BLACK SWAN

白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

西尾維新 『悲惨伝』 感想

2013-06-29 16:42:32 | 西尾維新
空々くんシリーズの第三弾。
で、四国編の第二弾。

前作の『悲痛伝』が今ひとつな読後感だったのに対して、
今回は、四国編全体の物語の向かう先が見えてきたので、大分スッキリした。

といっても、相変わらず、途中は冗長なわけですが。

この伝説シリーズは、第一作の『悲鳴伝』が、かつての戯言シリーズの、西尾維新的二周目の世界、という感じだったのだけど、第二作目の『悲痛伝』からの四国編突入で、結構としてはかつての『刀語』のようだなー、と思えてきた。

で、今回の『悲惨伝』を見ると、多分四国脱出ゲームという設定もあるからなのだけど、中身的には、西尾維新版『禁書目録』のように思えてきた。

というか、『禁書目録』に限らず、この数年の「人気のある作品」のいいとこ取りをした作品のようになってきた。

なにしろ、四国編の基本が「魔法vs科学」という構図になって。

しかも、絶対平和リーグが、今回の魔法実験をしてることから、四国全体が、『禁書目録』の学園都市ならぬ「魔法都市」って感じになってきたのだから。

加えて、空々くんはもう、すっかり魔法少女とデスゲームに参戦してしまったので、ゲームなのにマジモンで死んでしまう、という設定は『ソードアートオンライン』のようなもの。

なにしろ、「死んだ人間を生き返らせる」魔法まで出てきたら、もうなんというか、これ、魔法ファンタジーワールドでしかないでしょ。

というか、四国、完全に単なる結界だよね。
むしろ、スティーブン・キングの『アンダー・ザ・ドーム』に近い。
完全なる密閉空間。
ただし、キングと違って、その結界を張っているのが、結局のところ、神ではなく人間であり、そこでは魔法が使えるファンタジー系デスゲーム、というのが今回の設定。

神ではなく人が敵、というのが、実は救われないのだけど、
そう感じさせないのは、そもそも空々くんたちの本当の敵は「地球」だから、なんだよね。

でそういう設定の中で、人工的な「魔法少女」に対して、天然物の「魔女」まで登場してくると、『まどマギ』みたいでもあるし。

いやー、なんか物凄いマッシュアップになってきた気がする。

しかも、最後に、科学側、つまり、空々くんの所属する地球撲滅軍の最終兵器が、人造人間『悲恋』というのだから、これは新約『禁書目録』に出てきた「恋査」のように思えてくる。あるいは、風斬氷華のような人工天使のようなもの。

で、西尾維新としては、前巻の段階で予告していたとおり、あと二冊で四国編を終わらせるようだけど、あとがきによれば、これにさらに、和歌山編がオチとしてつくみたい。なので、ますます、『刀語』のようになってきた。

でも、多分、その流れは、地球撲滅軍vs絶対平和リーグ、すなわち、科学vs魔法の、地球人同士の闘いに過ぎないから、その後に、本丸である「地球」自体との対決に向かう最終章?が待ってるはず。

となると、この伝説シリーズも結構、長い物語になりそうで。
大変なことになりそう。

それにしても、この厚さで、この遅々として進まない感じの物語展開は、なかなかに厳しいところもある。

いや、「伝説」シリーズ、として、「悲X伝」というように、「伝え聞いてものを書き記している」という形態をそもそも宣言しているから仕方ないのだけど、空々くんたちの心理をくどいくらい丁寧に追っていくだけでなく、途中で空々くんという英雄の「伝説」を語る語り手が、延々と状況設定の描写や、物語の流れの予告を比較的に頻繁に挿入して来るので、思いの外、本編が進まない。

前者の、長々と続く空々くんたちの心理描写は、四国編に入ってからの設定が完全にデスゲームになってしまって、文字通り、ゲーム的心理戦を繰り広げざるを得ないので、仕方ないのだけど、それにしても長い。

なんというか、『HUNTER×HUNTER』を絵なしでネームだけで読んで言ってるようなもので、結構しんどい。

この手のゲーム的心理戦の場合は、どれだけ合理的に事態を捉えるか、そして、その判断をどの程度、他のプレイヤーも行って来るか、というように、とにかく推測のれんぞくになるわけで、それを延々やられるのはツライ。

で、その辛さは、結局のところ、何のゲームをしているのか、そして、そのゲームのルールが何なのか、が判然としていないから。

なので、心理描写といっても、もっぱら空々くんが中心になってくるので、途中、さすがにうんざりさせられるところがある。

とはいえ、四国ゲーム自体が、そのゲームのルールを集めよ、という、いわばゲームのバグ取りをプレイヤーにさせているようなところがあって、もうただでさえメタ語りな傾向のある西尾維新をさらにメタゲーム化していて。。。

なので、これはいくらでも冗長に書けてしまう。

となると、この先は、いかに、その、その気になればいくらでも書き続けられてしまう設定、という西尾維新本人的に美味しすぎる状況を、いかに禁欲して、物語をエンタメとして加速させるかに、残り二冊+アルファの成功が掛かっているように思える。

その意味でも「伝」の語りの部分をどれだけコンパクトにするか、もね。

ということで、次は9月かー

鋼矢さんやかんづめ、ジャイ子が、次の物語で死なないことを願うばかり。

というか、キャラの配置的には、実は化物語風になってきてるのも確かで。。。

何だかんだ言って、続きが楽しみになるところは、
西尾維新の面目躍如たるところだね。

さてさて、どうなることやら。

てか、いきなり悲恋が仲間になったりしてね。。。w

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翠星のガルガンティア 第12話 『決断のとき』

2013-06-24 20:15:58 | ガルガンティア
うーん、本格的にガルガン、失速か?
なんか、予想のままに行く、安定的な展開に過ぎるから。
残念だなー。

いや、だってクーゲル、ホントに死んでたじゃん。
じゃ、ストライカーが勝手に変な教団船団を組織してたってことでしょ。
またなんで?という気になる。

で、予想通り、レドとクーゲル(というかストライカー)は袂を分かったわけで。

まぁ、多分、ここまで来ると、単純に尺の問題でしかないのだけど、

クーゲルの命令に対して、チェインバーとレドの間で確執が繰り広げられるわけもなく、

前回、かなりヤスい兄貴に落ちたピニオンはあっさりストライカー討伐の方に動いて、お宝のビーム砲を撃つし、

ロブスター姉ちゃんは、本気で反乱起こしてるし・・・

うーん、何もかもがそのままの動きすぎて。

終いには、ガルガンで「鍵」を使う、というし。

これ、ガルガンが、かつて宇宙に脱出したテクノロジーを温存していて、それを使って飛んだり、ビームを撃ったりする、ってことなのかな。

というか、あれだけ、えー!!!、それはないでしょー!!!と言わせたイカ人間=ひヒディアーズの話が、どこかに行ってしまって。

その代わりに出てきたのが、クーゲル(死亡)とストライカーによる地球人類恭順化チームって、あまりに話のスケールがしょぼくなりすぎてる。

これ、次回が最終回なんだよね。

単なる戦闘シーンだけでなく、ちゃんとお話に一定のカタルシスを与えるつもりはあるんだよね。

まぁ、『サイコパス』の時も、中盤で脳みそネットワークが黒幕でした、でも彼ら?は殲滅しません、何せ必要な社会悪ですから、っていって、二人の個人の対決というちまちました物語の終結に向かってしまったから、今回も、レドの人間的成長だけに絞って話を完結させるのかもしれないけど。

しかし、設定の壮大さに比して、物語自体がちょっとしょぼくなりすぎてないか?

最終回、よろしく頼みますよ。

あ、そうそう、スペックが上の機体に対して特攻をかけて粉砕、なんて真似だけは、チェインバーにはさせないでよね。

奴はイイヤツすぎるから。

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俺の妹がこんなに可愛いわけがない。 第11話 『一人暮らしの兄貴の部屋に妹たちが押しかけるわけがない』

2013-06-20 18:34:53 | おれいも
俺妹については、このあたり、つまり、10巻のあたりが一番面白かったねー、と痛感させられたエピソード。

ホント、11巻、12巻は蛇足だったなー。
10巻の、ほのぼのラブコメで終わりにしておけばよかったのに。

いや、結局、俺妹って、ストーリーじゃなくて、キャラでしょ、人気をもたらしのは。

それは、今回のエピソードの、桐乃、加奈子、あやせ、黒猫、の連続登場でよく分かるし。そもそも、この10巻のエピソード、京介が一人暮らしを始める理屈からして無茶苦茶なわけだけど。

前にも書いたかもしれないけど、確かに、俺妹がラノベになった頃は、アキバを含めてオタク文化を紹介することにも意味があったかもしれないし、そこでギャルゲー、なかでも妹ゲーを扱うのは若干勇気のいることで、それゆえ、設定としては斬新だった・・・

・・・ってのはわかる。

でも、それ以降、アキバ自体、たとえば、メイドカフェやらAKBやらを通じてネタ元としてのバリューが高まったわけで、アキバ文化を紹介することの意味は相対的に減った。

というか、ニャル子さんを始めとして、アキバやらオタク文化を作品内で言及して、オタクの共感を誘おうというラノベはめちゃくちゃ出版されてるわけだし。

あるいは、ギャルゲーやら妹ゲーの応用も、今だったら、デート・ア・ライブみたいな形で、普通の物語の中に無理くりで組み合わせしまうものもあるわけで。

そうした状況の元では、俺妹って、もう先頭を走るというよりは、フォロワーになってたってことで。

まぁ、だからこそ、当初の妹ゲーへの着目に執着して最終巻の流れになったのかもしれないけれど。

しかし、そこにそんなに操を立てなくても良かったんじゃないかな―、と思うかな、やっぱり。

なので、作者と言うよりは編集者のほうが軌道修正できなかったのがまずかったんだろうな―。

とはいえ、これで、映像の方のエンディングが、桐乃エンドとは異なるものになったら、それはそれで面白いと思ってる。

というか、そのために、原作の方は、作者のエゴを通させた、ってことじゃないのかな―、とかね。

そういうサプライズを映像版の最後には期待したいところ。
せっかく、世界同時配信!なんて、誰得?の配信をするのだから。

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翠星のガルガンティア 第11話 『恐怖の覇王』

2013-06-17 20:47:22 | ガルガンティア
うーん、これは・・・ちょっと失速?

ここに来てクーゲルだけでなく、ラケージまで再登場なのだが、
しかし、なんというか、あまりにも唐突すぎて。。。

しかも、いかにもオカルティックな感じの船団だし。。。

てかさー、どう考えてもクーゲル、死んでるよね。
あのホログラフィー、作り物だよね、きっと。

あとは、ラケージねぇ。。。
まぁ、あのまま退場とは思わなかったものの、こんな大役?として復活とは。。。

いくらなんでも、二人とも再登場にあたり、文脈がなさすぎ。

というか、レドもレドで、クーゲルがどうして生存してるのか、少なくとも言葉の上では問いただすべきだろう?どうやってこの地球に飛ばされたのか?とか、まずは上官に対して素朴に質問しないかな。

クーゲルの方にしても、ヒディアーズの正体をどうやってレドが知ったのか、一応は問い正すべきじゃないの?

何というか、そういう、当たり前の会話がなされないところに、非常に違和感。

まぁ、そもそも、この作品、1クールで収めるには、情報が詰まりすぎているのだろうけど。

ただ、それにしても、構成に飛躍がありすぎる気がする。
そのため、話の流れとしては面白いとは思うものの、ただ、その物語に惹かれて没入する、という感じが全然無い。
そのあたりが、微妙にエンタメとして失敗しているように思う。

ピニオンも随分ヤスいあんちゃんに成り下がってしまったし。

物語全体の謎についても、ヒディアーズがイカ人間だった!ってことも、結局、レドどまりの話になってしまっていて、その「事実の発覚」が全く周囲の動きに影響していないところも、イマイチ乗れない理由の一つ。

で、そのヒディアーズネタの行き先が定まらないうちに、クーゲルとスルメ船団まで登場してくるし。。。

まぁ、来週あたり、最終話に向けた方向性が示されるのかな?

一つ気になるのは、チェインバーの動向。

どう考えても無茶振りしてくるクーゲルの言動に対して、チェインバーはレドをどう「支援/啓発」していくのだろう?

チェインバーはストライカーと同士討ちをするのか?

とりあえず、クジライカは殲滅したはずだけど、この後、ヒディアーズが再登場したりするのだろうか。

で、前々から気になってるアヴァロンだが、これは本編に絡んでくるのだろうか?

全体的に、今後の方向について疑問ばかりが生まれるエピソードだった。
正直、今までの中で一番退屈な回だった。

次回が、物語の流れを大きく動かしてくれることに期待。

てか、そうじゃないと、ちょっと失速しそうで怖い。。。

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翠星のガルガンティア 第10話 『野望の島』 

2013-06-10 00:15:10 | ガルガンティア
ん? 島なんか出てきたっけ?

とにかく、今回はチェインバーのブレなさっぷりに脱帽!
レドがもうどんどん萎えてしまってるところで、「超」安定のチェインバー。
さすがは、パイロット支援「啓発」プログラム。

いやー、ロボがパイロットをたしなめるとは思わなかったよw

とはいえ、チェインバーが言ってることは、ちょっと無理があるな―と思ったのは、

ヒディアーズ=非文明、
人類銀河同盟=文明、

という区分けね。

まぁ、確かに、宇宙に上がってしまったら、そうなのかもしれない。

前にも書いたけど、SFでは定番の、宇宙進出に当たって、

肉体改造vs機械支援、

という二択ね。
で、それは、確かに互いに殲滅しあう存在なのかもしれない。

ただ、その一方で、クジライカ=イカ人間が、地球の海で生息し、ガルガンの皆のように、地球に残った人間もいる。

そして、地球においては、クジライカと人間は、レドたちが来るまでは「共存」していたわけだよね。多分、ガルガンの人間の祖先の人たちが、クジライカはもともとは人間だから、互いに殺しあうことは避けるべきだ、ということで、クジライカに手を出すことはタブーにしたのだろうから。

つまり、宇宙では互いに殲滅対象だけど、地球では共存対象となる。

というか、この話を延々日常回の描写を通じてレドに叩きこんできたわけで。

となると、予想していたものの、次回再登場する上官のクーゲル?大尉だっけ?
彼と彼の愛機の位置づけがどうなるか、ってことだよね。

近づいてきたちょっと宗教がかったヤバめの人たちは、イカ信仰者?なのか、それとも、イカ殲滅教なのか?

まぁ、クーゲルが真ん中にいて、今のレドの萎え萎えぶりからすると、イカ殲滅教、というか、スルメにしましょう教、なんだろうなぁ。

で、クーゲルとレドとの間で争いが生じる。。。

ということで、大分ストーリーの流れは見えてきたような気がする。

にしても、やっぱり気になるのはアヴァロンだよね。

一体全体、宇宙では人類はどうやって「生殖」し「増殖」しているのか?

多分、その内容が、今回、チェインバーが主張した、

ヒディアーズはDNA操作の究極生物
人類は、「地球のままの」素の「自然な」人類

って分類を無効にするのだろうな。

要するに、レド達も、イカ人間=ヒディアーズと大して変わらないような、人工的な「生殖」を行なっている、ということで。

となると、レドは、最低でももう一回、鬱にならないといけない、ってことになる。

そうなると、物語の鍵を握るのは、やっぱりエイミーってことになるのかな?

気になるのは、前回あった、最初のイカ人間になったマツモトさんのお嬢さんが、なんとなく面影がエイミーと似ていること。

このあたりがどう絡んでくるのだろう・・・って思う。

ともあれ、物語的には佳境。
次回が楽しみ!

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俺の妹がこんなに可愛いわけがない。 第10話 + 原作最終巻 感想続き

2013-06-09 21:50:01 | おれいも
というか、原作最終巻を読んだ後にこの10話のエピソードを見ると、結局、原作のエンディングを下らないものにした現況は、麻奈実=地味子の存在だったんだな、というのがよくわかった。

簡単にいうと、地味子が文字通り、婆臭いモラリストだったから、話が妙にシリアスになってしまって、仲の良い兄妹の物語で終わらせることもできたところを、無理やり、モラルの有無を問うような話になってしまった。

だって、この10話にしたって、どうして、あやせと地味子が内通してるのよ?って思うじゃない。

原作でも、あやせと地味子の接近は、いつの間にか、行われていたんだよね。
そういう意味では、地味子は、作者が極めて使い勝手良く使ってしまった。

もともとは単に京介の幼馴染として登場しただけだったのが、多分、黒猫や沙織たちとのバランスを取ろうとして、あやせと加奈子の元締めとしての役割を地味子に与えてしまった。

多分、そこが最終巻でこの物語が破綻した、最大の理由。
地味子には、そんな総元締めの役など与えずに、とっとと退場させてしまえばよかった。
なまじ、地味子ルートなんてものもありえるかも、なんて設定にしてしまったから、最終巻だけでなく、11巻のような、桐乃と京介の子供の頃の話をグダグダやらなければならなかったわけで。

最終巻まで読んで思うのは、多分、普通の読者が望んでいたこの物語の雰囲気は、10巻の、一人住まいを始めた京介の周りにヒロイン全員が集まってパーティを開いていたところだと思う。

あそこで終わっておけばよかった。

ところが、半端に婆臭い地味子がいたから、桐乃と京介の話が必要以上にシリアスな話を帯びてしまった。

だって、どう考えても、11巻で突如として登場した櫻井秋美って、本来なら地味子が引き受けなきゃいけなかった「幼馴染キャラ」でしょ? しかもその唐突に登場した櫻井が最終巻でもしっかり登場するのって、どうにもおかしいじゃない?

櫻井にページを割くくらいなら、沙織や加奈子に割くのが筋だと思うし。

だから、地味子は、それこそ黒猫のように、無理矢理にでも転校させて、物語の本筋からは退場させておけばよかったんだと思う。時々会う、説教臭い幼馴染ぐらいにしておけばよかった。

それを、桐乃と京介の幼い頃まで知ってるような、変に重要な人物にしてしまったから、話がおかしくなった。

地味子がいたために、桐乃と京介の話が幼い頃のトラウマのような、無駄にシリアスな話になってしまった。

だって、地味子を除けば、どのキャラも、どこかタガが外れた変人しかいないじゃない。

裏返すと、その変人ばかりがいる、って状況が「普通」になったはずなんだけど、地味子さえいなければ。

それこそ、妹とえーって関係は、『化物語』の阿良々木くんだってしてることじゃない。でも、それも、非日常が日常になっていれば、対して違和は感じない。

ということで、俺妹における地味子の存在はホント、ガンだった。

地味子のように、変にモラルを説くような存在さえなければ、ちょっと異常なまでに仲の良い兄妹と、彼らを取り巻く変人の物語で済ますことができた。

それでも、最後まで地味子を残したってことは、作者は何か思い入れがあったのかね?
あるいはいざという時の、物語上の安全弁としてとっておくために。

でも、それは余計な存在だった。

それは、最終巻の最終場面の、下らない修羅場?が物語っていると思う。

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俺の妹がこんなに可愛いわけがない 第12巻 感想

2013-06-08 15:35:49 | おれいも
・・・って、感想っていってもねぇ。。。
ってぐらい、最終巻は酷い。

いや、桐乃エンドがNGで、他のヒロインが・・・、とかいうのでは全くなく。
ただただ、下らない。

いや、まぁ、最後まで読んでおいてなんだけど、
これはホントに下らない、
どうでもいい話だった。
今までの物語ってなんだったの? って感じ。

最後も特段にオチがあるわけでもなく。
こんな内容に370頁も使って書く方も書く方だな。
正直呆れた。
アホ臭。

やっぱり、この話は、桐乃をアメリカから引き戻すところで終えるべきだった、ってことで。

あるいは、そこから異なるルートに行くという手はあったと思うし。

まぁ、要するに、最後の最後で、麻奈実が突きつけた

「すげぇ―、キモいんですけど!」

ってのが普通の感想だよね。

インモラルのままで行くなら徹底してそこまで行けばまだわかるけど。
期間限定の恋人、って、どんだけ自分たちに酔ってるだけのアホなのか。
そういう意味では、言葉の通り、バカップルだったな。

てか、期間限定って、ホント、中途半端。
アホ臭×2。

まぁ、麻奈実エンドは、正直なところ、彼女が腹黒に過ぎたので勘弁だけど、確かに、黒猫なりあやせなりのエンドってのはあったんじゃない?
あるいは、沙織でも。

まぁ、そうなると、タイトル詐欺ってことになるのかもしれないけれど。

とにかく、桐乃をアメリカから呼び戻すところで終わるべきだった。

それ以後は、すべて水増しでしかない。
無意味だ―。

それに、最後が桐乃エンドだったら、それで通せばよかった。
要するに、キモい小姑として、黒猫やらあやせやらにツッコミをいれながら、皆でワイワイガヤガヤやってます!ってぐらいで終わりにしておけばよかった。

物語の発端は、確かに面白かったのかもしれない。
けれども、その面白さを、タイトルに自縄自縛になることで、結局食い潰してしまった、ってところだろうか。

あー、ホント、くだらねぇ~。
超駄作。

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アクセル・ワールド 第14巻 『激光の大天使』 感想

2013-06-07 19:34:19 | SAO/AW
うおおおおおお!!!!!
そこで終わるか―!!!!!

・・・って感じのAW14巻。
ネタバレの部分もあると思うので、スペース空けますが・・・・
おおおおおお、どうするんだ―!!!!



































さすがに、セイリュウからのアクア・カレント救出、大天使メタトロンとの対決、というダブルヘッダーは厳しくて、案の定!、いや、もう完全に案の定!wだけどさ、
結局、この14巻でも、ミッドタウンの攻略はならず。

で、15巻に続く・・・

まぁ、わかっていたことだけどね(苦笑

とはいえ、最後の引きがまた、凄い。

14巻で、思いっきり死亡フラグないし退場フラグを立てていたニコが、最後の最後で突如として現れたブラック・バイスに拉致られて。

そのニコを何が何でも救うぞ!、だって約束したから!!!

って感じで突進するハル。

いやー、アツい!

しかも、そこで、突如として現れた、メタトロンの強化外装も装着して!

さぁ、駆けつけるぞ!

・・・ってところで、15巻に続く。。。

マジ?

えー、どうしてくれるのよ。
この振り上げた拳を、って感じ。
この状態で、また4ヶ月くらい待つのか―。
ヘタすると、SAOだけじゃなくSAOPも挟むだろうから、半年待ち?
ってことは、年末かぁー。。。

なんとか、10月くらいには15巻出してほしいな―。
でないと、これは、もう、生殺し状態ですよ!

なんとか、15巻冒頭で、ハルがニコを救い出してくれることに期待するけど。

でないと、流れ的には、ニコを素体にして、加速研究会がもう一度クロム・ディザスターを人工的に作る!ってことになりそうだよね。

で、そうなったら、多分、ハルの手でニコを全損させて、ブレイン・バーストから退場させなくちゃならない。。。

なんだよ~、せっかくニコと謡が仲良くなったね!ってところで終わるとばかり思っていたのに。

ホント、川原礫って人は、ドSだー!

もう、アクア・カレントの救出やメタトロン攻略とか、14巻の内容なんかどうでもいい、ってぐらい。

いや、このダブルヘッダーは、確かに全編加速世界での出来事なので、読み応えもあった。9人のアバター・パーティでクエストをしている感じで、なんというか、AWというよりもSAOのような感じもして。これはこれで面白かったけどね。

まぁ、カレンとパドさんが親子というのは、予想できていたことなので、中盤までは、あー、やっぱりそうだよねー、って感じ。

どちらかというと、パドさんがカレンを救う、という部分に、セイリュウ編の焦点があたってしまったので、例のレベル・ドレインの話は、正直いうと、今一つ、盛り上がりに欠けた。

というか、一度、スザク攻略をやってるから、どうしても軽く攻略しないという感じで。

むしろ、レベルドレイン対策として、パドさん、どれだけポイントを貯めていたのよ!

という驚きと、その失ったポイントをすべて回復してしまったチユリってスゲー!って感じ。

それで、いきなりパドさんレベルを上げてレベル8。
で、宿敵レイカーと並ぶ、とか、どんだけー、ですよ。


で、今回新たに示された情報というと、黒雪姫の姉さんの本拠地が港区白金。
聖心の付属にでも通ってるのかね、ホワイトコスモスは?って感じ

で、よくよく見たら、港区ってオシラトリ・ユニバースの本拠地なのね。

じゃ、赤坂にあるミッドタウンって思いっきりホワイトコスモスのテリトリーじゃない。

ということで、限りなく加速研究会とオシラトリ・ユニバースの関わりが暗示された回でした。

うーん、これ、意外と早くAWは完結に向かうのかな―。

あとは、思いの外、グラファイト・エッジの話が多数出てきたので、この人の登場もきっと近いのだろうな、と思った。

で、こちらに関しては、前にも書いたとおり、もしかしたら、敵方の一員として登場しそうだよね。だって、加速研究会+オシラトリ・ユニバースの陣容なら帝城からの救出もきっと容易のように思えるから。どうも、グラファイト・エッジの単純な勇者属性がうまくホワイトコスモスの口車に乗せられそうな気がするんだよね―。

あ、でもそうなると、まだ、

ISSキッド
加速研究会
ホワイトコスモス
オシラトリ・ユニバース
サーベラス
帝城
トリリード
・・・

なんかの話も残ってるから、まだまだ続くか、最低でも20巻は越えるだろうね。
その間に、アニメ第二期もやるのだろうし、きっと。

それだけに、ニコの退場だけはヤメて欲しいなぁ。

ていうか、そもそも綸の救出のために出かけたクエストで、ニコが犠牲になったんじゃ、仮に輪が助けられたとしても、あまりにも寝覚めが悪過ぎる。

ということは、ギリギリのところでニコは救出される、っことかな。

むしろ、あっさり15巻冒頭で、メタトロンを着装したハルが助けだして、で、そこから、13巻で、あきらと黒雪姫が話していた、人工ディザスター計画を、今のパーティの全員に話して、その阻止が次のテーマになる、というところかな。

しかし、そうなると、他のレギオンがどう動くのか、あるいは、どう動かされるのか、というのが気になってくるよね。

ともあれ。
14巻は期待通りの面白さ!だった。

早く15巻が出ないかな―。
頼む、ニコを退場させないでくれ―。
もう、それだけを願う!

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翠星のガルガンティア 第9話 『深海の秘密』 追加

2013-06-03 23:21:51 | ガルガンティア

先のエントリーの最後にちょっと触れたように、何かアヴァロンが不穏な気がする、レドの出生とか実際どうなのよ・・・、と思ってきたら、さらなる鬱展開を思いついてしまった。

それは、レドたちは、チェインバーという機体に登場して、自分たちが主体的にヒディアーズと戦っているように見えるけれど、実は、チェインバー自体は、レドたちがイカ人間にならないために監視/監督するためのリミッターとして機能しているのではないか、ということ。

規定の戦闘時間を超えると、市民権が得られ、生殖の自由を得られる、というのは、チェインバーの監督下でそれだけの時間をすぎれば、イカ人間にならないことが証明され、安心してDNAを残すことができる、ということかと。

いやー、たとえば、ヒディアーズのほうが、普通の人間に対して、イカ人間化促進ウイルスとか作って、それを人類銀河連盟の母船とかに封入して、一回人類を汚染してしまった、という過去もあるのではないかな、と。

そのため、新生児は、イカ人間化しないと証明されるまでは、生殖の自由を持たせずに産児制限をしていく、ということかと。

意外と、アヴァロンの中も、今回のイカ人間の卵状のものに囲われた幼体が多数いるという様子と変わらないのではないか、と。つまり、人類は、イカ人間になってしまうリスクを管理する手段が必要で、そのため、常に、バディとしてのチェインバーに管理された形で睡眠までとっているのではないかと。裏返すと、チェインバーはレド達の身体情報のログを取るための、アヴァロンの管理装置でしかない、ということになりそう。

レドがチェインバーに使役させているのではなく、いや、もちろん、個々の戦闘行為においてはパイロットの判斷が優先される点で、パイロットの主体性が確認できるわけだだけど、同時に、チェインバーはパイロットの生体情報を常時モニターするための端末にもなっている。むしろ、アヴァロンの意向はそちらの方にあるのではないか。

以上はすべて単なる思いつきでしかないのだけど、今回のイカ人間のバレ以上に陰惨な状況が生まれるとしたら、相手がイカ人間どころか、レド達自身も一歩間違えばヒディアーズになる、あるいはヒディアーズとして生まれる可能性をもっていて、それを単にくぐり抜けているだけだった、という展開にすると、レドの鬱モードはさらに増すよね。

敵と思っていたものは実は同胞と同根の存在で、いつ何時自分自身がその敵に様変わりしてしまうかわからない、という偶然性に左右された生が、レドに課せられたもう一つの枷なのではないかと感じる。

てか、もう徹底して虚淵で突っ走って欲しいと思わざるをえない。

泥沼と化した宇宙での生存圏確保を巡る戦闘は、片方で、レド達兵卒に四六時中、チェインバーを預けることでイカ化をモニターする方策であったというのが、なんとなくの当てずっぽ。

ともあれ、このまま、虚ろに突っ走って行って欲しい。

エイミーがイカ化してしまうというシチュだってありえるかもしれない。

でも、結局、こんな感じに鬱度が増していく、ということかと。

さて、次回はどうなるのだろう。
今から楽しみ。

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翠星のガルガンティア 第9話 『深海の秘密』

2013-06-03 19:17:23 | ガルガンティア
ヒディアーズの正体は、DNA改造されたイカ人間だった・・・ってことのバレ回。

でね、うーん、ちょっとねー、
ガルガンティア、期待外れだったかなー。

要するに、人間同士の場所を宇宙に変えた争いでしかなった、ってことで。

いや、ヒディアーズの母星がこの地球だ、というのは既に前に書いたように、番組初期に既に予測されたことなので、その予想の斜め上を行く展開という点では、地球がヒディアーズの母星だっただけでなく、ヒディアーズ自体が人間が作り出した改造人間だった、というのはわかるといえばわかる。

問題は、そうした、いわば同族の間での諍いを描くことに一体物語的に意味があるのか、ということ。

いや、まぁ、アニメなんかにそもそも意味なんてねぇのよ、レートとれて円盤が売れればいいのよ、ってのもわかるんだけどさ。

うーん。

まず、人間同士の形/姿を変えた争いである、というのは、結局のところ、物凄い内向きだよね。人間の業、この場合は、宇宙で生息できないと滅びてしまうという将来が予測された時点で何とか種を残したいという業、が要するにクリーチャーとしての改造人間=ヒディアーズを生み出した。そして、そこまでして生き残ることに疑問を帯びた人間が別の手段で宇宙に出ることを選び、一部には地球に残ることを選択した。

ガルガンティアの面々は、この地球残存組の末裔で、同族であったものも含むかもしれないイカとの争いをタブーにすることで地球上での共存を貫いた。

前々回までレドが目にしてきたガルガンティアの牧歌的世界は、この「共存」が可能となるような世界として運営されていた。

対して、レドとチェインバーが元いた世界は、舞台を宇宙に移して、ヒディアーズ化したイカ人間と、チェインバーのようなロボとのペアで対処する人間たちとが争っていたことになる。

ただ、レドたちのような人類の外見を残したまま宇宙に出た人たちが、イカ人間研究の成果を全く無視していたとも容易には信じがたいので、となると、例のアヴァロンの中で、レドたちがどのようにして「誕生」させられたのか、というのが、次の焦点かな。

いや、まぁ、物語の最初から、やたらと「生殖」に力点を置いていたから、そもそも「人のあり方」を突いてくるのかな、とは思っていたけど。。。。

うーん。

不満なのは、まず、今回明らかにされた設定そのものがもの凄く使い古されたチープな感じがすることね。宇宙進出をするにあたって、生物学的改造を行うか、機械による強化を行うか、というのはそれこそSFやら何やらで使い古されてきたテーマなので、あれれ、これもそうなのー?、というのが残念なところの一つ。

もう一つは、前々回までのいわゆる日常回数話と今回との繋がりが、あまりも唐突であるところ。もう少し緩やかな繋がりを持たすことはできなかったのか、という部分。

なので、こちらは、物語の構成、というかシリーズ構成に対する不満。

あ、あともう一つ、今回に限って不満、というか、さすがにそれはご都合主義的だな―、と思ったのは、以上のヒディアーズの正体のバレをもたらしたディスクが、たまたま浮遊していたディスクを解析してわかってしまった、という展開の部分。

いや、いくらチェインバーに「敵による情報撹乱の意図もありえる」と言わせてもね・・・

ここは、もうちょっと必然でも偶然でもいいからアクセントを付けて欲しかった。
それだけ、重要なバレなのだから。
一応は隠し扉の向こうにあって・・・云々、ような形式というか。

だから、始めの数回のエピソード構成とくらべて、この数回の構成が非常に雑で大雑把なものになってしまっていること。これは単純に残念。で、期待はずれ。

なんだろうなー、鬱展開が挿入されること自体は全く気にしない方だけど、しかし、同じ鬱でも、内輪もめのような、出口のない話はやっぱりちょっとね。。。

オチが、争わないで皆で仲良く支えあっていこうよ、みたいな説教臭いものにならないことを切望する。

というか、これでエイミー達ガルガンティア残り組が、奇襲されて、挙句の果てにイカ人間に改造されてしまったりしたら、もう、いろいろな意味で(中の人的にもw)もう目も当てられないよな。

あー、そういう意味では、序盤に出てきた、女海賊の「エビ」ロボットというのも、「イカ」人間という意味で、いろいろと意味深なものでもあったわけね。。。

てか、そういう意味でも、アヴァロンの実態、というか秘密はもの凄く気になる。

なんとなくだけど、第1話で退場したレドの上官が、イカ人間になって再登場しそうな気がしていやだなぁ。。。

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