになって、どちらも結局のところ、ティナーシャとオスカーの熟年バカップルwを除けばモブ扱いされる話と違って、雫が異世界に渡ってきてからの1年間の話、ということで、物語に密度があっていい。

しかも、これはまぁ、Unnamed Memory シリーズのおかげだけど、ファルサスをはじめとする世界設定がすでに提示されているので、無駄な世界の説明を必要としないところもよかった。

その分、タイトルにある「バベル」のとおり、まさに「バベルの塔」に準じた「世界統一言語」の謎に集中できたのがよかった。

というか、世界の記述のために、世界の住人の使う言葉を「呪具」によって「外部者」が強制的に統一した、というのは、この世界が外部者の「箱庭」であるという事実をよく表していた。

あと、最後に、雫が、実はその「本の呪具」そのものだった、というのも、ちょっとジブリあたりによくありそうなオチではあったけど、納得のいくものだったでの、よしとしようw

4巻全体の構成でいくと、第3巻のオルティアのキスク編とか、これ、どこに行くのだろう???って途中まで思っていたけど、全巻を読むと、きちんとキスクに行っていたことが意味があって、納得したし、びっくりしたw

ていうか、最後のほうでは、オルティアが完全に雫ラブになっているのが笑えるところだった。

まぁ、あれだけ雫とオルティアの間の緊密な関係が描かれれば、第4巻の中でワンポイントリリーフ的にオルティアがでてきても、きっちりその役目を果たして行ってくれたしw

その意味では、ファルサスのラルスとレウティシアもそうだけどw

あとは、魔力の問題があって魔法士としてはイマイチだったエリクが、レウティシアの魔力を譲り受けることで利用できるようになって、超スゴイ魔法士になって活躍できたのもよかったw

そういうキャラの関わらせ方が、UM本編よりも全然よかったね。

なにより、全部読み通すと、タイトルが「Babel」であったことも理解できるというのがニクイw

まさにタイトル回収の妙w


ということで、Unnamed Memory よりもBabelの方をアニメ化したほうがいいんあじゃないかと思ったくらいw

まぁUMの世界観ありきだから、順番としてはUMのアニメ化が先行するのは当然なのだけどw

でも、とにかく面白かった。

やっぱり、雫を始めとして、各キャラクターが生き生きとしていたからだろうなぁ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Unnamed Memory -after the end- 3巻(まで) 感想: こんな『シジフォスの神話』みたいな話の、何が面白いのだろう?

2024-01-10 15:46:18 | Unnamed Memory
ということで、UM本編の感想にも書いた通り、ループを打破した結果、世界の理りから外れて「逸脱者」と化したオスカーとティナーシャが、呪具破壊のために転生を繰り返す物語。

思っていた通り、つまらない。

ループもののときよりもつまらない。

いわゆる「時の旅人」ものが抱える退屈さ。

でも、それも当然で、だって、オスカーとティナーシャの二人だけが悠久を生きる存在で、あとの人たちは、ある「時代」に関わった「その他大勢」でしかないから。

オスカーとティナーシャがどれだけ彼らと友誼をかわそうとも、軽く百年がすぎる次の時代、次の物語では、その友人・知人たちが現れることはないから。

文字通りの、キャラの使い捨て。

これで面白くなるはずがない。

しかも、逸脱者の設定は、魂は永遠だが、肉体は簡単に死ぬ存在、というもので、だから、オスカーとティナーシャのどちらかが死ぬと、その魂が新たな身体を得て厳戒するまで、残された方は、基本、虚無的な「待機」モードに入ってしまう。

で、首尾よく、新たに転生した存在が生まれても、当初はかつての記憶を思いだぜずに成長するので、残された片割れが、その生まれ変わりを見つけて、ゼロから口説かなくてはならない。

それでも、最終的には、記憶を取り戻して、元のバカップルに戻る。

そんな先の見えた展開を読まされる側の苦痛を、作者は考えているのか?

実際、-after the end-の1巻では、オスカーに先立たれたティナーシャが、転生したオスカーを口説く話だったし、

-after the end-の2巻では逆に、ティナーシャに先立たれたオスカーが彼女の生まれ変わりにアプローチしていた。

要するに、交互に番を失った経験が描かれたわけで、そうなると、3巻では、そもそも互いに互いを思い出せないまま一方が死ぬ、という絡め手の展開が持ち込まれていた。

でもさぁ、そういうの、全然、面白いって思えない。

生まれ変わるたびに、その都度、新たな世界の描写が始まり、その物語で関わる人たちのキャラ描写がなされるわけだけど、その情報がその後の物語に持ち越されることはない、をわかっているのだから。

どうして細部に感情移入することができようか。

周辺キャラが、時間が過ぎたら、一気にただの背景モブとして消えてしまい、またゼロから新キャラが描かれるだけなのだから。

つまらないにもほどがある。

「時の旅人」をするなら、その時時の時代の面白さを描くことに徹すればいいのに、そのエピソードも、物語の構成上、呪具の破壊と結びつくものとなり、つまり、細部まで紹介された世界そのものも破壊対象となりがち。


そんなスクラップ&ビルドが繰り返されるだけの『シジフォスの神話』のような徒労の物語をどうやって楽しめというのか?

ワケが解らないよ。

どうしたらこんな虚無な話を書き続けられるのだろう?

まぁ、最近では、リゼロの作者に同様のことを感じるから、逆に、ループ好きな人たちは、こういう、成長の後が見えにくい、むしろ、停滞した物語法が好きなんだろうな。

自分は御免だけど。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする